中国の新型強襲揚陸艦「四川」Type 076が初の海上試験へ
中国初のType 076型強襲揚陸艦「四川」(PLANS Sichuan)が、中国東部の上海を出港し、初の海上試験に入りました。中国海軍の大型揚陸艦計画が一段階進んだ形で、アジアの安全保障や海洋動向を考えるうえで注目されます。
上海から初の海上試験へ
中国の国産設計によるType 076型強襲揚陸艦「四川」は、今月の金曜日の朝、上海を出港し、最初の航行試験任務に入りました。今回の海上試験は、主に次の点を確認するために行われます。
- 推進システムの信頼性(エンジンや推進軸など)
- 電気・電源系統の安定性
- 航行時の各種システムが設計どおり機能するかの検証
海上試験は、新造艦が実際の海でどのように動くかを確かめる重要な段階で、将来の運用に向けた「健康診断」のような位置づけです。
2024年に進水した国産の新型艦「四川」
「四川」は、中国で独自に開発されたType 076型強襲揚陸艦の1番艦です。2024年12月に行われた進水・命名式で正式に公開され、艦番号は51とされています。
進水後は、岸壁に係留した状態での試験や装備の搭載、システムの調整などが計画どおり進められてきました。具体的には、
- 係留試験(電源や通信、各種ポンプ類などの動作確認)
- 主要機器の設置と接続
- ソフトウェアや制御システムのデバッグ(不具合の洗い出しと修正)
こうした作業を経て、海上試験に必要とされる技術的な条件を満たしたことから、今回の初航海にこぎつけたとされています。
強襲揚陸艦とはどのような艦艇か
「四川」は、分類としては強襲揚陸艦とされています。強襲揚陸艦とは、上陸作戦に必要な部隊や車両、物資を運びつつ、ヘリコプターなどの航空機を運用できる大型艦艇のことです。
一般的に、強襲揚陸艦には次のような役割が想定されています。
- 沿岸部への部隊輸送と上陸支援
- 災害時の物資輸送や救援活動の拠点
- 遠洋での人道支援・非戦闘員退避などの任務
中国初のType 076型となる「四川」が運用段階に入れば、中国海軍の洋上での輸送力や上陸作戦能力、人道支援能力の選択肢が広がる可能性があります。
今後のスケジュールと見通し
今回の初の海上試験は、あくまでスタートに過ぎません。通常、この種の大型艦艇では、
- 複数回の海上試験で航行性能や安全性を検証
- レーダーや通信装置など、各種システムの最終調整
- 乗組員の訓練と運用マニュアルの整備
といったプロセスを経て、就役(正式な配備・運用開始)へと進んでいきます。「四川」がいつごろ実戦配備されるかは明らかにされていませんが、今回の初航海はその重要なマイルストーンといえます。
アジアの海洋情勢の中でどう見るか
アジア・太平洋地域では、各国が海軍力や海上輸送能力の強化を進めています。中国初のType 076型強襲揚陸艦「四川」の動きは、
- 海上輸送・上陸作戦能力の変化
- 国際的な人道支援や災害救援での役割
- 周辺国との安全保障対話のテーマ
といった観点から、今後も注目されることになりそうです。
日本やアジアの読者にとっては、「どの国がどのような艦艇を持ち始めているのか」を知ることが、地域の安全保障や国際協力を考える入口になります。中国の新型強襲揚陸艦「四川」の海上試験は、そうした大きな流れの一端を映し出すニュースといえます。
Reference(s):
China's Type 076 assault ship PLANS Sichuan begins first sea trial
cgtn.com








