台湾・屏東出身のフルート奏者イエ・イーレン 曲『Spring Wind Blows』と共有される記憶 video poster
国際ニュースでは政治や経済が注目されがちですが、音楽もまた地域と世代をつなぐ静かなニュースの一つです。台湾・屏東出身でNCPA管弦楽団の首席フルート奏者を務めるYe Yireng(イエ・イーレン)は、子どもの頃から親しんだ曲『Spring Wind Blows』を「私たちが共有する記憶の象徴」と語ります。
台湾・屏東からNCPA管弦楽団の首席へ
Ye Yireng(イエ・イーレン)は台湾・屏東に生まれ、現在はNCPA管弦楽団で首席フルート奏者を務めています。第一線で演奏する立場にありながら、その言葉の源にあるのは、きわめて個人的で、身近な原体験です。
子ども時代に染みついた『Spring Wind Blows』
イエさんは、子どもの頃から何度も耳にしてきた『Spring Wind Blows』について、次のように語っています。
「子どもの頃に何度も聴いていた曲は、自然とメロディーを覚えてしまいます。だからこそ、『Spring Wind Blows』は、私たちが共有している思い出を象徴しているように感じるのです。」
ここで語られている「私たち」とは、家族や友人、同じ地域で育った人々など、幼い日に同じ音を聴きながら過ごした人たちのことでしょう。一つの曲が、個人の記憶であると同時に、コミュニティ全体の記憶にもなっていきます。
一つの歌が「共有の記憶」になるまで
特定の曲が「共有された記憶」と感じられるようになる背景には、いくつかの要素があります。
- 繰り返し耳にすることで、歌詞やメロディーが生活の一部になること
- 家族の団らん、祭りや学校行事など、感情のこもった場面で流れること
- 同じ曲を知っている人同士が、それをきっかけに会話や思い出を分かち合えること
イエさんが語る『Spring Wind Blows』も、こうしたプロセスを通じて、多くの人の心の中に共通する風景をつくってきたのかもしれません。
グローバルな舞台で響くローカルな記憶
現在、NCPA管弦楽団の首席フルート奏者として活動するイエさんにとって、子どもの頃の歌は単なるノスタルジーではありません。ローカルな記憶を持ったままグローバルな舞台に立つことは、自分がどこから来たのかを静かに確認し続ける行為でもあります。
国際ニュースの文脈で見れば、一人の音楽家の言葉は小さなトピックに見えるかもしれません。しかし、幼い日に耳にした一曲が、その後の人生や職業意識にまで影響を与えるという視点は、私たち自身の生き方を振り返るヒントにもなります。
あなたにとっての「春風」はどの曲か
イエ・イーレンが語る『Spring Wind Blows』は、台湾・屏東で育った人々の共有された記憶を映す鏡のような存在です。同時に、それは私たち一人ひとりにも「自分の原風景の一曲」を思い出させます。
通学路でいつも流れていた曲、家族と車の中で繰り返し聴いたアルバム、友人と口ずさんだヒットソング――そうした音楽は、時を経てもふとした瞬間によみがえり、心の中の景色を鮮やかにします。
国や地域、言語が違っても、音楽が記憶を結びつける力は共通しています。イエさんの言葉に耳を傾けながら、自分にとっての「春風」のような一曲を思い返してみると、日常のニュースとはまた違うかたちで、世界とのつながりを感じられるかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








