中国が6G技術試験の第1段階を完了 次の10年のデジタルインフラへ
中国の工業情報化部(MIIT)は、第6世代移動通信システム(6G)の技術試験について、第1段階を完了したと明らかにしました。次の10年のデジタルインフラを左右する6Gで、中国は一歩先のポジションづくりを進めています。
4年かけた「第1段階」 300以上の技術を蓄積
中国メディアグループが木曜日に伝えたところによると、工業情報化部は過去4年間にわたり連続した6G技術試験キャンペーンを実施し、その中で300を超える重要技術を蓄積・整理してきたとしています。
「第1段階の完了」とは、こうした基礎技術の検証や候補技術の洗い出しが一通り進み、次のステップに移る準備が整った段階とみられます。
次の焦点は「中核技術の突破」と標準化・産業化
工業情報化部は今後について、6Gの「中核となる技術」と「統合的な技術ソリューション」のブレークスルーに注力するとしています。同時に、研究開発、標準化、産業化を並行して進め、6Gエコシステムの土台を固める方針です。
研究だけでなく、標準づくりや、産業としてビジネス展開できる形にまでつなげることを、早い段階から意識していることがうかがえます。
中国が描く6G像:通信・センシング・計算・知能の融合
工業情報化部は6Gを、「通信・センシング・コンピューティング・インテリジェンス(知能)の融合」を実現する次世代デジタルインフラとして位置づけています。最新の5カ年計画でも、次の10年を支える重要な基盤技術として6Gが強調されています。
6Gの利用対象は、人やモノだけでなく、「インテリジェント・エージェント」と呼ばれる自律的に意思決定するシステムにも広がると想定されています。またネットワークも、地上だけでなく、空や宇宙空間を含む「空・宇宙・地上の一体的なシステム」へと拡張される構想が示されています。
そもそも6Gとは? 5Gの次に来るもの
6Gは、現在普及が進む第5世代移動通信システム(5G)の次に登場する、新しいモバイル通信規格です。一般的には、通信速度のさらなる高速化や、遅延の大幅な縮小、より多くの端末を同時に接続できる能力などが期待されています。
ただし、6Gの最終的な仕様やサービス像はまだ固まっていません。各国・各地域の研究機関や企業が、どのような技術を組み合わせるか、どのような使い方を想定するかを競い合っている段階だといえます。
なぜ今、6Gの「先行投資」が重要なのか
今回の中国の発表は、6Gをめぐる開発競争が、すでに実験フェーズから次のステージに移りつつあることを示しています。6Gは、工場の自動化や自動運転、遠隔医療、スマートシティなど、社会インフラのあり方に直結する技術とされています。
誰が早い段階で技術や標準づくりをリードするかによって、将来の産業競争力やデジタル主権にも影響が出る可能性があります。その意味で、6Gの動きは日本を含む多くの国と地域にとっても無視できないテーマです。
私たちの暮らしに何が起きる? 今から注目したいポイント
6Gが本格的に実用化されるまでには、まだ時間がかかると見られますが、そこで使われる技術やルールは、すでに現在進行形で形づくられつつあります。今のうちから押さえておきたいポイントとして、次のような視点が挙げられます。
- どの国や企業が、6Gの研究・標準化で主導権を握るのか
- 6Gネットワーク上で、どのような新しいサービスやビジネスが生まれそうか
- プライバシーやセキュリティ、データガバナンスはどう設計されるのか
- デジタル格差を広げるのか、縮める方向に働くのか
今回の中国の動きは、そのスタートラインがすでに切られていることを改めて示したと言えます。今後、6Gに関する各国・各地域の発表や議論がどのように進むか、継続的にフォローしていきたいテーマです。
Reference(s):
cgtn.com








