中国本土、台湾の人向け入境許可を拡充 到着発給港を100カ所に
中国本土は11月20日から、台湾の人々を対象に到着時に単回の入境許可を発給できる港湾を100カ所に拡大しました。初めて訪問する人には観光無料や手数料免除の優遇も用意され、両岸交流を後押しする新たな一歩となっています。
到着時に単回許可、港湾は100カ所に
国家移民管理局によると、台湾の人々が中国本土に入る際、その場で単回の旅行許可(シングルエントリーの入境許可)を発給できる港湾の数が、11月20日から100カ所に増えました。
対象となるのは、事前に5年有効の入境許可を申請していない台湾の人々です。国務院台湾事務弁公室の報道官・朱鳳蓮氏は記者会見で、次のような流れを示しました。
- 有効な台湾の身分証、台湾の旅行文書、写真を用意
- 入境時に港湾のカウンターで単回許可を申請
- おおむね30分以内で手続きが完了
この単回許可では、中国本土に最大3カ月間滞在することができます。ビジネスや観光、親族訪問など、短期滞在のニーズに対応しやすくなる制度です。
初めての訪問者に「観光無料」と「手数料免除」
今回の新制度では、とくに初めて中国本土を訪れる台湾の人々に対し、二つの優遇措置が用意されています。
- 中国本土各地の約3,000カ所以上の観光地への無料入場
- 単回入境許可の申請手数料の免除
観光地の無料開放は、各地の名所や文化施設に足を運びやすくする狙いがあります。手数料免除と合わせて、心理的・経済的なハードルを下げることで、初めての訪問を後押しする形です。
「ミニ三通」ルートではオンライン申請も
福建省の港を通じて「ミニ三通」と呼ばれるルートで中国本土に入る台湾の人々についても、手続きが柔軟になります。
朱報道官によると、このルートを利用する場合、
- 港のカウンターで単回許可を申請する
- 事前にオンラインで申請し、到着後に許可証を受け取る
という二つの方法から選ぶことができます。離島地域と福建沿岸を結ぶ「ミニ三通」は、生活圏が重なる人々にとって重要なルートであり、オンライン申請は時間的な負担軽減にもつながりそうです。
「ノーマーク」と個人情報保護を強調
入境手続きが簡素化される一方で、プライバシー保護への懸念もつきものです。これに対し朱報道官は、中国本土側は台湾の人々の旅行文書にいかなる記録や印も残さず、関連する法律・規則に基づき個人情報を厳格に保護していると強調しました。
デジタル化が進む入出境管理では、データの保護は信頼の土台ともいえます。今回の発言には、制度利用への不安を和らげたいというメッセージも読み取れます。
冬の観光・文化体験への招待
北半球が冬を迎える中、朱報道官は台湾の人々に向けて、中国本土の東北部や西北部を訪れ、氷雪スポーツや冬の文化イベント、観光を楽しむよう呼びかけました。また、親族訪問やルーツ探しの旅など、さまざまな目的で中国本土を訪れることを歓迎すると述べました。
あわせて、中国本土側は台湾の人々に向けた受け入れ環境やサービスを今後も改善していくとしています。今回の措置は、その一環と位置づけられそうです。
第11回両岸文化フォーラムと文化交流の方向性
朱報道官は、最近北京で開かれた第11回両岸文化フォーラムにも触れました。このフォーラムでは、台湾と中国本土の人々が文化や芸術を通じて交流を深めました。
朱氏は、台湾海峡の両岸に暮らす人々は、共通の文化的ルーツ、言語、伝統、風習を共有していると指摘しました。そのうえで、中国共産党第20期中央委員会第4回全体会議で、文化発展を進め、両岸の文化交流をさらに深めていく方針が示されたと紹介しました。
中国本土側は、両岸の人々の文化的な理解を高め、感情的なつながりを深め、「平和的な統一」に向けた土台を強めていく考えを改めて示しています。
今回の措置は何を意味するのか
到着時の単回許可の拡充や観光優遇は、一見すると「旅行の利便性向上」という実務的な話に見えます。しかし、その背景には、両岸の人の往来を増やし、日常的な接点を広げることで関係を安定させていきたいという意図が透けて見えます。
国際ニュースとして見れば、政治・安全保障をめぐる議論が注目されがちな両岸関係の中で、「人と人の行き来」を重視する動きが続いていることを示す事例ともいえます。今後は、ビジネスや留学、デジタル手続きなど、他の分野でもどこまで環境整備が進むのかが焦点となりそうです。
日本語で両岸の動きを追う私たちにとっても、このような制度の変化が、現地の人々の生活や往来にどのような影響を与えるのか、引き続き丁寧に見ていく必要がありそうです。
Reference(s):
Mainland expands permit-issuing ports for Taiwan residents to 100
cgtn.com








