中国の李強首相とスペイン国王フェリペ6世が会談 貿易とグリーン協力強化へ
中国の李強首相は水曜日、国賓として中国を訪れているスペインのフェリペ6世国王と会談し、貿易、グリーンエネルギー、人工知能(AI)など幅広い分野で協力を強化していく方針を確認しました。世界経済の減速が続くなか、中国とスペインがどのように連携を深めようとしているのかを整理します。
世界経済の減速を背景に、中国とスペインが戦略をすり合わせ
李首相は会談で、中国とスペインはそれぞれの発展戦略をより強く連携させ、経済構造の違いを生かした補完関係を深めることで、双方の成長の新たな原動力を生み出せると強調しました。
世界経済の回復が鈍く、貿易や投資の勢いも弱まっているとされるなかで、中国はスペインと協力し、次のような形で関係を強化したい考えです。
- 二国間貿易の潜在力を掘り起こし、貿易量を着実に拡大する
- 輸出入の内容を見直し、より高付加価値な分野へと貿易構造を最適化する
- 発展戦略をすり合わせ、共有の繁栄をめざす
注目分野はグリーンエネルギーとAI
李首相は、中国として能力のある企業のスペインへの投資をさらに後押しすると表明しました。その際のキーワードが、再生可能エネルギーと未来産業です。
太陽光、グリーン水素、電池でサプライチェーン連携
具体的には、次のような分野で産業と供給網(サプライチェーン)の協力を拡大したい考えが示されました。
- 太陽光発電(フォトボルタイク)
- グリーン水素(再生可能エネルギー由来の水素)
- 電気自動車などに不可欠なパワーバッテリー
こうした分野は、脱炭素やエネルギー安全保障とも直結するため、今後のグローバル経済の行方を考えるうえでも重要なテーマです。
人工知能など未来産業を共同で開拓
李首相は、人工知能などの未来産業でも協力を模索したいと述べました。AIは、製造業から金融、医療、サービスまで幅広い産業構造を変えうる技術です。中国とスペインが研究開発や産業応用で連携を深めれば、ヨーロッパとアジアをまたぐイノベーションの土台づくりにつながる可能性があります。
公正なビジネス環境と第三国市場での協力
一方で李首相は、スペイン側に対し、中国企業にとって公正で予見可能な市場環境を整えるよう期待を示しました。投資やサプライチェーン協力を進めるうえで、ルールが安定していることが重要だというメッセージと受け取れます。
そのうえで、両国が次のような協力も進めていく余地があると指摘しました。
- 第三国市場を共同で開拓し、インフラやエネルギーなどのプロジェクトで協力する
- 観光や文化、教育、言語などの交流を深め、人と人とのつながりを強化する
- 観光産業の活性化を通じて、相互理解と経済効果の両方を高める
グローバル化と自由貿易を守るパートナーとして
李首相は、中国とスペインはともに経済のグローバル化と自由貿易の支持者であり受益者だと位置づけました。そのうえで、世界の経済と貿易の秩序を守り、国際的な公正と正義を維持するために、両国が連携と協調を強めるべきだと呼びかけました。
保護主義的な動きや貿易摩擦が各地で見られるなか、中国とスペインが自由貿易や多国間主義への支持を明確にしたことは、国際社会に向けた一つのシグナルと言えます。
EUと中国の関係で期待されるスペインの役割
李首相は、スペインが今後もEUと中国の協力を促す前向きな役割を果たすことへの期待も示しました。EUと中国の関係は、貿易、技術、安全保障など多くのテーマが交差する複雑な枠組みです。その橋渡し役としてスペインの動きは注目されます。
フェリペ6世国王は、2018年の習近平国家主席によるスペインへの国賓訪問以降、両国関係は力強い発展を維持してきたと評価しました。そのうえで、スペインは一つの中国政策を堅持し、中国の信頼できるパートナーであり続ける意思を示しました。
さらに国王は、習主席が提唱した四つのグローバル・イニシアチブを高く評価し、国連の役割を含む多国間協調を支えるため、中国と緊密に連携していく考えを表明しました。EUと中国の関係の安定した発展に向けても、前向きな役割を果たすとしています。
外交関係の蓄積と包括的戦略パートナーシップ二十周年
李首相は、両国が外交関係を樹立して以来、常に互いを平等な立場で尊重し、関係が健全かつ安定的に発展してきたと振り返りました。経済や技術、文化などさまざまな分野で、実りある協力が積み重ねられてきたと述べています。
2025年は、中国とスペインが包括的戦略パートナーシップを結んでから二十年の節目にあたります。フェリペ6世国王はこの記念の年にあたり、次のような分野で協力をさらに広げたいと語りました。
- 貿易と投資の拡大
- 科学技術やグリーンエネルギーでの共同プロジェクト
- 観光、文化、教育、言語など、人と人をつなぐ交流の促進
両国の指導者は、伝統的な友好関係を受け継ぎつつ、互いの核心的利益と重大な関心事項をしっかり支え合い、政治的信頼と相互に利益をもたらす協力を一段と深めていく方針を確認しました。
読者にとってのポイント:何がこれからを左右するのか
今回の会談には、次のような示唆があります。
- グリーンエネルギーとAIは、国際協力と競争が同時に進む重要な戦略分野になっている
- サプライチェーンの再編は、企業だけでなく、働き方や雇用にも影響を与えうる
- EUと中国の関係の安定は、世界の貿易や投資の流れを左右しうる重要な要素になっている
国際ニュースを追うときには、どの国どうしが協力しているかに加え、どの分野でどのようなルールや仕組みを一緒につくろうとしているのかに目を向けることで、ニュースの見え方が変わってきます。中国とスペインの今回の動きは、その一つの具体例だと言えるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








