世界インターネット会議2025呉鎮サミット開幕 130超の国・地域が参加
中国東部の水郷・烏鎮(ウージェン)で12月5日、2025年の世界インターネット会議(World Internet Conference)呉鎮サミットが開幕しました。130を超える国と地域から約1600人が集まり、インターネットとデジタル技術の未来をめぐる議論がスタートしています。
世界インターネット会議・呉鎮サミットとは
世界インターネット会議・呉鎮サミットは、インターネット分野の専門家、企業関係者、政策担当者などが一堂に会し、デジタル技術やサイバー空間のルール作りについて意見を交わす国際会議です。今回の会場となる烏鎮は、水郷として知られる中国東部の古い街で、ここ数年デジタル関連会議の開催地としても注目を集めています。
2025年のテーマは「開放・協力・安全・包摂」
2025年の呉鎮サミットは、英語のテーマである「Building an Open, Cooperative, Secure, and Inclusive Digital Future – Jointly Forging a Community with a Shared Future in Cyberspace(開放的で協力的、安全かつ包摂的なデジタル未来を構築し、サイバー空間での共同体をともに築く)」を掲げています。
キーワードをあえて4つに整理すると、次のように読み解くことができます。
- 開放:国や地域、企業、分野の壁を越えて、技術や知見を共有していく姿勢
- 協力:サイバー空間の課題に、各国・各地域が対立ではなく連携によって向き合うこと
- 安全:サイバー攻撃や情報漏えいから人びとの暮らしと産業を守る取り組み
- 包摂:デジタル化の恩恵が都市部だけでなく、中小企業や社会的弱者にも行き渡る社会
「サイバー空間での共同体」という表現は、インターネットを単なる技術インフラではなく、国境を越えた公共空間としてどう運営していくかを話し合う場であることを示しています。
130超の国・地域から約1600人 国際機関も参加
主催者によると、今回の呉鎮サミットには130を超える国と地域から、1600人以上の参加者が集まりました。インターネット関連企業や専門家だけでなく、国際機関の代表も参加しているのが特徴です。
国連食糧農業機関(FAO)や世界知的所有権機関(WIPO)といった国際機関の代表も会場に姿を見せています。これは、インターネットとデジタル技術の議論が、IT業界にとどまらず、
- 食料・農業(スマート農業、データにもとづく生産管理)
- 知的財産(デジタルコンテンツやAIが生み出す成果の保護)
といった広い分野と深く結びついていることを象徴していると言えます。
李書磊氏が基調講演 中国のデジタルビジョンを発信
開幕イベントでは、中国共産党(CPC)中央委員会政治局委員であり、中央宣伝部部長を務める李書磊(り・しょらい)氏が基調講演を行いました。党と政府の宣伝・メディア政策を担う立場からの発信は、中国がどのようなかたちでサイバー空間の国際協力やデジタル未来の構築に関わろうとしているのかを示すメッセージとして位置づけられます。
今回のテーマに沿えば、インターネットガバナンス(インターネットの運営ルール)やデジタル経済の発展、そしてサイバー空間の安全確保といった領域で、開放性と協力、そして包摂をどのように両立させるかが、議論の焦点となっていくことが想像されます。
日本の読者にとっての意味
日本にいる私たちにとっても、世界インターネット会議・呉鎮サミットの動きは無関係ではありません。インターネットやデジタル技術は、国境を越えてビジネスや暮らしの前提を変えています。
- 越境データ流通:クラウドサービスやオンライン決済など、個人情報や企業データが国境をまたいで行き交う時代に、どのようなルール作りが進むのか。
- 知的財産とコンテンツ:音楽、動画、ゲーム、AIが生成するコンテンツなど、デジタル作品の権利保護を各国がどう調整していくのか。
- 社会の包摂性:地方や中小企業、高齢者を含む多様な人びとが、デジタル化の波から取り残されないための工夫をどう共有していくのか。
こうしたテーマは、日本のデジタル政策や企業戦略、私たちの日常生活とも密接に関わります。中国東部の水郷の町で始まった議論が、2025年以降のインターネットのかたちにどのような影響を与えるのか。呉鎮サミットの行方に、今後もしばらく注目が集まりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








