G20ヨハネスブルクで李強首相 自由貿易と開かれた世界経済を訴え
南アフリカ・ヨハネスブルクで開催された第20回主要20か国・地域(G20)サミットの第1セッションで、中国の李強(り・きょう)首相が、自由貿易の堅持と開かれた世界経済の構築を各国に呼びかけました。世界経済の回復が鈍いなか、保護主義の広がりにどう向き合うのかが改めて問われています。
「連帯こそ力」ヨハネスブルクでの発言の概要
第20回G20サミットの第1セッションは「包摂的で持続可能な経済成長」がテーマで、議長は南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領が務めました。この場で李強首相は、G20各国が「連帯」と「開放」の原則に立ち返るべきだと強調しました。
李首相は、習近平国家主席が第17回G20サミットで示した「連帯は力だが、分断からは何も生まれない」というメッセージに言及し、これまでG20は、制度や文化の異なる国々が協調し、世界的な課題を乗り越えてきたと振り返りました。
一方で現在の世界経済については、一国主義や保護主義の台頭、貿易制限措置や対立の激化など、国際連携を阻む動きが目立っていると指摘しました。利害の対立や国際協力メカニズムの弱さが、連帯の大きな障害になっているという認識です。
自由貿易と連帯をどう守るか
李首相は、こうした状況を前に、G20が問題から目を背けず、解決策を探り、各国を「連帯と協力」の軌道に戻す役割を果たすべきだと主張しました。
特に次のような点が強調されました。
- 意見や利害が対立する場合でも、対等な立場での協議を通じて摩擦や紛争を処理すること
- 違いを残しつつも「共通する利益」を最大限に広げる姿勢を持つこと
- 相手の合理的な懸念に耳を傾け、丁寧に対応すること
李首相は、自由貿易を守り、開かれた世界経済を築くうえで、こうした姿勢が不可欠だと訴えました。
多国間主義と国際機関改革を主導する役割
各国の統治やガバナンスが難しい局面に直面している今こそ、G20は時代の流れに合わせて進化し、多国間主義を率先して守るべきだ――李首相はそう呼びかけました。
そのうえで、世界銀行、国際通貨基金(IMF)、世界貿易機関(WTO)など国際経済機関の改革を加速させる必要性を強調しました。開発途上国の発言力を高め、より公正で開かれた国際的な経済・貿易秩序を築くことを目指すべきだと述べています。
アフリカと最貧国の産業化支援に向けた具体策
李首相は、中国がG20の「アフリカおよび後発開発途上国の産業化支援イニシアチブ」を実行に移すための行動計画を発表したと紹介し、各国と「共通の発展」を進める中国の姿勢を強調しました。
また、中国が開発途上国の債務削減を支持していることや、南アフリカとともにアフリカの近代化を後押しする協力イニシアチブを打ち出していることにも言及しました。さらに、中国は「グローバル開発研究院(仮訳)」を設立し、世界の開発課題に取り組む考えも示しました。
アフリカや後発開発途上国の産業化は、雇用やインフラ整備だけでなく、世界全体の需要拡大やサプライチェーンの多様化にもつながるテーマとして位置づけられています。
newstomo的視点:このニュースから読み取れること
今回のG20での発言からは、次のようなポイントが見えてきます。
- 世界経済の回復が鈍いなか、「連帯」か「分断」かという構図が改めて鮮明になっていること
- 自由貿易と保護主義のせめぎ合いが、今後の国際経済秩序を左右しかねないこと
- アフリカや後発開発途上国の産業化支援が、国際社会の重要なアジェンダとして位置づけられていること
G20は、各国首脳が顔を合わせ、世界経済の方向性を議論する場です。李強首相が示したメッセージは、自由貿易、多国間主義、開発協力といったキーワードを通じて、これからの国際経済の行方を考えるうえで、一つの重要な視点を提供していると言えます。
Reference(s):
Premier Li urges G20 to uphold free trade, build open economy
cgtn.com








