中国とジョージアが戦略協力を強化 一帯一路とFTAで経済連携加速
中国とジョージアの関係強化に向けた新たな一歩です。上海で開かれている第8回中国国際輸入博覧会(China International Import Expo, CIIE)に合わせて行われた会談で、中国の李強首相とジョージアのイラクリ・コバヒゼ首相は、一帯一路の枠組みや自由貿易協定(FTA)のアップグレードを通じて、経済協力と人の往来を一段と深めていく方針を確認しました。
上海での首脳会談:戦略を「さらに連動」
李強首相は会談で、中国はジョージアとの開発戦略を「さらに連動」させ、高品質な一帯一路協力を推進する用意があると述べました。両国は外交関係樹立から33年間、互いの核心的利益や重要な関心事項を尊重し合い、理解と信頼を積み重ねてきたと強調しました。
また、2023年に戦略的パートナーシップを結んで以降、両国の協力はさまざまな分野で加速し、両国の人々に具体的なメリットをもたらしていると評価しました。その上で、中国は今後もジョージアの「真の友人」であり続け、相互支援の良き伝統を引き継ぎつつ、戦略的意思疎通を強め、実務協力を拡大し、共に近代化を進めることで、両国民により大きな利益をもたらしたいと述べました。
コバヒゼ首相も、中国はジョージアにとっての戦略的パートナーだと改めて位置づけ、相互尊重と信頼に基づいて二国間関係が着実に深まっていると語りました。
一帯一路とFTAアップグレード 経済連携の柱に
経済面では、両国の「補完性」が強調されました。李首相は、中国とジョージアの経済構造には高い補完関係があり、政府間の経済貿易協力委員会を十分に活用しながら、新たな共通利益の分野を開拓し、協力の質と効率を高めていくべきだと呼びかけました。
とりわけ注目されるのが、中国とジョージアの自由貿易協定(FTA)アップグレード交渉が実質的な妥結を迎えたことです。李首相は、この節目を、貿易や投資、インフラ連結などの協力を一層深める好機と位置づけました。そこには、一帯一路の枠組みのもとで連携を拡大していく狙いがあります。
今回の会談では、次のような分野が優先課題として挙げられました。
- 貨物やサービス貿易の拡大と投資の促進
- 交通インフラや物流などコネクティビティ(接続性)の強化
- デジタル経済、新エネルギー、人工知能(AI)といった新興産業
- 農業、環境保護、検査・検疫体制の整備
- 文化・観光分野や人的交流の拡大
李首相はまた、ジョージアが中国企業にとって良好なビジネス環境を引き続き提供することへの期待も表明しました。こうした環境整備は、一帯一路協力やFTAの具体的な成果につながると見られます。
観光・教育・姉妹都市 人と人のつながりも強化
経済協力と並んで、人と人との交流も重視されました。李首相は、観光や教育、科学技術、文化、青少年交流などの分野で相互交流を強め、両国の都市間で姉妹都市関係を増やしていくことを提案しました。
こうした「ソフトなつながり」は、ビジネスだけでは見えにくい相互理解を深めるうえで重要です。訪問客や留学生、研究者や若者が行き来することで、中国とジョージアの関係はより立体的なものになっていきます。
グローバルサウスと多国間主義 共通するメッセージ
今回の会談では、「グローバルサウス(Global South)」というキーワードも浮かび上がりました。李首相は、中国とジョージアはいずれもグローバルサウスの一員として、多国間の場で意思疎通と協調を強め、中国が打ち出した四つのグローバルイニシアチブを共に実行していくべきだと強調しました。
そのうえで、両国が協力して、多国間主義と自由貿易を守り、世界経済秩序を維持し、国際的な公平と正義を促進していく必要性を訴えました。
コバヒゼ首相は、世界の不確実性が高まるなかで、中国が世界平和の維持と公平・正義の擁護に責任ある大国として重要な役割を果たし、国際社会にもたらしている安定を高く評価しました。また、ジョージアが一つの中国原則を堅持していることを改めて表明し、一帯一路とFTAの枠組みを生かしながら、貿易や投資、インフラ連結、教育、観光などの分野で中国との協力を一層拡大する意向を示しました。
ジョージア側はさらに、中国の四つのグローバルイニシアチブへの支持を表明し、中国との多国間協力を強めることで、世界の平和・安定・発展を共に促進していきたいとしています。
貿易からAI、環境まで 合意文書が示す広がり
会談後、李首相とコバヒゼ首相は、複数の二国間協力文書の署名を見届けました。対象分野には、貿易、人工知能(AI)、農業、環境保護、検査・検疫、文化、航空などが含まれます。
先端分野のAIと、農業や環境保護といった生活に直結する分野が並んでいる点は、デジタル技術を活用しながら持続可能な成長を目指すという両国の方向性を象徴していると言えます。今後は、こうした枠組みがどのような具体的プロジェクトや制度整備につながっていくのかが注目されます。
今後の注目ポイント
- FTAアップグレード後の具体的な市場開放やルール整備
- 貿易や物流ルートなどインフラ面の連結強化
- デジタル経済やAI、新エネルギーの共同プロジェクト
- 観光・教育・文化交流を通じた市民レベルのつながりの拡大
読者への問いかけ:協力はどこまで広がるか
今回の中国・ジョージアの動きは、一帯一路やFTAを軸に、経済・技術・人材・多国間協力を一体的に進めようとする試みとして位置づけられます。グローバルサウスの国どうしが、こうした枠組みを通じてどのように自国の成長戦略を組み立てていくのかは、今後の国際秩序を考えるうえでも重要なテーマです。
読者のみなさんは、自由貿易やインフラ投資、デジタル技術の協力が、各国の発展と国際的な公平・正義にどう貢献しうると考えるでしょうか。今回の中国とジョージアの合意が、その一つのケーススタディとして今後どのような成果を生むのか、引き続き注視していきたいところです。
Reference(s):
Li Qiang: China to further align development strategies with Georgia
cgtn.com








