中国とウルグアイ、包括的戦略的パートナーシップを深化へ 一帯一路とAIで協力拡大
中国の丁薛祥(てい・せつしょう)副首相がウルグアイのヤマンドゥ・オルシ(Yamandu Orsi)大統領と会談し、中国とウルグアイの包括的戦略的パートナーシップを一段と深め、一帯一路やデジタル経済など新分野で協力を拡大していく方針を確認しました。
この記事のポイント
- 中国とウルグアイが「包括的戦略的パートナーシップ」の深化で一致
- 一帯一路の枠組みで農業、インフラ、AI、デジタル経済などの協力を強化
- 多国間主義を支持し、国際的な公正と正義の擁護で連携を確認
丁副首相「37年の友情を土台に、新たな段階へ」
火曜日に行われた会談で、中国の丁薛祥副首相(中国共産党中央政治局常務委員)は、習近平国家主席の親書とあいさつをオルシ大統領に伝えました。丁副首相は、ウルグアイは中国にとって「良き友人であり、良きパートナー」だと強調しました。
中国とウルグアイは外交関係樹立から37年間、互いの尊重と平等を重んじ、さまざまな分野で実りある協力を積み重ねてきました。その結果、両国関係は「規模や制度、文化の異なる国どうしの団結と協力のモデルになっている」と評価されました。
丁副首相は、こうした関係の発展は両国首脳の戦略的な指導のもとで進んできたと述べ、今後もその枠組みの中で伝統的な友情を次の段階に押し上げていく考えを示しました。
第15次5カ年計画が生む新たな協力機会
丁副首相は、最近開かれた中国共産党第20期中央委員会第4回全体会議で、中国の第15次5カ年計画の策定に向けた勧告が審議・採択されたことにも言及しました。
この第15次5カ年計画は、中国の今後の発展に関する上位の設計図となるものであり、その実施によって、中国とウルグアイの協力がさらに拡大・深化する新たな機会が生まれると説明しました。
政治的信頼の強化と「ガバナンス」の共有
丁副首相は、両国が引き続き政治的な相互信頼を強化していく必要性を強調しました。そのために、政府、政党、立法機関、地方当局の間で友好的な交流を推進し、経験や知見を共有していくことを提案しました。
とくに「ガバナンス(統治)の経験交換」を通じて、社会や経済の課題への対応について学び合うことで、二国間関係の前向きな流れをいっそう確かなものにしていきたい考えです。
一帯一路で経済協力を拡大 農業からAIまで
実務面での協力について、丁副首相は「高品質の一帯一路協力」の枠組みのもとで、次の分野で連携を強める方針を示しました。
- 経済・貿易
- 金融
- 農業・畜産
- インフラ建設
さらに、次のような新たな成長分野での協力を加速させる必要があると述べました。
- 情報通信
- 人工知能(AI)
- デジタル経済
こうした協力を通じて、従来の分野に加えてデジタル技術やデータを活用した新しいビジネスやサービスが生まれることが期待されています。
教育・スポーツ・若者交流で「人と人」のつながりを強化
丁副首相は、両国の関係を長期的に安定させるためには、「人と人との交流」を深めることが重要だと指摘しました。
具体的には、次のような分野での協力拡大が呼びかけられました。
- 教育
- スポーツ
- シンクタンク
- 若者交流
- 地方レベルの交流
こうした人文交流を通じて、相互理解を高め、両国関係を支える世論と社会的な土台をより固めていくねらいがあります。
多国間協力と4つのグローバル・イニシアチブ
国際社会における連携についても、丁副首相は「多国間協力をいっそう強化することが必要だ」と強調しました。
そのうえで、中国が提唱する次の4つのグローバル・イニシアチブの実施をともに進め、国際的な公正と正義を守っていくべきだと述べました。
- グローバル発展イニシアチブ(Global Development Initiative)
- グローバル安全保障イニシアチブ(Global Security Initiative)
- グローバル文明イニシアチブ(Global Civilization Initiative)
- グローバルガバナンス・イニシアチブ(Global Governance Initiative)
これらの構想は、開発、安全保障、文化、ガバナンスといった分野での協力を強化しようとするものであり、中国とウルグアイの連携が世界の平和と発展に貢献することを意図しています。
ウルグアイ側「一帯一路協力をさらに強化したい」
オルシ大統領は会談で、丁副首相を通じて習近平国家主席に誠意あるあいさつを伝えてほしいと述べました。そのうえで、ウルグアイと中国の外交関係樹立以来、両国民の友情が深まり、二国間関係が着実に前進してきたと振り返りました。
オルシ大統領によると、ウルグアイの人々や各界は、中国との一帯一路協力をいっそう強化することを強く望んでおり、ウルグアイと中国の包括的戦略的パートナーシップを新たな水準へ引き上げていきたい考えです。
さらにウルグアイは、習近平国家主席が打ち出した主要な理念やイニシアチブに賛同し歓迎すると表明し、中国との意思疎通と協調を深め、「自由で開かれた国際貿易体制」と多国間主義を守るために協力していく姿勢を示しました。
経済・技術、税関分野で協力文書に署名
会談後、丁副首相とオルシ大統領は、両国間の経済・技術協力および税関分野での協力に関する文書の署名式に共同で立ち会いました。
これらの文書は、経済・技術分野と税関分野における協力の枠組みを定めるものであり、今後の具体的なプロジェクトや交流を進めるうえでの土台となります。
私たちはどう見るか:中南米と中国の接近が示すもの
今回の中国とウルグアイの動きは、一国間の関係強化にとどまらず、「中南米とアジアの関係がこれからどう変わっていくのか」という問いも投げかけています。
一帯一路やデジタル経済の協力が進めば、貿易や投資の流れ、技術協力やルールづくりにも影響を与える可能性があります。他方で、多国間主義や国際的な枠組みの場で、どのような連携が生まれていくのかも注目されます。
読者の皆さんは、こうした動きが自分たちの仕事や暮らし、そして日本と世界の関係にどのような形でつながってくると思うでしょうか。SNSなどで意見を交わしながら、引き続きウォッチしていきたいテーマです。
Reference(s):
China ready to enhance partnership with Uruguay: vice premier
cgtn.com








