中国の新エネルギー車が初の過半数に 10月の新車販売で51.6%
2025年10月の中国の新エネルギー車(NEV)市場が、新車販売に占める比率で初めて「過半数」を超えました。中国自動車工業協会(CAAM)が火曜日に公表した統計で明らかになったもので、中国の自動車市場の構造変化が一段と進んでいることを示しています。
中国の新エネルギー車、初の「過半数」
CAAMによると、2025年10月単月の中国の新エネルギー車販売台数は約172万台となり、国内の新車販売全体の51.6%を占めました。新エネルギー車が新車販売の半分を超えたのは、統計上これが初めてです。
今回の統計のポイントを整理すると、次のようになります。
- 10月のNEV販売台数:約172万台
- 新車販売に占めるNEV比率:51.6%(初の過半数)
- 中国の自動車市場全体も堅調に拡大
10カ月累計で見ても「ほぼ半分」に迫る
2025年1〜10月の累計では、新エネルギー車の生産台数は約1,302万台で、前年同期比33.1%増となりました。販売台数は約1,294万台で、こちらも前年同期比32.7%増と力強い伸びを見せています。
新エネルギー車は、1〜10月の新車販売全体の46.7%を占めており、市場全体の「ほぼ半分」に迫る水準です。10月単月で過半数に達したことから、今後累計でも50%超えが視野に入ってきたと言えます。
同じ期間の中国の自動車市場全体を見ると、以下のような数字が並びます。
- 自動車生産台数(1〜10月):約2,769万台(前年同期比13.2%増)
- 自動車販売台数(1〜10月):約2,769万台(前年同期比12.4%増)
- うち新エネルギー車の販売台数:約1,294万台(構成比46.7%)
全体の市場規模が二桁成長を続けるなかで、その伸びを上回るペースで新エネルギー車が普及していることが分かります。
輸出も順調、新エネルギー車が成長を牽引
CAAMの統計によると、中国の自動車輸出も2025年の初めから10月まで好調を維持しました。輸出台数は累計で約562万台と、前年同期比15.7%増となっています。
特に目立つのが、新エネルギー車の輸出です。
- 自動車輸出台数(1〜10月):約562万台(前年同期比15.7%増)
- 新エネルギー車の輸出台数:約201万台(前年同期比90.4%増)
新エネルギー車の輸出は前年から約9割増という急拡大で、数量ベースでも自動車輸出全体の重要な柱になりつつあります。中国発の電動車が、アジアや欧州などさまざまな市場へ広がっている構図が浮かび上がります。
何がNEV市場の急拡大を支えているのか
今回の統計は数字の大きさだけでなく、「なぜここまで伸びたのか」を考える材料も提供しています。背景には、次のような要因があるとみられます。
- 継続的な政策支援:購入補助やナンバープレート優遇など、新エネルギー車普及を後押しする制度が整えられてきたこと
- メーカー間の競争と技術革新:航続距離の向上や充電時間の短縮など、製品性能の改善が進んだこと
- 価格帯の多様化:エントリーモデルから高価格帯まで選択肢が広がり、一般の消費者にも手が届きやすくなってきたこと
- 充電インフラの整備:都市部を中心に充電設備が増え、利用しやすい環境が整いつつあること
こうした要因が重なり合い、新エネルギー車が「一部の先進的な選択肢」から「多くの人にとって現実的な選択肢」へと変わりつつあると考えられます。
日本と世界の自動車産業にとっての意味
中国の新エネルギー車が国内市場で過半数を占めるという節目は、日本を含む世界の自動車メーカーにとっても無視できないシグナルです。世界最大級の自動車市場で電動化がここまで進んだことは、今後の開発・投資の方向性に影響を与える可能性があります。
日本の自動車メーカーや部品メーカーにとっては、次のような論点が浮かび上がります。
- 電動車関連技術やソフトウェア分野で、どの程度まで自前主義を貫くのか、それとも連携を深めるのか
- 中国市場をどう位置づけ、どのセグメントに注力するのか
- サプライチェーン(供給網)を、電動化を前提にどう再設計していくのか
一方で、中国の新エネルギー車の拡大は、世界全体での二酸化炭素排出削減やエネルギー構造の転換という観点からも注目されます。巨大市場での電動化が進めば、電池の大量生産によるコスト低下や技術の標準化が進み、他地域でも電動車が普及しやすくなる可能性があります。
これから何に注目すべきか
2025年10月の統計は、中国の自動車市場が「電動化を中心とする新たな段階」に入ったことを示す象徴的な数字と言えます。今後、次の点に注目が集まりそうです。
- 2025年通年で、新エネルギー車の販売比率がどこまで伸びるのか
- 輸出市場で、新エネルギー車の存在感がどの程度高まるのか
- 電池やソフトウェアなど周辺産業に、どのような波及効果が生まれるのか
新エネルギー車が新車販売の「過半数」を超えたというニュースは、一見すると自動車業界の話に見えますが、エネルギー政策や気候変動対策、そして私たちのモビリティ(移動手段)のあり方そのものに関わるトピックでもあります。数字の裏側にある構造変化を意識しながら、今後の動きをフォローしていきたいところです。
Reference(s):
China's NEV sales exceed 50% of monthly total for first time
cgtn.com








