COP30ベレン会議を振り返る:気候変動を再び国際議題の中心へ
ブラジル北部ベレンで11月21日まで開催された国連気候変動会議「COP30」は、気候変動対策を再び国際政治の中心に据えることを狙った会議でした。
COP30とは?ブラジル・ベレンで開かれた国際気候会議
第30回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP30)が、ブラジルの都市ベレンで月曜日に開幕しました。テーマは、気候変動との闘いを国際社会の最優先課題に引き戻すことです。
前回バクーの約束を実行するCOPに
開幕式では、昨年アゼルバイジャンの首都バクーで開かれたCOP29の議長を務めたムクタル・ババエフ氏が、参加国に対し、バクーで合意した目標を達成するよう力強く呼びかけました。
COP30議長のアンドレ・コレア・ド・ラーゴ氏は、自身を任命したブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ大統領に謝意を示したうえで、COP30は解決策を提示しなければならないと強調しました。
生活の質は向上し続けられるという希望
コレア・ド・ラーゴ氏は、各地で逆風が続く中でも、世界の人々の生活条件はこれからも改善し続けることができ、またそうしなければならないと語りました。その道筋として挙げたのが、科学、教育、文化です。
さらに同氏は、気候変動との闘いでは、多国間で協力するマルチラテラリズム(多国間主義)こそが前進の道だと訴えました。ひとつの国ではなく、多くの国と地域が協調して行動することの重要性が改めて示されたと言えます。
議題:適応、公正な移行、パリ協定のグローバル・バランス
COP30では、次のようなテーマが議論されることが予定されていました。
- 気候変動への適応:すでに起きつつある影響に社会をどう備えるか
- 公正な移行(ジャスト・トランジション):脱炭素の過程で誰かが取り残されないようにする仕組み
- パリ協定のグローバル・バランスの実施:世界全体での進捗と均衡をどう評価し、行動につなげるか
これらはいずれも、気候変動対策を現実の経済や暮らしと結びつけながら進めるためのキーワードです。
190以上の国と地域が登録参加、中国も独自イベント
COP30議長団によると、会議には190以上の国と地域の代表団が登録しており、11月21日までの日程で議論が行われました。国と地域の幅広い参加自体が、気候変動がもはや一部の地域だけの問題ではないことを物語っています。
会期中、中国は公式イベントへの参加に加えて、チャイナ・コーナーと呼ばれる場を設け、気候変動に積極的に取り組み、自らの目標を達成してきた経験や政策を共有する予定でした。各国・各地域がそれぞれの知見を持ち寄り、互いに学び合うことも、多国間主義の一部と言えます。
パリ協定10年とNDCの新ラウンド
今年は、パリ協定から10年の節目にあたり、各国が温室効果ガス削減などの目標を自ら定めて提出する国別で定める貢献(NDC)の新たな提出ラウンドにも当たります。
COP30の直前に開かれたベレン気候サミットで、国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、地球温暖化が社会や経済の発展に与える深刻な影響について警鐘を鳴らしました。
グテーレス氏は、気温がほんのわずかに上がるだけでも、飢餓や移住の増加、そして損失が拡大し、その影響を最も強く受けるのは排出にほとんど責任がない人々だと指摘し、ただちに、そして協調して行動するよう各国に強く求めました。
さらに同氏は、私たちはもっと速く、そして共に動かなければならない、このCOPは今後10年の加速と実行に火をつける場でなければならないと述べ、COP30を行動の10年のスタートと位置づけました。
なぜ今、COP30を振り返るのか
COP30はすでに閉幕しましたが、そのメッセージは2025年末の今も重みを増しています。気候変動を国際議題の中心に戻すという目標は、各国の次のNDCづくりやエネルギー・産業政策、都市づくりなど、多くの具体的な議論につながっていきます。
グローバルな会議の内容は、日常生活からは少し遠く感じられるかもしれません。しかし、そこで合意される方向性は、電気料金や交通網、雇用、食料価格など、暮らしのさまざまな部分に時間差をもって影響します。
ベレンで発せられた、科学・教育・文化を通じて前進し、多国間で協力するというメッセージを手がかりに、私たち一人ひとりも、自分の仕事や生活の中でどのように気候変動と向き合うのかを考え続ける必要がありそうです。
Reference(s):
Climate change front and center as COP30 summit kicks off in Brazil
cgtn.com








