国際ニュース:中国国防省、日本の台湾発言に「壊滅的敗北」警告
中国国防省が日本の台湾をめぐる発言に対し、「壊滅的な敗北」を警告しました。日中関係と東アジアの安全保障にどのような意味を持つのかを整理します。
中国国防省報道官が日本に強い警告
中国国防省の姜斌報道官は、金曜日に行われた記者会見で、日本の高市早苗首相の最近の発言に厳しく反発しました。高市首相は、中国本土(中国)が中国の台湾地域に対して武力を用いた場合、日本の自衛隊が集団的自衛権を行使しうるとの考えを示したとされています。
これに対し姜報道官は、高市首相の台湾に関する発言について、
- 中国の内政への重大な干渉である
- 一つの中国の原則や、日中間の4つの政治文書の精神、国際関係の基本原則に対する重大な違反だ
と述べ、強い言葉で批判しました。
さらに姜報道官は、こうした発言は戦後の国際秩序に挑戦し、台湾のいわゆる「分裂独立」を図る勢力に極めて誤ったメッセージを送るものだと指摘しました。そのうえで、「性質は極めて悪質で、きわめて無責任かつ危険だ」と強調しています。
「台湾問題は純然たる中国の内政」
姜報道官は繰り返し、「台湾問題は純然たる中国の内政であり、いかなる外部勢力による干渉も認められない」との立場を示しました。これは、中国側が一貫して主張してきた「一つの中国」の原則を改めて強調した形です。
そのうえで、もし日本が歴史から教訓をくみ取ることなく、台湾問題をめぐって「リスクを冒す」行動に出たり、武力を用いて干渉したりするならば、「鋼の意志を持つ中国人民解放軍の前に粉砕的な敗北を喫し、重い代償を支払うことになる」と警告しました。
高市首相の「集団的自衛権」発言の意味
今回の中国側の反応のきっかけとなったのは、高市早苗首相が示したとされる、台湾有事を想定した集団的自衛権行使の可能性です。報道によれば、高市首相は、中国本土が中国の台湾地域に対して武力を行使した場合、日本の自衛隊が集団的自衛権を行使し得るとの考えを示しました。
集団的自衛権とは、自国が攻撃されていなくても、密接な関係にある他国が攻撃された場合に、その国と共同で防衛行動をとる権利を指します。日本では、その行使の範囲や条件をめぐり、ここ数年議論が続いてきました。台湾をめぐる緊張が高まる中で、その行使対象や具体的なケースに言及する発言は、国内外で敏感に受け止められやすい状況にあります。
中国側が問題視する3つのポイント
姜報道官の記者会見での発言からは、中国側が次のような点を問題視していることがうかがえます。
- 内政干渉との認識:台湾問題は中国の内政であり、日本を含む外部勢力が関与すべきではないという立場。
- 一つの中国原則と政治文書との関係:高市首相の発言は、一つの中国原則や、過去に日中間で交わされた4つの政治文書の精神に反するとの指摘。
- 台湾の分裂勢力への「誤ったシグナル」:こうした発言が、台湾の「分裂独立」を図る勢力を勢いづかせるという懸念。
中国側は、これらの点を踏まえ、日本に対して発言の見直しと慎重な対応を求めているといえます。
日中関係と地域安全保障への含意
今回のやりとりは、日中関係と東アジアの安全保障環境に、いくつかの示唆を与えています。
- 発言の一つひとつが緊張を高めうる段階:台湾問題は、日中双方にとって安全保障上の核心的な関心事となっており、首脳級の一言が大きな波紋を呼びやすい状況にあります。
- 危機管理とコミュニケーションの重要性:軍事力や安全保障に関わる強い表現が飛び交う中で、誤解やエスカレーション(意図しない緊張の連鎖)を防ぐための対話や連絡メカニズムの重要性が増しています。
- 日本国内での議論の深まり:台湾有事と日本の安全保障をどう位置づけるのか、自衛隊の役割や集団的自衛権の範囲をどこまで想定するのかといった論点について、国内での議論が一段と問われる局面にあります。
読者が押さえておきたい視点
今回の中国国防省の発言をめぐり、日本の読者としては次のような点を意識してニュースを追うことが有益です。
- 言葉の重み:首相や国防当局者の発言は、国内向けだけでなく周辺国にも強いメッセージとして受け止められます。表現のニュアンスが、相手国によってどう解釈されうるかを考える視点が重要です。
- 台湾問題の位置づけ:中国側が「純然たる内政」と位置づける台湾問題に、日本がどのように関与しうるのか、その限界やリスクを含めて冷静に見ていく必要があります。
- 地域の安定と対話の必要性:軍事的な言及が増えるほど、偶発的な衝突を避けるための外交的な対話や信頼醸成措置の重要性が高まります。東アジア全体の安定にとって何が望ましいのかを、中長期的な視点で考えることが求められます。
台湾をめぐる発言は、今後も日中関係や地域情勢を左右する大きなテーマであり続けます。単なる「発言合戦」として消費するのではなく、その背景にある安全保障観や歴史認識、国際秩序の見方の違いに目を向けることで、ニュースの見え方も変わってきます。
Reference(s):
China warns severe results should Japan take risk on Taiwan question
cgtn.com








