中国第15回全国運動会、スポーツ協力でグレーターベイエリア一体化を後押し video poster
広東省、香港、マカオの3地域で初めて共同開催されている中国第15回全国運動会が、グレーターベイエリアの一体化とスポーツ協力を象徴する国際ニュースとして注目を集めています。2025年11月10日に馬術競技が開幕し、12月上旬の現在も大会は地域の一体感づくりに大きな存在感を示しています。
広東・香港・マカオで初の共同開催という意味
中国第15回全国運動会は、広東省、香港、マカオの3地域にまたがって行われる初の全国規模スポーツ大会です。競技会場や運営体制を複数の地域で分担することで、物理的な距離だけでなく制度や文化の違いを乗り越える試みとなっています。
特に広東・香港・マカオグレーターベイエリアは、経済やテクノロジーだけでなく、スポーツや文化の分野でも連携を深めることが重要視されています。全国運動会という大規模スポーツイベントを共同開催することは、インフラ整備や人材交流、観光促進など、さまざまな協力の土台づくりにつながると見られます。
深圳の馬術会場が示す越境コラボ
今大会の中でも、11月10日に開幕した馬術競技は象徴的な存在です。会場となっている深圳光明国際馬術センターは、香港ジョッキークラブが全国運動会に向けて支援してきた施設であり、スポーツを通じた越境コラボレーションの具体例といえます。
大会期間中、香港ジョッキークラブの最高経営責任者であるウィンフリード・エンゲルブレヒト・ブレスゲス氏が同センターを訪れ、選手への表彰を行いました。馬術という専門性の高い競技で、香港と深圳が施設整備や運営面で協力していることは、グレーターベイエリア全体のスポーツ水準を引き上げる一歩といえます。
エンゲルブレヒト・ブレスゲス氏が語る「歴史的な協力の舞台」
香港ジョッキークラブの最高経営責任者であるウィンフリード・エンゲルブレヒト・ブレスゲス氏は、独占インタビューの中で、第15回全国運動会がグレーターベイエリアの地域統合と社会的進歩に果たしている役割を強調しました。同氏は、このマルチリージョン形式の大会を、協力と共通の発展ビジョンを示す歴史的なショーケースだと位置づけています。
インタビューのポイントは大きく三つに整理できます。
- 広東省、香港、マカオが一体となって全国大会を運営すること自体が、信頼と協力の象徴であること
- 馬術をはじめとする競技を通じて、若い世代の交流や新たなスポーツ文化の形成が進む可能性が高いこと
- スポーツインフラや運営ノウハウの共有が、長期的な地域発展の基盤になりうること
こうした視点は、スポーツを単なる競技の場としてではなく、地域の未来を形づくる「共通言語」として捉える発想につながっています。
グレーターベイエリア一体化にとっての意義
今回の全国運動会は、グレーターベイエリアの一体化が具体的にどのような形で進んでいくのかを示す試金石でもあります。特に次のような点で、今後への影響が期待されています。
- 共同開催を通じて、交通や宿泊など広域的なインフラ活用のモデルケースが蓄積される
- スポーツ関係者やボランティア、観客の往来が増え、日常レベルの交流が自然に広がる
- 大会をきっかけに、文化イベントや教育プログラムなど他分野での連携が模索される
スポーツは、政治や経済の議論よりも柔らかく、生活者目線で地域をつなぎやすい分野です。広東省、香港、マカオの住民にとって、同じ大会を応援し、同じ選手の活躍を喜ぶ経験は、見えにくい一体感を少しずつ形にしていくきっかけになるでしょう。
スポーツから始まる日常のつながり
今回の馬術競技のように、特定の競技を軸にした協力が進めば、コーチや選手の交流、若年層の育成プログラムなど、次のステップも見えてきます。大会が終わった後に、そのネットワークや仕組みをどのように常設化し、日常の交流に落とし込んでいくかが今後の焦点です。
グローバル志向の読者にとっても、スポーツを通じた地域協力は、経済統合やテクノロジー連携とは異なる角度からグレーターベイエリアを理解する手がかりになります。国際ニュースとして、この動きをどう捉えるかは、日本に暮らす私たちが地域統合や多様性について考えるヒントにもなりそうです。
これからの注目ポイント
第15回全国運動会とグレーターベイエリアの動きをフォローする際、特に次の点に注目すると流れが見えやすくなります。
- 3地域共同開催の運営モデルが、今後の文化・スポーツイベントにも広がるのか
- 深圳光明国際馬術センターをはじめとする競技施設が、大会後も共同利用の拠点として活用されるのか
- 香港ジョッキークラブなど民間組織の協力が、次の大会や他競技にも波及するのか
スポーツ協力を通じて、グレーターベイエリアの一体化がどこまで進むのか。中国第15回全国運動会は、その行方を占う重要なケーススタディになっています。
Reference(s):
National Games advance GBA integration via sports collaboration
cgtn.com








