中国で新型無人ヘリT1400が初飛行 1トン級ドローン時代へ
中国東北部で、新型の大型無人ヘリコプター「T1400」が初飛行に成功しました。産業用ドローンの課題とされてきた「重さ」と「長時間飛行」を同時に乗り越え、1トン級の低空域機体の時代に向けた一歩となりそうです。
中国・ハルビンでT1400が初飛行
今回初飛行した無人ヘリコプター「T1400」は、中国のハルビン・ユナイテッド・エアクラフト・テクノロジー(Harbin United Aircraft Technology Co., Ltd.)が、聯合航空集団(United Aircraft Group)の一員として開発した機体です。試験飛行は、中国東北部の黒竜江省の省都・ハルビンで行われました。
初飛行では、次のような基本動作が確認されたとされています。
- その場でのホバリング(空中静止)
- ルート飛行(あらかじめ設定した経路に沿った飛行)
- 精密着陸
開発主体のトップである田剛銀董事長は、T1400が「産業用ドローンが長年抱えてきたペイロードと航続時間の制限を克服する突破口になった」と評価しています。
最大離陸重量1,400キロ 10人分超を運べる無人ヘリ
T1400の最大離陸重量は1,400キログラムとされ、これまでの産業用無人機と比べても一段大きなクラスに入ります。機体の特徴は次の通りです。
- 最大ペイロード(積載量):650キログラム(成人10人分以上に相当)
- 最大飛行時間:8時間超
- 運用可能な気温:マイナス40度から55度まで
- 実用上昇限度:6,500メートル
- 強風下でも運用可能な設計
極寒から高温まで対応し、高高度や強風にも耐える設計となっているため、過酷な環境下での運用も想定した機体だといえます。
「トン級」無人機がもたらすもの
産業用ドローンはこれまで、小回りが利く一方で、「重いものを運べない」「長時間飛べない」といった制約が指摘されてきました。T1400は、トン級の最大離陸重量と650キログラムのペイロードを備えることで、こうした制約を大きく緩和しようとする試みです。
数百キロ単位の荷物や機器を空から運べる無人ヘリは、例えば次のような場面での活用がイメージしやすい存在です。
- 人が近づきにくい山岳地帯や海上での物資輸送
- 大型機材を伴うインフラ点検や建設現場
- 災害時の緊急物資や救援機材の輸送
中国の航空分野では、こうした1トン級の低空域機体が今後の新しい装備カテゴリーとして位置づけられつつあり、T1400の初飛行はその流れの中で象徴的な出来事といえます。
低空域と無人航空機、広がる「空のインフラ」
地上からそれほど高くない高さを飛ぶ低空域の航空機は、道路や鉄道とは異なる「第3のインフラ」として世界的に注目を集めています。2025年現在、各国で無人航空機を使った物流や点検サービスの実証が進められており、低空域の活用をめぐる競争と協力が広がっています。
T1400のような大型無人ヘリは、こうした低空域の活用をさらに一段押し上げる存在になり得ます。今回の初飛行は、中国東北部から始まる技術実証のスタートラインにすぎませんが、今後の量産化や商用運用の行方は、国際的な無人航空機の議論にとっても注目すべきポイントとなりそうです。
新しい空のインフラがどのような形で私たちの生活やビジネスに組み込まれていくのか、引き続き見ていく必要があります。
Reference(s):
New unmanned helicopter completes maiden flight in northeast China
cgtn.com








