中国ブレイキン女子でリウ・チンイーが全国体育大会連覇 パリ五輪銅から頂点へ
中国・広東省広州市で行われている第15回全国体育大会(National Games)のブレイキン女子で、河南省のリウ・チンイー(Liu Qingyi、通称B-Girl 671)が金メダルを獲得し、連覇を達成しました。昨年の2024年パリ夏季五輪で銅メダルをつかんだ17歳のスターが、国内の大舞台で再び実力を示した形です。
第15回全国体育大会で「B-Girl 671」が貫禄の金
決勝は現地時間の火曜日、南部の大都市・広州で行われました。リウ・チンイーは、前回2021年に陝西省で行われた全国体育大会でも優勝しており、今大会はディフェンディングチャンピオンとして臨んでいました。
その後の国際舞台では、杭州アジア大会で金メダル、2024年パリ夏季五輪で銅メダルを獲得。アジアを代表するブレイキン選手としての地位を固めつつあります。
ライバルは「B-Girl Royal」 アジア王者との再戦
今大会の決勝でリウの前に立ちはだかったのは、山東省のグオ・プー(Guo Pu)、通称B-Girl Royalでした。グオはアジア選手権とワールドゲームズで優勝し、そのいずれの決勝でもリウを破ってきた実力者です。
これまでの大一番ではことごとく苦杯をなめてきたリウですが、「B-Girl 671」は今回、同じストーリーを繰り返させませんでした。彼女は得意のパワームーブを次々と繰り出し、難度の高い技を織り交ぜて会場を沸かせました。一方の「B-Girl Royal」は、音楽への深い理解をうかがわせるリズム感と、流れるようなムーブで対抗しました。
2−1の接戦で王座防衛
採点は3ラウンド制で行われ、リウが先に2ラウンドを連取。最後のラウンドはグオが取り返しましたが、トータルで2−1とし、リウがタイトル防衛に成功しました。
技の難度とパワー、音楽性と表現力が総合的に問われるブレイキンのバトルで、リウはここ一番の勝負強さを見せたと言えます。
武術の要素を取り入れた独自スタイル
リウは今大会の演技について、「武術の要素と自分のシグネチャームーブ(自分らしさを象徴する技)をいくつか取り入れました。ムーブの質を高めたいですし、バトルの情熱を表現したかったからです」と振り返ります。
ブレイキンは、いわゆるブレイクダンスを基礎とするストリートダンスの競技化された種目です。床を使ったアクロバティックな回転技(パワームーブ)だけでなく、音楽とのシンクロや身体表現の豊かさも評価対象になります。そこに武術の動きを織り交ぜることで、よりダイナミックで個性的なスタイルを打ち出した形です。
パリ五輪後のスランプとメンタルとの闘い
華やかな実績の陰で、リウはメンタル面の苦しさも打ち明けています。昨年のパリ夏季五輪後について、「パリ五輪のあと、なかなか自分のフォームを取り戻せませんでした。気持ちも少し落ち込んだ状態だったので、今回の全国体育大会では絶対に勝ちたいと思っていました」と語りました。
さらに、「でも、けがとメンタルをコントロールするのは簡単ではありません。だから、できるだけすべてを整えて、このバトルで自分のベストの姿を出そうとしただけです」とも話し、心身のコンディションに細心の注意を払っていたことを明かしています。
大舞台を経験したアスリートが、その後に訪れる心身の落差に悩むことは少なくありません。リウの言葉からは、トップレベルで戦い続けることの難しさと、それでも前に進もうとする強い意志が垣間見えます。
中国ブレイキン界をけん引する存在へ
全国体育大会2連覇、杭州アジア大会優勝、2024年パリ夏季五輪銅メダル――。そこに好敵手B-Girl Royalへの「リベンジ」も加わり、リウ・チンイーは中国ブレイキン界を象徴する存在として、さらに存在感を高めています。
2025年現在、ブレイキンは世界中で若い世代を中心に人気が広がっている競技です。リウのように、ストリートカルチャーのルーツを大切にしながらも、競技としての完成度を追求するダンサーが増えることで、この競技は今後さらに成熟していくと考えられます。
パリ五輪後の迷いとスランプを乗り越えてつかんだ今回の金メダルは、リウ・チンイーにとって単なる「タイトルのひとつ」以上の意味を持つはずです。ブレイキンという若い競技の歴史の中で、彼女がどのような足跡を刻んでいくのか、今後も注目が集まりそうです。
Reference(s):
Liu Qingyi continues to impress in breaking at 15th National Games
cgtn.com







