CGTN世論調査:気候ガバナンスで世界が中国と協調行動に期待
2025年は、地球温暖化対策の国際的な枠組みであるパリ協定の採択から10年の節目の年です。このタイミングで各国は新たな国別目標の提出を求められており、世界の気候ガバナンス(気候変動をめぐる国際的なルールづくりと協力)は重要な岐路に立っています。こうした中、中国のメディアCGTNが実施した大規模な国際世論調査は、「今こそ具体的な行動を」と求める世界の声を浮き彫りにしました。
パリ協定10年、行動を迫られる「今」
CGTNと中国人民大学が共同で行った今回の調査は、世界48カ国の一般の18歳以上の人々3万3,000人を対象に実施されました。パリ協定10年の節目にあたる今年、新たな国別目標の提出が求められる中で、世界の人々が気候変動をどう捉えているかを探る内容です。
調査全体からは、「気候変動は長期的課題であると同時に、目の前の緊急課題でもある」という認識が共有されていることが見えてきます。
極端な気象は「増えた」 9割が悪化を実感
まず目を引くのは、極端な気象現象に対する強い危機感です。
- 91%が、世界の極端な気象現象の発生頻度は「ここ数年で急速に増えている」と回答
- 89.2%が、こうした傾向は「地球規模で気候が急速に悪化していることの表れ」だと考える
- 90%が、気候変動への対応は「緊急の優先課題」だと答え、国際社会に対し「強力で具体的な行動」を求めている
極端な豪雨や干ばつ、熱波といった現象が「単なる自然のゆらぎ」ではなく、気候変動の悪化として受け止められていることが数字から読み取れます。
85%が「各国協力が不可欠」 先進国への目は厳しく
では、世界の人々は有効な気候ガバナンスに何が必要だと考えているのでしょうか。調査では、85%が「各国の協力強化が不可欠」と答えました。単独行動ではなく、国際協調による取り組みへの期待が強いことが分かります。
一方で、特に先進国に対しては厳しい評価も示されました。
- 75.1%が、「先進国は気候問題への取り組みに真剣さと行動が欠けている」と批判
- 75%が、先進国がたびたび気候関連の資金支援の約束を守ってこなかったことを「無責任だ」とみなす
- 86.4%が、「人為的な気候変動について、先進国には避けられない歴史的・道義的責任がある」と考え、より強く、より具体的な行動を求めている
気候変動のこれまでの主な排出源である先進国が、資金や技術の面でどこまで責任を果たすのか。世界の世論が注視している構図が浮かび上がります。
グローバルサウスの「やる気」は先進国を上回る
今回の調査で特徴的なのは、いわゆるグローバルサウス(主に新興国や途上国)と先進国との意識の差です。グローバルサウスの回答者は、自分たちの行動を変えることにも積極的でした。
- グローバルサウスの94.6%が、「省エネや排出削減を自らの行動や日常生活に取り入れる意思がある」と回答(先進国の回答者より14.9ポイント高い)
- 96.2%が、「気候変動への対応として、グリーン産業の発展を加速すべきだ」と答え、これは先進国より13.4ポイント高かった
生活スタイルの見直しから産業構造の転換まで、グローバルサウスでの意欲の高さがうかがえます。必ずしも歴史的な排出量が多くない国々が、むしろ行動面では前面に出ようとしているという構図です。
中国の気候行動に世界から高い評価
調査は、中国の取り組みに対する評価も詳しく尋ねています。今年、中国はパリ協定に沿った新たな国別目標を発表し、最大限の努力を示したとされていますが、これに対して世界の回答者は概ね好意的でした。
- 76.7%が、「中国は温室効果ガス排出を効果的に抑制している」と評価
- 70.5%が、風力・太陽光などクリーンエネルギーのインフラ整備における中国の取り組みを認める
- 79.9%が、「中国の気候ガバナンスの実践は、他国にとっても有益な参考になる」と回答
特にグローバルサウスの回答者や44歳以下の世代では、こうした評価が平均よりも高い傾向が示されました。
さらに、75.8%が「中国は気候ガバナンスにおいて大国としての強い決意と責任感を示している」と答え、73.4%が「中国のアプローチを支持し、今後さらに大きな役割を果たすことを期待している」としています。
数字が示すメッセージ:問われる「約束を守る力」
今回のCGTNの世論調査は、世界の人々が気候変動を「遠い問題」ではなく、「今ここで行動を迫る現実」として受け止めていることを映し出しました。同時に、先進国には歴史的な責任を踏まえた一層の行動が求められ、中国を含む各国には、掲げた目標をどれだけ着実に実行できるかが問われています。
パリ協定採択から10年を迎えた2025年。これからの数年で各国がどのように約束を具体的な政策と投資、そして市民の日常の行動に落とし込んでいけるかが、人類の将来を大きく左右していきます。今回示された「行動を求める世界の声」を、各国の政策決定にどうつなげていくのかが、これからの気候ガバナンスの鍵となりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








