香港カイタク・スポーツパークの舞台裏:第15回国体ラグビーセブンズを支える運営チーム video poster
第15回国体ラグビーセブンズ、香港で開催
第15回国体のラグビーセブンズ大会が、11月12日から14日にかけて香港のカイタク・スポーツパーク・スタジアムで行われました。高速で展開する試合、熱気に包まれたスタンド、響き渡る歓声。その華やかな表舞台の裏側には、会場全体をなめらかに動かす運営チームの綿密な仕事があります。
この複雑なオペレーションを束ねるのが、カイタク・スポーツパークのCEO、ジョン・シャーキー氏です。大会をどう成功させるか――その指標として、同氏が最も重視しているのは意外にもシンプルなものです。
カイタク・スポーツパークCEOが見ている「観客の顔」
シャーキー氏がスタッフに繰り返し伝える問いはただ一つです。「観客の顔に笑顔があるか」。
同氏はこう語ります。「一番大切なのは、人々の表情を観察し続けることです。もし観客が笑顔でいれば、私たちは正しい方向に進んでいると分かります」。
この発想は、運営を「数字」だけで評価しないという考え方につながります。来場者数や売上といった指標はもちろん重要ですが、シャーキー氏が重ねているのは、スタジアムにいる人たちが心から楽しめているかどうかという体験の質です。
目に見えないオペレーションの3つの柱
熱気あふれるラグビーセブンズの裏で、カイタク・スポーツパークのチームは、会場運営から都市全体の動きまでを視野に入れ、細部を磨き続けています。その中核となるのが、次の3つの柱です。
1. 綿密な事前計画とシミュレーション
ラグビーセブンズは試合間隔が短く、観客の入退場も集中しやすい競技です。そのため、運営チームは大会前から、さまざまなシナリオを想定した計画づくりを進めました。
- 試合ごとの観客の動き方の予測
- スタンドやコンコース(通路)の混雑ポイントの洗い出し
- トイレや売店の利用ピークの想定
こうしたシミュレーションを重ねることで、観客がどの時間帯にどこへ向かうのかを事前にイメージし、スタッフ配置や案内表示の位置などを細かく調整していきます。
2. 当日のリアルタイム対応と微調整
どれだけ準備をしても、当日は必ず予想外の動きが生まれます。そこで重要になるのが、リアルタイムでの微調整です。
- 会場内外の人の流れを逐一モニタリング
- 混雑が発生しそうなエリアへのスタッフ増員
- アナウンスやサインでのルート誘導の変更
その場で判断を下し、素早く動く。この積み重ねによって、観客にとっては「特に困ることもなく快適だった」という、ある意味「何も起きない」体験が実現します。
3. 会場を超えた都市レベルの連携
大型スポーツイベントは、スタジアムだけで完結しません。カイタク・スポーツパークの運営チームは、香港の都市機能との連携も重視しました。
- 公共交通機関との時刻調整や増便の検討
- 周辺道路の交通整理や案内との協力
- 近隣エリアの混雑対策や安全面での連携
これにより、観客はスタジアムに向かう途中から帰路に至るまで、比較的一貫した体験を得ることができます。大会はスポーツイベントであると同時に、都市全体のオペレーションの腕前が試される場でもあります。
「香港の国体」という物語をつくる
今回のラグビーセブンズは、第15回国体の中でも香港で行われる重要な一章です。スピード感あふれる競技の熱狂の裏で、運営チームは「観客の笑顔」を軸に、会場と都市をつなぐオペレーションを練り上げました。
観客から見れば、スムーズな入退場や快適な観戦環境は、あって当然のものに感じられるかもしれません。しかし、その「当たり前」を支えるために、多くの人が計画と調整を重ねています。
スポーツ観戦がますます日常のレジャーとなる中で、今回のような大会運営の工夫は、今後の国際スポーツイベントやエンターテインメントビジネスにとっても重要なヒントになりそうです。香港で紡がれたこの国体の一章は、スポーツと都市運営がどう結びつくのかを考えるきっかけを与えてくれます。
Reference(s):
cgtn.com








