中国が新型原子炉「Hualong One」を送電網に接続 クリーンエネルギー転換へ video poster
中国の原子力企業CNNC(China National Nuclear Corporation)は、福建省・張州原子力発電所の新型原子炉「Hualong One(華龍一号)」2号機を送電網に接続し、発電を開始したと発表しました。石炭依存からの脱却を進める中国にとって、クリーンエネルギーの大規模な電源がまた一つ加わったことになります。
張州原発2号機が送電開始 世界最大のHualong One拠点が本格稼働へ
2号機は、福建省にある張州原子力発電所で建設されたHualong One型の原子炉です。2025年11月22日に送電網へ接続され、発電を開始しました。
この発電開始によって、張州原発は「世界最大のHualong One拠点」として、大規模な建設プロジェクトの段階から、本格的に電力を供給する拠点へと移行しました。新たに供給される電力は、二酸化炭素を排出しない「カーボンフリー電源」として、昼夜を問わず何百万戸もの家庭を支える規模だとされています。
Hualong Oneとは 中国の「第3世代」原子炉が示すもの
Hualong Oneは、中国が自ら開発した「第3世代」と位置づける原子炉の設計で、CNNCが「フラッグシップ」として位置づける最新型の原子炉です。今回の2号機の立ち上げ成功は、この設計の信頼性を裏付ける実績の一つとみなされています。
CNNCによると、Hualong Oneは安全性と発電効率を高めつつ、長期間にわたって安定して電力を供給することを目指した設計で、国際市場への展開も視野に入れた技術だとされています。
6基合計720万キロワットへ 張州原発プロジェクトの規模
張州原子力発電所は、最終的に6基の原子炉を備える計画です。全基が完成すると、合計で約720万キロワットの設備容量(発電能力)を持つ大型の原子力拠点になります。
CNNCの説明では、各ユニット(各号機)は年間100億キロワット時(kWh)を超えるクリーン電力を供給できる見込みで、中国のエネルギー安全保障の強化にもつながるとされています。
すでに運転に入っている1号機は、CNNC張州エナジー社の主任技師、Mei Bingyun(メイ・ビンユン)氏によると、これまでに安全に88億kWhを超える電力を発電してきたということです。
2号機はどうつくられたか 建設から送電までの流れ
今回送電を開始した2号機の建設プロセスは、次のように整理できます。
- 2020年9月:2号機の建設がスタート
- 2025年10月:初めての燃料装荷(燃料を炉心に入れる作業)が完了
- 2025年11月22日:送電網に接続し、発電を開始
CNNCは、2号機について今後も計画された一連の試験を行い、性能をさらに確認するとしています。これらの試験を通じて、商業運転(本格稼働)に必要なすべての条件を満たしているかを検証する方針です。
石炭依存からの転換とクリーンエネルギー戦略
中国は世界最大規模のエネルギーシステムを抱えており、長年にわたって石炭火力発電に大きく依存してきました。そうした中で、風力や太陽光などの再生可能エネルギーに加え、原子力発電を含む「カーボンフリー電源」を増やすことで、エネルギーミックス(電源構成)の転換を進めています。
今回のHualong One 2号機の送電開始は、
- 二酸化炭素を排出しない大規模電源の拡大
- 昼夜を問わず稼働できる安定電源の確保
- 国内のエネルギー安全保障の強化
といった点で、中国のクリーンエネルギー戦略の一つの節目といえます。
日本の読者にとってのポイント
日本の読者にとっても、今回の動きは無関係ではありません。世界最大規模のエネルギーシステムを持つ中国が、どのように原子力とクリーンエネルギーを組み合わせているのかは、
- 国際的な温暖化対策の議論
- 電力市場やエネルギー安全保障をめぐる動き
- 原子力発電の役割をどう位置づけるかという各国の議論
を考えるうえで、一つの重要な材料になります。
張州原発2号機の今後の試験運転と商業運転への移行状況は、中国のクリーンエネルギー政策の行方を読み解く上で、引き続き注目されそうです。
Reference(s):
China adds new nuclear reactor to the grid in clean energy push
cgtn.com








