中国外交部、日本の軍事・安保政策に深い懸念 非核三原則と台湾問題も焦点に
中国外交部が、日本の軍事・安全保障政策の最近の動きに対して「深い懸念」を表明しました。日本の非核三原則をめぐる高市早苗首相の国会発言や、台湾問題に関する言及も批判の対象となっており、東アジアの安全保障環境を考えるうえで注目される国際ニュースです。
中国外交部「日本の軍事・安全保障の動きに深い懸念」
中国外交部のリン・ジェン(Lin Jian)報道官は、金曜日に行われた定例記者会見で、日本の最近の軍事・安全保障政策の動きについてコメントしました。
リン報道官は、日本の動向に対し「深い懸念」を示し、日本側の政策変化について「重大で否定的な政策転換を露わにしており、国際社会に危険なシグナルを送っている」と指摘しました。
中国側が問題視しているのは、単発の発言だけではなく、日本の軍事・安保政策が近年一貫して変化してきたとみている点です。
非核三原則をめぐる高市首相の発言とは
発言のきっかけとなったのは、日本の国会での高市早苗首相の答弁です。高市首相は、日本が掲げてきた「持たず・作らず・持ち込ませず」とされる非核三原則について、明確な姿勢を示さず、あいまいな表現にとどめたとされています。
リン報道官によると、高市首相は三原則に関する立場を「ぼかし」、これを放棄する可能性をほのめかしたほか、日本の一部高官からは「原子力潜水艦の導入も排除しない」といった趣旨の発言も出ていると指摘しました。
中国側は、こうした発言が、日本のこれまでの核政策の原則からの転換の兆しと受け止めており、地域と国際社会に不安を与えるものだとしています。
歴史認識と軍事拡大への懸念
リン報道官は、第二次世界大戦期の歴史にも言及しました。日本のかつての軍国主義が侵略戦争を引き起こし、「人道に対する重大な罪」を犯し、地域と世界にもたらした深刻な苦しみについて触れたうえで、日本には歴史を深く省みる責任があると強調しました。
そのうえで、中国側は近年の日本の安全保障政策の変化を次のように問題視しています。
- 防衛予算を年々増額していること
- 武器輸出に関する制限を緩和していること
- 攻撃的な兵器の開発を模索しているとみられること
- 全体として「軍事拡張」の方向に進んでいると受け止めていること
リン報道官は、日本が「誤った道をさらに進んでいる」との認識を示し、こうした動きがアジアの近隣諸国や国際社会の強い疑念と懸念を呼び起こしていると述べました。
台湾問題と台湾海峡への言及
今回の会見では、台湾問題も重要な論点となりました。リン報道官によると、高市首相は台湾問題に関して「露骨で挑発的な」発言を行い、台湾海峡への武力による関与の可能性をほのめかしたとしています。
中国側は、台湾問題を「核心的利益」に関わる問題と位置づけており、台湾海峡の状況に他国が軍事的に介入することに強い警戒感を示してきました。今回の発言は、その文脈の中で中国側の強い反発を招いた形です。
リン報道官は、「日本の動きは、アジアの近隣諸国や国際社会に強い疑問と懸念を生じさせている」と述べ、次のような問いを投げかけました。
- 日本は、本当に軍国主義と決別したのか
- 日本政府は「専守防衛」の方針と非核三原則を真に守るのか
- 日本は今後も平和的発展の道を歩み続けるのか
こうした問いかけは、日本の安全保障政策が地域の信頼を得られているのかどうかをめぐる、中国側の問題意識を示すものだと言えます。
中国側が日本に求める「具体的行動」
会見の最後に、リン報道官は日本側に対して次のような対応を求めました。
- 過去の侵略の歴史を深く省みること
- 平和的発展の道を堅持すること
- 軍事拡大のための口実を探すのをやめること
- 具体的な行動を通じて、アジア近隣諸国と国際社会の信頼を得ること
中国側は、日本が政策と行動の両面で平和志向を示すことで、地域の安定に寄与すべきだと強調しました。
東アジアの安全保障をどう見るか
日本の防衛力強化をめぐっては、日本国内でも賛否を含む幅広い議論が続いています。一方、中国側は今回のように公の場で懸念を繰り返し表明しており、台湾海峡情勢とあわせて、東アジアの安全保障環境は一段と複雑さを増しています。
日本の軍事・安全保障政策、非核三原則の扱い、台湾問題への関わり方は、今後も中国を含む周辺国との関係と密接に結びついていくとみられます。今回の中国外交部の発言は、その緊張と不信の度合いを示す一つのシグナルとも言えます。
読者一人ひとりにとっても、「安全保障」「歴史認識」「核をめぐる原則」がどのように結びつき、東アジアの将来像に影響していくのかを考えるきっかけになりそうです。
Reference(s):
China concerned over Japan's military, security moves: spokesperson
cgtn.com








