中国ドキュメンタリー『Hotline Beijing』 都市ガバナンス描く作品がロシアとエチオピアで好評
中国の都市ガバナンスを描いたドキュメンタリー『Hotline Beijing』が、先月ロシアとエチオピアで特別上映され、観客から高い評価を受けました。北京の公共サービス・ホットラインを通じて、人を中心に据えた都市運営モデルを世界の観客に紹介する試みです。
北京のホットラインを追うドキュメンタリー『Hotline Beijing』とは
『Hotline Beijing』は、China Media Group(CMG)の中国ニュース・映画テレビグループが監督を務めたドキュメンタリー作品です。北京市の公共サービスホットライン「12345」を軸に、7つの実際の物語を追いながら、市民の声がどのように行政へ届き、現場で解決されていくのかを描いています。
12345ホットラインは、住民が日々の生活の中で生じる要望や不満、相談ごとを伝えるための窓口です。作品では、行政側が「苦情は受け付けた段階からすぐに対応する」という姿勢で、さまざまな部署や担当者が連携しながら課題に向き合う様子が、多角的な視点から示されています。
このプロセスを通じて、『Hotline Beijing』は、人中心の大都市マネジメントを目指す中国のモデルを、具体的なケースに基づいて紹介しています。
ロシア・サンクトペテルブルクとエチオピア・アディスアベバで特別上映
今回の国際上映は、CMGのフィルム・テレビ翻訳制作センターなどが主催・共催し、ロシアとエチオピアでそれぞれ特別上映会の形で行われました。
サンクトペテルブルクでの上映
ロシアのサンクトペテルブルクでは、現地時間の11月18日に特別上映が行われました。会場には、政治、学術、文化など各界から30人あまりの関係者が参加し、作品を通じて北京の都市ガバナンスの取り組みに触れました。
アディスアベバでの上映
エチオピアの首都アディスアベバでは、11月21日に上映会が開かれました。この回は、CMGアフリカ本部とアディスアベバ大学の孔子学院が共催し、およそ150人が参加しました。出席者には、関係機関の担当者、メディア関係者、大学の教職員や学生などが含まれ、多様な背景を持つ人々が中国の都市運営モデルに目を向けました。
海外の観客が共感した「人中心」の都市ガバナンス
上映後、観客からは『Hotline Beijing』のタイムリーなテーマ設定と、分かりやすくも示唆に富んだ語り口を評価する声が相次ぎました。
サンクトペテルブルクの関係者は、12345ホットラインの仕組みについて、「実際に問題を解決するための具体的な仕組み」であり、中国の知恵をのぞく窓だと受け止めたといいます。単なる制度紹介にとどまらず、現場でどのように運用されているかに焦点を当てている点が印象に残った形です。
エチオピア側の参加者からも共感の声が上がりました。アディスアベバ大学のサミュエル・キフレ学長らは、急速な都市化が進む世界的な状況を背景に、この作品の内容はグローバルな文脈でも響くと指摘しました。『Hotline Beijing』は、都市ガバナンスの理論と現場の実践をつなぐケーススタディとしても意味を持つと評価されています。
観客からはまた、「どんな小さな声も軽視されず、一つひとつが同じレベルで重視される」という人中心の姿勢に感銘を受けたという感想も聞かれました。住民の身近な困りごとを起点に、行政が対応を積み重ねていくプロセスこそが、中国の都市運営モデルの特徴として映ったようです。
世界の大都市に共有される問い
『Hotline Beijing』が提示するのは、北京という一つの都市の物語であると同時に、多くの大都市が直面する課題でもあります。急速な都市化の中で、住民の生活に根ざした声をどう受け止め、行政の改善につなげていくかという問いは、国や地域を問わず共通するテーマです。
作品が示す中国のモデルは、「苦情」や「要望」を単なる不満の表明としてではなく、都市をより良くするための出発点とみなす発想でもあります。ホットラインという身近な窓口を通じて、市民と行政の距離を縮めようとするアプローチは、他の国や地域にとっても参考になる視点といえそうです。
視聴者が考えてみたい3つのポイント
このドキュメンタリーは、単に中国の事例を紹介するだけでなく、私たち自身の暮らす都市について考えるきっかけにもなります。もし本作を見る機会があれば、次のような問いを意識しながら見ると、理解が一層深まるかもしれません。
- 自分の住む都市には、住民の声を一元的に受け止める仕組みがどの程度整っているか。
- 日々寄せられる苦情や要望は、どのように行政の改善や政策の見直しにつながっているか。
- 人を中心に据えた都市運営を実現するために、制度や技術以外にどのような姿勢や価値観が必要か。
『Hotline Beijing』の国際上映は、中国の都市ガバナンスのあり方を世界に紹介するだけでなく、各国・各地域が自らの都市運営を振り返るきっかけにもなりそうです。SNSなどで感想や気づきを共有しながら、都市とガバナンスのこれからを考えてみる時間を持つのも良さそうです。
Reference(s):
'Hotline Beijing' debuts internationally to audience acclaim
cgtn.com








