中国、水利設備の高度化計画 2027年技術突破と2030年世界リーダーへ
中国の工業・情報化部と水利部が、高品質な節水設備の開発を加速する新たな計画を公表しました。2027年までの技術突破と2030年までの世界的リーダー化を目標に掲げ、水資源の安全保障と産業競争力の強化を同時にねらう内容です。
中国が打ち出した節水設備強化の新計画
工業・情報化部(MIIT)は月曜日、節水設備の高品質化を推進する計画を発表しました。この計画は水利部と共同で策定されたもので、水の供給・利用・リサイクルといった重要分野で技術的ブレークスルーを実現することを目指しています。
計画は、節水設備を節水産業の基盤と位置づけています。節水設備は、水資源の無駄を減らすだけでなく、国家の水安全保障を守るうえで重要な役割を果たすと強調されています。
対象は水供給・利用・リサイクルの3分野
今回の中国の計画が焦点を当てるのは、次のような水関連の重要分野です。
- 水道や工業用水などの水供給
- 工場や都市での水の利用効率向上
- 使用済みの水のリサイクルや再利用
これらは、都市インフラや産業活動と密接に関わる領域であり、節水設備の技術水準が社会全体の水利用のあり方を左右するといえます。
2027年までの目標:コア技術とスマート管理
計画は、2027年までの具体的な目標をいくつか掲げています。現在から約2年あまりで、次のような成果を目指すとしています。
- 独自の知的財産権を持つ一連のコア技術を確立する
- 高効率な循環冷却やスマート水管理など、先進技術の商業化を進める
- 節水設備に関する、より包括的で体系的な標準システムを整備する
- 節水設備分野でリーディング企業の集団を育成する
高効率な循環冷却技術やスマート水管理は、工場やビル、都市インフラなどに幅広く関わるとみられる分野です。これらの技術が商業化されれば、エネルギー効率や水利用効率の改善にもつながる可能性があります。
2030年ビジョン:高性能な節水設備の安定供給体制
さらに計画は、より長期の2030年に向けた姿も描いています。2030年までに、中国は節水設備分野で世界のリーダーになることを目標に掲げています。
そのために、次のような状態を実現するとしています。
- 高性能で効率的かつ耐久性の高い節水設備を、安定的に供給できる体制を構築する
- 節水設備の研究開発から生産、標準づくりまでを含む、包括的で先進的なシステムを整える
2027年までの技術確立と商業化を中間目標とし、その延長線上に2030年の世界的リーダー化を据える、段階的なロードマップといえます。
水安全保障と産業戦略の両にらみ
今回の計画の特徴は、水安全保障と産業戦略が一体となっている点です。中国当局は、節水設備を水資源政策の道具であると同時に、節水産業そのものを支える基盤と位置づけています。
水供給・利用・リサイクルという生活と産業の根幹に関わる分野で、高性能な設備と明確な標準を整えることは、国内の水リスクを抑えつつ、関連産業の競争力を高める狙いもあるとみられます。
標準づくりとリーディング企業の役割
計画の中で、技術開発と並んで重視されているのが、標準体系の整備とリーディング企業の育成です。
- 標準体系の整備により、製品の品質や安全性をそろえ、市場の信頼性を高める
- 先進的な企業の集団を育成し、技術革新と市場拡大を牽引していく
これにより、中国国内だけでなく、将来的には国際市場における節水設備の標準づくりにも影響力を持つことを視野に入れている可能性があります。
日本と世界にとっての意味
中国が節水設備分野で技術突破と世界的リーダー化を目指す動きは、日本や世界の企業・政策にも無関係ではありません。
- 水供給や工業用水、リサイクル設備などの分野で、新たな技術協力や競争の機会が生まれる可能性
- 高性能な節水設備が普及すれば、世界のインフラ整備や工場設計の発想にも影響が及ぶ可能性
- 各国・地域が自らの水利用やインフラ更新を考えるうえでの参照事例になりうること
水資源をめぐる課題が長期的なテーマであるなか、中国が示した今回の計画は、今後数年から2030年にかけての技術・産業・環境政策の流れを読み解くうえで、注目すべき動きの一つといえます。
日本の読者にとっても、自国の水利用やインフラの将来像を考える際に、どのような技術や仕組みが必要になるのかを考えるヒントとなりそうです。
Reference(s):
China issues plan to push for high-quality water-saving equipment
cgtn.com








