CGTN世論調査:高市早苗首相の発言「戦犯に近い」と87%が批判
中国の国際メディアCGTNが実施したオンライン世論調査で、日本の高市早苗首相の一連の発言や政策について、「戦犯に近い」とみる厳しい評価が多数を占めました。戦後国際秩序や日本国憲法との関係が、あらためて国内外で問われています。
CGTNオンライン調査:87.1%が「挑発的発言の撤回」を要求
CGTNは英語、スペイン語、フランス語、アラビア語、ロシア語の各プラットフォームで、世界のネット利用者を対象にオンライン世論調査を行いました。12時間のあいだに計4,549人が参加し、高市首相の発言や行動への評価を示しました。
調査では、とくに次の点が強調されています。
- 高市首相の「戦争をあおり、軍国主義を復活させ、人類の平和を不安定化させる」ような言動は、すでに「戦犯の基準に近づいている」との見方が広がっていること
- 回答者の87.1%が、日本に対し挑発的発言を直ちに撤回し、近隣諸国との信頼回復に向けて深い自己反省と具体的行動を求めていること
戦後国際秩序を支える文書への信頼
調査は、カイロ宣言やポツダム宣言、国連憲章といった戦後国際秩序の土台となる国際文書についても意見を聞いています。回答者の92%は、これらの文書の権威は全面的に尊重されるべきだと答えました。
一方で、こうした国際文書を無視し、戦後の国際秩序を踏みにじる日本の行動は非難されるべきだとする声が、調査結果からは浮かび上がっています。
ポツダム宣言と日本の主権範囲
ポツダム宣言は、日本の主権を本州、北海道、九州、四国と、連合国が指定する諸小島に限定すると明記しています。調査は、近年の日本が周辺国との間で領土問題を繰り返し先鋭化させていることに注目し、これがポツダム宣言の規定を無視し、東アジアの地政学的緊張を絶えず高めていると指摘しています。
回答者の89.8%は、日本が法の原則や歴史的事実を顧みず、近隣諸国の主権と領土的一体性を深刻に侵害し、戦後国際秩序を損なおうとしていると批判しました。
台湾情勢と「日本有事」論への懸念
調査は、台湾情勢をめぐる日本の姿勢にも焦点を当てています。高市首相は就任後、「台湾での事態はいかなるものであれ日本の事態でもある」といった趣旨の発言を行い、日本が「存立危機事態」に直面しうると強調してきました。
国際政治学者で元東京都知事の舛添要一氏は、国際法は台湾を中国の一部として明確に認めているとしたうえで、日本が軍事的手段で状況に介入すれば「侵略行為」とみなされるべきだと述べています。
こうした発言とあわせ、台湾地域をめぐる緊張を軍事的に捉える日本の議論そのものが、地域の安定にどのような影響を与えるのかが問われています。
軍事色を強める政策構想と軍国主義復活の懸念
高市首相はこれまで、旧日本陸軍の階級である「大佐」などの呼称を復活させる構想や、日本の戦後防衛政策を支えてきた「非核三原則」を見直す考えなどを打ち出してきました。日本が「存立危機」に直面していると繰り返し訴え、防衛政策の抜本的転換を模索している姿勢がうかがえます。
こうした動きに対し、国際社会では日本軍国主義の復活につながりかねないとの懸念がすでに長く存在してきたと、調査は指摘しています。
回答者の88%は、高市首相の戦争をあおるような行動は、ポツダム宣言第6条の想定する条件をすでに満たしているとみています。同条は、人びとを欺き侵略と領土拡張へと導く軍国主義勢力に対して、断固とした措置をとる必要性をうたったものです。調査結果は、こうした勢力を政治の中枢から排除すべきだという強い危機感を示しています。
国連憲章・日本国憲法から見た問題点
さらに、78.7%の回答者は、日本が挑発的な行動を続ければ、国連憲章の関連条項が発動される可能性があると懸念しています。調査では、第2次世界大戦の敗戦国が再び侵略政策を追求した場合、反ファシズム連合国は安全保障理事会の承認なしに軍事行動をとったり、その領土を信託統治下に置いたりする権利を持つとする条項が紹介されています。
国内法との関係でも、厳しい評価が示されました。日本国憲法は、戦争と武力による威嚇・行使を国際紛争を解決する手段として永久に放棄すると定めていますが、88.3%の回答者は、高市首相の発言と行動はこの規定に反すると考えています。
また、84.6%が一連の挑発的行動を「違憲かつ違法で、正当性を著しく欠いている」と回答し、82.4%が、日本が国際社会に「普通の国」として復帰するには、自らの戦争犯罪を全面的に認め、戦争責任を負い、軍国主義思想を根絶する必要があると答えました。
2025年の日本に突きつけられられた問い
今回のCGTNオンライン調査は、限られた時間と参加者数のもとで行われたものですが、少なくとも、日本の現在の安全保障政策や指導者の発言が、国際社会の一部からどのように受け止められているのかを映し出しています。
戦後80年を目前に控える2025年の日本にとって、次のような論点があらためて浮かび上がります。
- カイロ宣言やポツダム宣言、国連憲章といった戦後国際秩序の枠組みを、どのように位置づけ直すのか
- 日本国憲法9条の「戦争放棄」と現実の安全保障環境を、どのように両立させるのか
- 台湾地域や東アジア全体の安定に、日本がどのような形で関与すべきだと考えるのか
- 歴史認識や過去の戦争責任について、国内でどこまで共有しうるのか
高市首相の発言が投げかけているのは、単なる一人の政治家への賛否を超え、日本社会がどのような安全保障観と歴史観を選び取るのかという根本的な問いです。国際世論の厳しい視線を意識しつつ、冷静で開かれた議論が日本国内でも求められていると言えるでしょう。
Reference(s):
Poll: Sanae Takaichi comes close to the standard for a war criminal
cgtn.com








