中国とベトナム、紅河流域イニシアチブで協力強化 地域連携の新ステージ
中国とベトナムの国際ニュースとして注目される「Honghe River Basin China–Vietnam Cooperation Week」が、中国南西部の雲南省・Honghe Hani and Yi Autonomous Prefectureで開幕しました。紅河(Honghe)流域を単位に、国境を越えた地域の協調的な発展をどう進めるかを話し合う場です。
紅河がつなぐ、中国とベトナム
協力のキーワードとなる紅河は、雲南省のアイラオ山地に源を発し、南東方向に流れてベトナム北部へと至る全長約1,280キロメートルの大河です。古くから稲作文明を育んできたこの川は、いまも両国の人々の暮らしと経済を結び付ける重要な生命線となっています。
今回の協力ウィークには、中国・ベトナム経済回廊や紅河流域に位置する地域から、政府機関、研究機関、企業の代表が集まりました。川で結ばれた地域同士が、どのようにして共通の課題に向き合い、互いの強みを生かせるかが議論の中心となりました。
協力ウィークで議論されたテーマ
会場では、国境を越えた連携や産業のシナジー(相乗効果)、そして人と人との交流のあり方が話し合われました。ベトナムのクンミン総領事ホアン・ミン・ソン氏は、この協力ウィークについて「双方の地方や機関、企業が交流を深め、互いから学ぶための貴重なプラットフォームだ」と評価しています。
ソン氏によると、今後とくに協力が期待されている分野は次の通りです。
- グリーン経済の発展(環境に配慮した経済成長)
- デジタル・トランスフォーメーション(デジタル技術による産業や行政の変革)
- 水資源の保護
- 気候変動への対応
- 文化・エコツーリズム(自然と文化を生かした観光)
いずれも、流域という共通の空間を持つ地域にとって避けて通れないテーマです。環境保全と経済成長を両立させながら、観光やデジタル分野で新しいビジネスや雇用を生み出せるかが、今後の焦点となります。
「ドア・ツー・ドア」の地理的優位性
協力の最前線に立つHonghe Hani and Yi Autonomous Prefectureは、ベトナムのラオカイ省やライチャウ省と国境を接しています。同州の羅萍(ルオ・ピン)州長は、この位置づけを「ドア・ツー・ドア、ネイバー・ツー・ネイバーの地理的優位性」と表現しました。
つまり、物理的な距離が近く、まさに「隣人同士」であるからこそ、物流や人的交流、産業協力を素早く進めやすいという認識です。こうした国境地域からのボトムアップ型の取り組みは、両国関係の安定にもつながりやすいと考えられます。
今回の協力ウィークには、中央政府レベルだけでは拾いきれない地域のニーズやアイデアを持つプレーヤーが多く参加しています。現場の課題を共有しながら、研究機関の知見や企業の技術をどう結びつけるかが、実務的なテーマになっています。
人と人の交流をどう広げるか
議論の柱の一つとなったのが、国境をまたいだ「人と人」の交流です。紅河流域では、長い歴史の中で多様な民族や文化が交わってきました。こうした背景を生かし、文化・エコツーリズムや教育交流、共同研究などを通じて、次のような効果が期待されています。
- 相互理解の促進(相手国の文化や歴史への理解を深める)
- 若い世代同士のネットワークづくり
- 観光・サービス産業の活性化
とくに、気候変動や水資源といった課題は、一国だけで解決することが難しいテーマです。流域全体を視野に入れた協力を進めるには、政策レベルの対話とあわせて、現場で活動する人々の信頼関係づくりが欠かせません。
紅河流域イニシアチブの今後
今回のChina–Vietnam Cooperation Week for the Honghe River Basinは、紅河流域を舞台にした中国とベトナムの協力を一段と具体化する試みといえます。今後、次のような点が注目されます。
- グリーン経済やデジタル分野で、どのような共同プロジェクトが立ち上がるか
- 水資源保護や気候変動対応で、流域全体を見据えた枠組みづくりが進むか
- 文化・エコツーリズムを通じた住民交流の広がり
川でつながる地域同士が、環境と経済の両方でどこまで協調できるのか。紅河流域イニシアチブの進展は、今後の国際ニュースとしても継続的に追いかけていきたいテーマです。
Reference(s):
China, Vietnam boost cooperation through Honghe River Basin Initiative
cgtn.com








