中国第15回全国運動会、スポーツが新たな成長の舞台に
中国で開催されている第15回全国運動会が閉幕に近づき、スポーツが中国社会における新たな成長の舞台として存在感を高めていることが、改めて見えてきました。世界レベルのパフォーマンスと、ベテランの別れ、新星の登場が一度に凝縮された大会となっています。
世界レベルの演技が集まった第15回全国運動会
今大会の会場では、感情が揺さぶられるドラマと、世界大会にも匹敵するハイレベルな競技が次々と生まれました。中国各地から集まったトップアスリートが、その実力を余すところなく発揮しました。
レジェンドたちの別れ—Gong LijiaoやSu Bingtianがスパイクを脱ぐ
今回の全国運動会は、長年代表を支えてきたレジェンドたちにとっての「ラストダンス」の舞台にもなりました。砲丸投のGong Lijiao、短距離のSu Bingtian、バドミントンのHe Bingjiaoらが、今大会限りで競技生活に区切りをつけました。彼らの歩みは、中国スポーツが世界の舞台で存在感を高めてきた過程そのものと重なります。
一方、卓球界の象徴的存在であるMa Longは、これまで取りこぼしてきた全国運動会の団体金メダルをついに手にしました。すでに数え切れないほどのタイトルを獲得してきたベテランにとっても、この一枚の金メダルは特別な意味を持つものとなりました。
卓球女子シングルス—カタール世界選手権の“再戦”
今大会の卓球女子シングルス決勝は、6カ月前にカタールで行われた世界選手権決勝の「再演」となりました。当時は、友人でありライバルでもあるSun Yingshaが、フルゲームまでもつれた激戦を制しました。
全国運動会の決勝でも両者の戦いは最終第7ゲームまでもつれ込む大接戦となりましたが、今回はWang Manyuが勝利。わずかな差で勝敗が分かれるハイレベルな攻防は、中国卓球の層の厚さと、世界トップのレベルを国内大会で再現できる競技環境を象徴しています。
13歳Yu Zidiが5個のメダルとアジア記録—新世代の象徴に
水泳では、13歳のYu Zidiが今大会の象徴的存在となりました。わずか2週間あまりの大会期間中に5つのメダルを獲得し、そのうちの一つではアジア記録を塗り替えています。
10代前半の選手が大舞台でこれだけの結果を残したことは、中国水泳界の底力と、次の10年を担う世代の台頭を印象づけました。
Quan HongchanやPan Zhanleらスター選手も存在感
飛び込みのQuan Hongchanや競泳のPan Zhanleなど、すでに国際舞台で名前を知られる選手たちも、第15回全国運動会で改めて実力を示しました。各競技で中国のトップ選手が顔をそろえたことで、国内大会でありながら、事実上のミニ世界大会と呼べるような厚みのあるラインナップとなりました。
スポーツが「成長の新しい舞台」に
こうした大会の姿からは、スポーツが中国社会における新しい成長の舞台になりつつある様子もうかがえます。競技のレベル向上だけでなく、世代交代のドラマや若手の台頭が、多くの人の関心を引きつけています。
今回の全国運動会が示した「成長の方向性」を整理すると、次のようなポイントが見えてきます。
- ベテランの功績を称えつつ、若手にバトンを渡す世代交代が着実に進んでいること
- 国内大会で世界トップクラスの対戦カードが実現する、競技環境の充実
- 10代の有望選手が早い段階から大舞台を経験し、次世代のスターとして注目を集めていること
読み手への問い—スポーツをどう「自分ごと」にするか
2025年12月のいま、第15回全国運動会の熱戦を追いかけることは、中国スポーツの現在地を見るだけでなく、スポーツが社会にもたらす意味を考えるきっかけにもなります。
日本にいる私たちにとっても、今回の大会から考えられることは少なくありません。
- レジェンドの引退と若手の台頭を、仕事やキャリアの世代交代と重ねてみると何が見えてくるでしょうか。
- 13歳のYu Zidiのように、若い才能が実力を発揮できる環境づくりについて、教育やビジネスの現場と比較するとどう考えられるでしょうか。
- 世界レベルの選手が一堂に会する国内大会のあり方は、日本のスポーツイベントにどんな示唆を与えるでしょうか。
第15回全国運動会は、単なるメダル争いの場にとどまらず、スポーツを通じた新しい成長の形を映し出す鏡のような大会となりました。閉幕後も、そこから生まれた物語と課題は、私たち一人ひとりの視点を静かに揺らし続けていきそうです。
Reference(s):
China's 15th National Games: Sport emerging as a new arena for growth
cgtn.com








