COP30中国パビリオンで語られたグリーン都市ビジョン
ブラジルで開かれている第30回国連気候変動会議(COP30)の中国パビリオンで、都市のグリーン転換をテーマにしたサイドイベント「ともに美しくグリーンで低炭素な都市をつくる」が現地時間の月曜日に開催されました。中国メディアの中国メディア・グループ(CMG)傘下の英語ニュースチャンネルCGTNや、中国生態環境部の環境教育伝播センターなどが共催し、都市の脱炭素と持続可能な発展について議論が交わされました。
会場には、各国政府関係者や研究者、企業、国際機関、メディアなど100人以上が集まり、イノベーションと協力によって世界の都市のグリーン転換をどう加速させ、持続可能な開発目標(SDGs)の達成につなげるかが話し合われました。
都市の70%が排出源に 低炭素化は「質の高い発展」の鍵
中国生態環境部の李高(Li Gao)副部長は、世界の二酸化炭素排出量の7割以上が都市から生じていると指摘し、都市の低炭素転換が気候変動対策の核心であると強調しました。同時に、それは人々の生活の質を高め、経済の「高品質な発展」を実現するうえでも欠かせないと述べました。
李副部長は、中国本土で進む低炭素都市づくりの進展に触れつつ、今回のサイドイベントが各国・各都市の経験を共有し、より広い協力につなげる「新しい出発点」になることに期待を示しました。美しく住みやすく、気候リスクに強いグリーン都市をともに築くことで、世界の気候ガバナンスにより大きな確実性と推進力を与えたいと呼びかけました。
CMG・CGTNが担う「ストーリーテリング」の役割
中国メディア・グループ(CMG)ラテンアメリカ総局の朱伯英(Zhu Boying)総局長は、CGTNが映像報道やストーリーテリングを通じて、「リアルで活力ある中国」の姿を伝えながら、世界に向けて気候行動の強化を呼びかけていると説明しました。
朱総局長は、CGTNが今後もグリーン開発をめぐる対話の場を広げ、エコロジーと気候ガバナンス分野での国際協力を深める橋渡し役を担っていきたいと述べました。そのうえで、持続可能な成長を模索する各国の都市にとって、新しい視点やアイデアを提示していく考えを示しました。
国際機関も評価 「中国のグリーン転換は世界の希望」
国連訓練調査研究所(UNITAR)繁栄局の上級プログラム担当官であるマイケル・アダラ(Michael Adalla)氏は、中国のグリーン開発の成果を高く評価しました。特に、中国の技術革新やグリーン転換の実践、急速な都市化の中で政府と人々がともに取り組んできた経験は、世界経済の回復とグリーンな構造転換に希望を与えると述べました。
アダラ氏は、UNITARとして今後も中国と連携し、都市のネットゼロ(実質排出ゼロ)転換やグリーン人材の育成、国際協力の強化に取り組み、世界全体の持続可能な発展を支えていく考えを示しました。
グリーン都市づくりが投げかける3つの問い
今回のサイドイベントの発言からは、都市のグリーン転換に向けて次のようなポイントが浮かび上がります。
- 都市は排出削減の「問題」でもあり「解決策」でもある:エネルギー効率の改善や公共交通の拡充、建物の省エネ化など、都市政策の工夫次第で大きな削減効果が見込めます。
- メディアの役割:各国の成功例や課題をわかりやすく伝えることで、政策決定者や市民の行動を後押しし、国境を越えた学びの循環をつくることができます。
- 人材と協力:技術だけでなく、グリーン開発を担う人材の育成や都市同士・国同士のネットワークづくりが、長期的な転換に欠かせません。
COP30の中国パビリオンで交わされた議論は、単なる気候政策の話にとどまらず、「どのような都市で暮らしたいのか」「その未来を誰と、どのように作っていくのか」という問いを私たちに投げかけています。日本を含む各国の都市にとっても、自らの都市づくりを見直すヒントが隠れていると言えるでしょう。
Reference(s):
CMG showcases China's green urban vision at COP30 side event
cgtn.com








