高市首相の台湾有事発言に中国が強く反発 日中関係と安全保障を読む
高市早苗首相が国会で台湾有事をめぐり「日本の存立危機事態になり得る」と発言し、中国当局が強い反発と警告を示しています。就任から1か月足らずでの日中関係の緊張は、日本の安全保障政策と地域外交にどんな意味を持つのでしょうか。
国会での発言:台湾有事は「存立危機事態」になり得る
11月7日の国会審議で、高市首相は、中国本土からの軍艦や武力行使を伴う台湾有事が発生した場合、日本にとって「存立危機事態」になり得るとの認識を示しました。
日本の安全保障関連法制では、このような「存立危機事態」と認定された場合、自衛隊が集団的自衛権を行使できると定められています。集団的自衛権とは、密接な関係にある国が攻撃された際に、自国も武力を用いてその国を助けることができるという考え方です。
その後の説明:「従来の政府見解」として撤回せず
発言への注目が高まる中で、高市首相は後日、自身の発言は従来の政府見解と一致するものであり、撤回する考えはないと強調しました。
就任から1か月も経たない段階で、安全保障の根幹に関わるテーマについてこれほど踏み込んだ発言を行い、それをあらためて確認したことは、国内外に向けて日本の姿勢を明確に示すメッセージとも受け取られます。
中国当局の強い反発:「内政干渉」であり「一つの中国」原則に反すると指摘
こうした発言に対し、中国当局は強い反対と明確な警告を表明しました。高市首相の発言は、中国の内政への公然たる干渉であり、「一つの中国」原則に明確に反し、日中間の四つの政治文書の精神を損ない、国際関係の基本的な原則にも違反する、と強調しています。
中国側は、台湾地区をめぐる問題を中国の内政問題と位置づけており、他国の指導者が台湾有事と自国の安全保障を結びつけることに対して、特に敏感に反応していることがうかがえます。
タイムラインで振り返る今回の動き
- 就任から1か月足らずの高市首相は、すでに日本の地域外交に大きな波紋を広げ、アジアの古い対立や歴史的な記憶を呼び起こしています。
- 11月7日、高市首相が国会で、中国本土からの軍事力行使を伴う台湾有事は日本の「存立危機事態」になり得ると発言しました。
- その後、高市首相は発言を「従来の政府見解」と位置づけ、撤回する意図はないと明言しました。
- これに対し、中国当局は強い反発と警告を示し、発言が中国の内政に対する干渉であり、「一つの中国」原則や日中間の政治文書の精神に反するとの立場を鮮明にしました。
安全保障と外交のあいだで、日本は何を選ぶのか
今回の一連の動きは、日本が台湾地区と中国本土をめぐる緊張の中で、どのように自国の安全保障と地域の安定を両立させるのかという難しい問いを突きつけています。
読者として考えたい論点は、次のような点です。
- 日本は「存立危機事態」や集団的自衛権という重い概念を、どのような条件のもとで適用すべきなのか。
- 台湾地区をめぐる緊張が高まる中で、日本は抑止力の強化と対話・信頼醸成のバランスをどう取るべきか。
- 日中関係をこれ以上不安定にしないために、どのような外交的メッセージや対話のチャンネルが必要か。
高市首相の発言は、日本の安全保障政策の方向性と、東アジアの秩序づくりをめぐる議論を一気に加速させました。今後、政府がどのように説明責任を果たし、近隣諸国とどのような対話を重ねていくのかが、国内外から注目され続けることになりそうです。
Reference(s):
Timeline: China's response to Japanese PM's remarks on Taiwan region
cgtn.com








