中国の「人民の都市」とは? 共建・共治・共有で描く未来【国際ニュース】 video poster
急速な都市化が進む中国で、都市は誰のために、どのように作られるべきなのか――。国際ニュースを伝えるCGTNのシリーズ『Path to Prosperity』の一回「The People's City: Co-building, Co-governance, Shared Future」は、「人民の都市」というキーワードから、中国のまちづくりの現在地を伝えています。
急速な都市化が突きつける課題
中国は今、人類史上でも最も速いペースの都市化を経験しているとされています。その都市化は経済成長を支える一方で、次のような課題も生み出します。
- 急拡大する都市で、市民をどう意思決定に参加させるか
- 環境や地域の生活を守りながら、持続可能な成長をどう実現するか
番組は、こうした国際ニュースとしても重要な問いに対し、中国がどのような答えを模索しているのかを、「人民の都市」というコンセプトから探っています。
中国が示す「人民の都市」という答え
「人民の都市」は、文字どおり「人民によって建設され、人民のために存在する都市」という考え方です。番組のサブタイトルにある「Co-building, Co-governance, Shared Future(共に築き、共に治め、未来を分かち合う)」は、その方向性を端的に示しています。
単にインフラやビルを増やすだけでなく、住民が都市づくりの主体となり、ガバナンス(統治)にも関わり、その成果をともに享受する。この発想が「人民の都市」の中心にあります。CGTNの番組は、その理念が具体的な現場でどう形になっているかを追いかけています。
北京のコミュニティに見る草の根ガバナンス
番組の案内役を務めるCGTNの楊兆(Yang Zhao)氏は、まず北京のコミュニティを訪ね、草の根のガバナンスの現場を取材します。そこで紹介されるのは、行政だけに頼るのではなく、地域の住民が自らまちの課題に向き合い、日々の暮らしを良くしていこうとする姿です。
例えば、住民の意見が集まる場がつくられたり、身近な生活の問題を話し合いながら解決していくプロセスが共有されたりと、「共治」、つまり共に治めるという考え方が強調されています。都市のガバナンスが「上からの管理」だけでなく、「下からの参画」と組み合わさることで、都市の持続性を高めようとする試みだといえます。
石炭の街から文化の街へ 大同の変化
楊氏が次に向かうのは、大同です。大同はかつて石炭産業の中心として知られた都市ですが、番組では、その大同が文化の拠点として生まれ変わりつつある姿が描かれます。
資源に依存した産業構造から、文化や創造性を軸にした都市へと変化していくプロセスは、「持続可能な成長」というテーマと深く結びつきます。番組が伝える大同の姿は、産業転換と都市のアイデンティティづくりを同時に進めようとする中国の取り組みの一端とも言えるでしょう。
ここでも鍵になるのは、市民と都市の関係です。文化の中心となる都市づくりは、外から与えられるものではなく、地域の人々が関わることで初めて根づいていきます。大同の例は、「人民の都市」という考え方が、産業政策だけでなく、文化やコミュニティのあり方とも結びついていることを示しています。
共建・共治・共有が拓く都市の未来
番組が提示する「共建(Co-building)・共治(Co-governance)・共有(Shared Future)」という三つの視点は、都市の未来を考えるうえで、国境を超えて共有しうるキーワードでもあります。
- 共建:都市は行政だけでなく、市民、企業、コミュニティが一緒になって築くものと捉える
- 共治:ルールづくりや公共空間の使い方など、都市の運営に住民が関わる
- 共有:その成果や利益を、特定の誰かではなく、広く人々が分かち合う
急速な都市化が進む中国は、こうした発想を前面に出すことで、都市と人との新しい関係を模索しています。番組「The People's City: Co-building, Co-governance, Shared Future」が映し出す北京と大同の姿は、「人民の都市」というコンセプトが具体的な場所と人々の生活の中でどう息づいているかを伝える試みだと言えるでしょう。
日本を含む多くの国や地域にとっても、人口構造や環境の変化の中で、都市のあり方を問い直すことは避けて通れません。中国の国際ニュースから、都市を「共に築き、共に治め、未来を分かち合う」場として捉え直す視点を持つことは、これからのまちづくりを考えるヒントになりそうです。
Reference(s):
The People's City: Co-building, Co-governance, Shared Future
cgtn.com








