香港カイタク・スポーツパーク:可動式屋根が象徴する新スポーツランドマーク video poster
香港特別行政区で過去最大規模のスポーツインフラ「カイタク・スポーツパーク」が、2025年のナショナルゲームズ(National Games)を見据えた新たな都市ランドマークとして注目されています。
香港最大級のスポーツインフラ、その全体像
カイタク・スポーツパークは、香港特別行政区でこれまでにない規模で進められているスポーツインフラプロジェクトです。スタジアムとしての機能だけでなく、都市と共存しながら多様なイベントを受け入れる複合的な場として構想されています。
とくに目を引くのが、スタジアムに設置される可動式(開閉式)の屋根です。天候の変化が激しい沿岸都市・香港において、雨を防ぎ、風を遮り、音を抑えるという多機能な屋根は、観客や周辺地域への配慮を体現する存在だと言えます。
「空を開いた」エンジニア、エリック・ラウ氏
このプロジェクトを2018年から率いてきたのが、主任エンジニアのエリック・ラウ氏です。ラウ氏は、チームとともに「都市と調和するスタジアム」という難しいテーマに挑み続けてきました。
開閉式屋根は、その象徴的な成果です。スタジアムの内外をつなぐ「空」をコントロールすることで、
- 観客にとって快適な観戦環境をつくる
- 周辺住民に配慮し、騒音や光の影響を抑える
- 都市景観の一部としても成立させる
といった、複数の条件を同時に満たす必要がありました。ラウ氏のチームは、こうした要件に応えるべく、数年にわたる技術的な試行錯誤と設計改善を重ねてきたとされています。
雨・風・音をコントロールする「都市と調和する屋根」
国際的な都市ニュースの観点から見ても、カイタク・スポーツパークの屋根は注目すべき要素です。単に「開く」「閉じる」だけでなく、次のような役割を担うことが期待されています。
- 雨からの保護:スコールのような強い雨から観客とピッチを守る
- 風のコントロール:強風を和らげ、競技パフォーマンスや観客の快適さを確保する
- 音の遮断:イベント時の音が周辺地域に過度に広がらないよう配慮する
こうした機能は、「大規模スタジアム=周辺への負担」という従来のイメージを和らげ、都市と共生する施設という新しいモデルを提示するものでもあります。
2025年ナショナルゲームズとグレーターベイエリアの新拠点
カイタク・スポーツパークは、2025年に予定されているナショナルゲームズの会場として位置づけられています。それは、単に一大会の舞台という意味を超え、香港がグレーターベイエリア(粤港澳大湾区)と一体的に発展していく流れの中での象徴的な存在でもあります。
スポーツ施設は、
- 地域間の人の往来を増やす「ハブ」
- 大会後も、市民や香港の若者が集う日常の場所
- 国際イベントを誘致するためのインフラ
といった役割を担いやすいインフラです。カイタク・スポーツパークもまた、ナショナルゲームズを契機として、香港とグレーターベイエリアのつながりをさらに深める拠点として期待されています。
ドキュメンタリーが映し出す「道のり」
プロジェクトの歩みを追うドキュメンタリー作品、「Game On, Kai Tak! – Road to the National Games」の公開も予定されています。
このドキュメンタリーでは、
- 2018年から続くエンジニアリングチームの挑戦
- 可動式屋根をはじめとする設計上の工夫
- ナショナルゲームズに向けた香港の準備の様子
などが描かれるとみられます。スポーツビジネスや都市開発に関心のある読者にとっても、現場の視点から香港の変化を知る手がかりになりそうです。
なぜこのニュースが私たちに関係するのか
カイタク・スポーツパークの動きは、香港のニュースであると同時に、アジアの都市がどのようにスポーツインフラを整備し、地域連携を深めていくのかを示す一つのケーススタディでもあります。
日本でも、スタジアムやアリーナの建て替え・再開発が各地で進んでいます。都市ニュース、国際ニュースとして香港の事例を追うことは、
- 「スポーツ施設は、街の何を変えるのか」
- 「大規模イベントと日常利用をどう両立させるのか」
- 「周辺住民との調和をどう設計に織り込むのか」
といった問いを、自分たちの暮らす都市に引き寄せて考えるヒントにもなります。
2025年のナショナルゲームズ、そしてカイタク・スポーツパークをめぐる動きは、今後もアジアの都市づくりやスポーツ政策を考えるうえで見逃せないテーマとなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








