中国第15回全国運動会、テクノロジーでスマート&セーフに video poster
2025年11月9日から21日まで中国で開催された第15回全国運動会では、超高精細映像の配信やインテリジェントな緊急対応、自動運転シャトルバスなどの最新テクノロジーが導入され、大会運営と観客体験の両方を大きく変えました。
広東省・香港・マカオの3地域で共催
第15回全国運動会は、中国で最もレベルが高く最大規模の全国総合スポーツ大会です。2025年の大会は広東省、香港特別行政区、マカオ特別行政区の3地域で共催されました。3つの地域が一体となって開催するのは初めてであり、会場や運営拠点が広範囲に分散するなかで、テクノロジーが重要な役割を果たしました。
会場間の距離があることで、競技の進行状況や観客の動き、交通情報などをリアルタイムに把握し、スムーズに連携させる仕組みが求められました。その中核に据えられたのが、デジタル技術です。
超高精細映像で「どこからでも臨場感」
今回の全国運動会では、超高精細映像によるライブ配信が大きな特徴となりました。一般に4Kや8Kと呼ばれるレベルの高画質映像は、競技場の迫力や選手の表情、細かな動きまでを鮮明に伝えます。
これにより、会場に足を運べない人でも、自宅や移動中にスマートフォンやテレビで観戦しながら、まるでスタジアムにいるかのような臨場感を味わえるようになりました。複数会場で同時に行われる競技も、マルチ画面表示やハイライト映像を通じて効率よくチェックできます。
インテリジェント緊急対応で安全性を強化
大規模なスポーツイベントでは、観客や選手の安全確保が最も重要なテーマの一つです。第15回全国運動会では、インテリジェント緊急対応システムが導入され、安全性の向上と迅速な対応が図られました。
具体的には、AIを活用したカメラや各種センサー、通信ネットワークを組み合わせ、会場や周辺エリアの状況を常にモニタリングします。これにより、次のような対応が可能になります。
- 観客の流れや混雑状況をリアルタイムで把握し、スタッフが誘導を調整
- 気象や交通などの外部情報と連動し、必要に応じて避難ルートや運営計画を見直し
- 異常な人の動きや体調不良とみられる行動を早期に検知し、救護チームに素早く連絡
こうした仕組みにより、リスクを事前に察知し、トラブルが起きる前に対策を打つ予防型の安全管理が進んでいます。
自動運転シャトルバスで移動もスムーズに
観客やボランティアの移動を支えたのが、自動運転のシャトルバスです。競技会場や最寄り駅、主要な拠点を結ぶルートで、自動運転車両が運行されました。
自動運転シャトルバスは、あらかじめ設定されたルートを走行し、センサーやカメラで周囲の状況を確認しながら、安全な速度で運行します。人手不足を補いながら、運行ダイヤの正確さを高める効果も期待されます。
また、電動の車両を活用することで、環境負荷を抑えた大会運営にもつながります。移動そのものが新しい体験となり、テクノロジーに関心のある観客にとっては、競技以外の見どころにもなりました。
スマート化がもたらす新しいスポーツ観戦のかたち
第15回全国運動会で導入されたテクノロジーは、単に便利にするだけでなく、スポーツ大会の価値そのものを広げています。
- 現地に行けなくても、高画質配信で全国どこからでも応援できる
- データに基づく運営で、競技スケジュールや観客導線がより最適化される
- インテリジェントな安全管理で、安心してイベントを楽しめる
一方で、世界のスポーツイベントと同様、データ活用とプライバシー保護のバランスや、デジタル技術にアクセスしにくい人への配慮など、今後考えるべきテーマもあります。
それでも、中国の第15回全国運動会が示したのは、大規模スポーツイベントがテクノロジーによってよりスマートに、より安全に進化し続けているという現実です。今後、アジアや世界で開かれる国際スポーツ大会や音楽フェスなどにも、同様の技術が広がっていく可能性があります。
スポーツとテクノロジーが融合するこの流れは、国際ニュースとしても注目されるだけでなく、私たちの日常の移動や安全のあり方を見直すきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








