中国第15回全国運動会、史上初のカーボンニュートラル大会
2025年11月9〜21日に開催された中国第15回全国運動会は、史上初めてカーボンニュートラルを掲げた全国規模のスポーツ大会となりました。グリーン、デジタル、廃棄物ゼロをキーワードに、会場整備から大会運営まで一貫した排出削減に取り組んだ点が注目されています。
史上初のカーボンニュートラル国体、その狙い
中国の第15回 National Games(全国運動会)は、会場建設、エネルギー管理、競技運営のあらゆる段階で二酸化炭素(CO2)排出を抑える仕組みを導入しました。目標は、排出量を大きく減らしたうえで、残りを吸収・削減プロジェクトなどで埋め合わせ、実質ゼロに近づけることです。
近年、オリンピックやサッカーの国際大会でもグリーン大会が合言葉になっていますが、今回の取り組みは、中国の総合スポーツイベントとして節目となる試みだと言えます。国際ニュースとしても、スポーツと脱炭素がどのように結びついていくのかを考える材料になります。
広東省の競技ゾーン、既存89会場を活用
大会の主要な競技ゾーンの一つとなったのが、中国南部・広東省です。ここでは合計89の競技会場が整備されましたが、その90%以上が新設ではなく、既存施設の改修や機能強化によって対応しています。新たに建物を建てるより、すでにある施設を生かす方が、建設に伴うCO2排出を大きく抑えられるためです。
オンラインで中国の動きを追う日本語ニュースの読者にとっても、こうした既存インフラの活用は、都市の持続可能性を考えるうえで重要なキーワードになりつつあります。
広州・天河スポーツセンターの省エネ改修
広東省の中でも象徴的な存在が、広州の天河スポーツセンターです。ここは過去に第6回、第9回の全国運動会や2010年の広州アジア大会の会場にもなったランドマークで、今回はサッカー、バレーボール、卓球、3×3バスケットボールなどを担当しました。
カーボンニュートラル大会を目指し、同センターでは次のような省エネ改修が行われています。
- スタジアムの窓枠に、断熱性の高いアルミ合金フレームを採用
- 太陽光を反射し、室内の冷房負荷を減らす低放射(二重)ガラスを導入
- 直流インバーター方式の高効率空調システムを採用し、従来の省エネ基準に比べて約11〜23%の追加削減を実現
- 場内の照明をすべて省エネ型LEDに交換し、必要な場所だけ点灯できるスマート照明制御システムを導入
緑化・低炭素改修設計を担当するタン・ハイヤン氏は、中国メディアグループ(CMG)に対し、こうした照明の入れ替えと制御により、照明に伴うエネルギー消費を45%以上削減できると説明しています。スタジアムという大規模施設での45%削減は、CO2排出に換算すると決して小さくありません。
スポーツの現場から考える、脱炭素の当たり前化
今回のカーボンニュートラルな全国運動会は、一度きりの環境配慮イベントにとどまるのか、それとも今後のスポーツイベントや都市開発の新しい標準になるのか。その行方は、アジアや世界の動きを追う読者にとっても関心の高いテーマでしょう。
私たちの日常に引き寄せてみると、次のような実践と重なって見えてきます。
- 新しく買う前に、今あるものを活用できないか考える
- 家庭やオフィスの照明を順次LEDに切り替える
- 空調の設定温度や使い方を見直し、無駄な電力を減らす
中国のスポーツ会場で進むグリーン化の取り組みは、日本で暮らす私たちにとっても、エネルギーの使い方や都市インフラの在り方を静かに問い直すヒントになりそうです。読みやすい日本語ニュースを手がかりに、スポーツと環境の関係を自分ごととして考えてみるタイミングかもしれません。
Reference(s):
Green, digital, waste-free: China's carbon-neutral National Games
cgtn.com







