中国が熱帯雨林保護で国際協力を呼びかけ 丁薛祥副総理が演説
最近開かれた熱帯雨林保護に関する国際会合で、中国の丁薛祥副総理が各国に対し、熱帯雨林の保全と気候変動対策で協力を強化するよう呼びかけました。地球規模の環境危機の中で、中国がどのような役割を打ち出しているのかが注目されています。
ブラジル主催の基金ランチ会合で発言
丁薛祥副総理は、中国の習近平国家主席の特別代表として、ブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ大統領が主催した「Tropical Forests Forever Facility」と呼ばれる基金に関する昼食会に出席しました。席上、丁氏は熱帯雨林保護の重要性を強調し、各国が連携して取り組む必要性を訴えました。
この会合には、コンゴ民主共和国のフェリックス・チセケディ大統領、スリナムのジェニファー・サイモンズ大統領、コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領、フランスのエマニュエル・マクロン大統領、国連のアントニオ・グテーレス事務総長、世界銀行グループのアジャイ・バンガ総裁らも参加し、それぞれコメントを述べました。熱帯雨林をめぐる議論が、いまや世界の政治・経済リーダーが集う場の中心テーマになっていることがうかがえます。
「人類の生存と福祉に関わる共通の事業」
丁氏は演説で、熱帯雨林の保護は「人類の生存と福祉」に関わる問題であり、すべての国にとっての共通の事業だと位置づけました。そのうえで、この課題に対応するには各国が力を合わせることが不可欠だと指摘しました。
丁氏のメッセージは、次のような点に集約されます。
- 熱帯雨林保護は、地球規模の環境と人々の生活の両方に直結するテーマであること
- 単独の国では対応できず、多国間・二国間の協力プラットフォームを通じた連携が必要であること
- 情報共有や政策調整を進めるため、各国がコミュニケーションを強化すべきだということ
中国国内での取り組み:海南熱帯雨林国家公園
丁氏は、中国国内での取り組みとして、近年の政策や法規制の強化、資金や技術投入の拡大を紹介しました。その具体例として、海南熱帯雨林国家公園の設立に触れ、環境保護と地域の発展の両面で「顕著な成果」を上げてきたと説明しました。
熱帯雨林の保全はしばしば「経済発展か環境か」という二者択一として語られますが、丁氏の説明は、自然保護と住民の暮らしの向上を同時に追求するモデルを提示しようとするものでもあります。中国が自国で試みているこうしたアプローチが、他の熱帯林地域にもどのように共有されていくのかが焦点になりそうです。
先進国に資金支援を要請 途上国との連携を強調
また丁氏は、国連の気候関連の枠組みのもとで、先進国が十分な資金を提供し、途上国による森林伐採の削減や熱帯雨林の劣化防止を支援するべきだと呼びかけました。こうした主張は、気候変動交渉の場で長年、開発途上国が訴えてきた「資金ギャップ」の問題とも重なります。
中国は、熱帯雨林保全に関する多国間・二国間の協力プラットフォームづくりを進め、各国とのコミュニケーションと調整を強化する意向も示しました。丁氏は、中国が各国との協力を深め、地球規模の気候と環境ガバナンスにより大きな貢献をしていく用意があると述べています。
なぜ熱帯雨林が国際ニュースの中心になっているのか
熱帯雨林は、膨大な生物多様性を抱えるだけでなく、大気中の二酸化炭素を吸収し、地球の気候を安定させる役割も担っています。その一方で、森林伐採や劣化が進めば、温室効果ガス排出を増やし、気候危機を加速させる要因にもなります。
今回の会合では、ブラジル、中国、コンゴ民主共和国、コロンビアなど、主要な熱帯林地域や関連国の首脳級が一堂に会しました。これは、熱帯雨林保護が単なる環境問題にとどまらず、エネルギー、産業、金融を巻き込む包括的な国際課題になっていることを示しています。
これから何に注目すべきか
今後、注目されるポイントとしては、次のような点が挙げられます。
- ブラジルが主導するTropical Forests Forever Facility基金が、具体的にどのような形で資金を集め、現場のプロジェクトを支援していくのか
- 先進国がどの程度、資金拠出や技術支援にコミットするのか
- 中国が海南熱帯雨林国家公園などで積み上げた経験を、他地域との協力にどう生かしていくのか
熱帯雨林の保護は、一国だけでは成し遂げられない長期的な取り組みです。今回の丁薛祥副総理の発言は、中国がこの分野で国際協力を重視し、役割を果たしていこうとする姿勢を示すものだと言えます。今後の具体的な行動と各国の連携のあり方が問われる局面に、世界の関心が集まっています。
Reference(s):
China urges global cooperation to protect tropical rainforests
cgtn.com








