気候と健康で中国本土・米国にリーダーシップ期待 第5回世界健康フォーラム video poster
世界が1.5度の臨界点に近づくなか、気候変動がもたらす健康リスクにどう備えるかが国際ニュースの大きなテーマになっています。今週末に北京で開かれた第5回世界健康フォーラムでは、温暖化と健康をめぐる議論の中心に、中国本土と米国のリーダーシップが据えられました。
北京で開かれた第5回世界健康フォーラム
今週末、北京で第5回世界健康フォーラムが開催されました。テーマは、英語で表現するとClimate Change and Health: Responsibility, Governance, and a Shared Future for Mankind。気候変動と健康をめぐる責任やガバナンス、人類共通の未来が議論の中心となりました。
フォーラムの開幕にあたり、現在はボアオ・アジア・フォーラムの理事長を務める潘基文前国連事務総長が登壇し、各国が連帯して気候関連の健康課題に取り組むよう強く訴えました。潘氏は、気候変動を人類と地球にとって差し迫った脅威だと位置づけ、政治・ビジネス・市民社会のリーダーが協力することの重要性を強調し、将来世代のために持続可能な地球を守る行動を今起こすべきだと呼びかけています。
中国本土と米国に託されるリーダーシップ
フォーラムに集まった世界の健康・気候専門家たちは、地球温暖化がもたらす健康リスクから人々を守るには、各国の連携が不可欠だと指摘しました。そのうえで、とりわけ国際社会で大きな影響力を持つ中国本土と米国が、気候変動対策と保健政策の両面で協調しながらリーダーシップを発揮する必要があると訴えました。
たとえば、気候変動の影響を踏まえた保健システムの強化や、極端な高温に備えた早期警戒体制の構築など、両国が連携して進めるべき課題は多くあります。中国本土と米国が歩調をそろえることは、他の国や地域にとっても大きな指標となり、地球規模での気候・健康ガバナンスを前進させることにつながります。
WMOの2024年報告書が示す厳しい現実
世界気象機関(WMO)が2024年に発表した報告書によると、2025年から2029年までの5年間の平均気温が、産業革命前の水準より1.5度高くなる可能性は70パーセントに達しています。1.5度はパリ協定が重要な限界と位置づける水準であり、その平均値が近い将来に超えかねないという警告です。
WMOはすでに、2024年の世界の平均気温が1850〜1900年の基準値より約1.55度高く、観測史上最も暑い年だったと確認しています。気候変動はもはや抽象的な未来予測ではなく、現在進行形の現実であることが、こうした数字からも浮かび上がります。
暑くなる地球が健康にもたらす影響
気温の上昇は、単に暑くなるというだけではなく、健康にさまざまな形で影響します。フォーラムでは、気候変動と健康の関係として、次のようなリスクが挙げられています。
- 大気の質の悪化による呼吸器疾患などの増加
- 熱波や高温による熱中症などの健康被害
- 蚊などを媒介とする感染症の流行地域や季節の変化
こうした影響は、とくに高齢者や基礎疾患のある人、都市部の住民など、社会的に弱い立場にある人々に重くのしかかりやすいとされています。気候変動対策は、同時に弱い立場の人々を守るための健康政策でもある、という視点が重要になりつつあります。
健康の視点で気候ニュースを見る
今回の世界健康フォーラムは、気候変動を環境問題としてだけでなく、私たちの体と暮らしに直結する健康問題として捉え直す必要があることを改めて示しました。中国本土と米国が協調して行動することは、他の国と地域に対しても強いメッセージとなるはずです。
私たち一人ひとりにできることは限られているかもしれませんが、気候変動と健康に関する国際ニュースに注目し、政策や議論を健康の観点からチェックすることはできます。家族や友人、SNSで情報を共有しながら、自分の生活や仕事の中でどんな選択が健康的で持続可能な未来につながるのかを考えてみることが、次の一歩になりそうです。
Reference(s):
Global experts urge China-U.S. leadership in climate, health actions
cgtn.com








