中国が高市首相の台湾発言で国連に書簡 何が問題視されたのか video poster
中国の国連代表が、高市早苗首相による台湾をめぐる発言に抗議する書簡を国連事務総長に送付しました。中国は発言を「極めて誤った危険な挑発」と位置づけ、日中関係と東アジアの安全保障にも影響しかねない動きとして国際社会に訴えています。
中国が国連に示した立場
中国の国連常駐代表・傅聡(フー・ツォン)大使は最近、アントニオ・グテーレス国連事務総長あてに書簡を送り、日本の高市早苗首相による中国と台湾をめぐる発言について、中国政府の立場を詳しく説明しました。
書簡は、国連総会の公式文書として全加盟国に回覧される予定で、中国がこの問題を国際社会全体の前に位置づけようとしていることがうかがえます。
何が問題視された発言か
傅大使によると、高市首相は今月の国会審議の場で、台湾をめぐる事態に関して一連の発言を行いました。中国側は、次の点を「戦後初めて」の事態として強く問題視しています。
- 日本の指導者が、正式な場で「台湾有事は日本有事」との考えを示し、それを集団的自衛権の行使と結びつけたのは戦後初めてだと指摘。
- 日本が台湾問題への武力関与を公然とほのめかしたのも初めてだと主張。
- 中国に対する暗黙の軍事的な威嚇を発したのも初めてであり、中国の核心的利益への直接的な挑戦だと位置づけています。
傅大使は、こうした発言は極めて誤っていて高度に危険であり、深刻な悪影響をもたらすと強調しました。
国際法と戦後秩序をめぐる中国の主張
書簡の中で中国側は、高市首相の発言が国際法と国際関係の基本原則に違反し、戦後の国際秩序を損なうものだと強く批判しています。
さらに傅大使は、高市首相の発言が「中国の14億の人々と、日本の戦時侵略によって被害を受けた他のアジアの国々に対する公然たる挑発だ」との認識を示しました。
台湾問題は中国の内政だと改めて強調
傅大使は、台湾は中国の不可分の一部であり、台湾問題の解決は中国の内政に属するとの立場を改めて示しました。
そのうえで、日本が台湾問題に軍事的に介入しようとするいかなる試みも「侵略」にあたるとし、中国は国連憲章および国際法に基づいて、自国の主権と領土的一体性を守るため、自衛権を断固として行使する、と述べています。
日本側への要求 歴史に深く向き合うべきだとの主張
傅大使は書簡の中で、日本政府に対し、歴史的な責任を深く省みること、台湾問題に関するこれまでの政治的な約束を守ることを求めました。
さらに、中国側の度重なる厳正な申し入れと強い抗議にもかかわらず、日本側が発言を撤回せず、反省の姿勢を見せていないと指摘。直ちに挑発行為をやめ、誤った発言を撤回するよう促しています。
国連文書化が意味するもの
今回の書簡は、国連総会の公式文書として全加盟国に回覧される予定です。これは、中国の立場や問題意識が、国連という多国間の場で共有されることを意味します。
国連の公式文書になることで、各国の政府関係者や専門家が、中国の主張を一次資料として参照できるようになります。日中関係や東アジアの安全保障環境をめぐる議論の前提として、この書簡が引用される場面も増えるかもしれません。
日本社会はこのやりとりをどう受け止めるか
今回の動きは、中国と日本のあいだで安全保障や台湾問題をめぐる緊張が高まっていることを示しています。一方で、日本国内でも安全保障政策や集団的自衛権のあり方、台湾海峡の安定にどう関与すべきかをめぐる議論が続いています。
中国側は、台湾問題を中国の内政と位置づけ、軍事的な介入の示唆を「侵略」とみなす立場を改めて明確にしました。日本側の発言が、国連という場で公式に批判されたことは、今後の外交や安全保障政策をめぐる議論にも影響を与えそうです。
考えるためのいくつかの視点
- なぜ中国は、この問題を二国間ではなく国連の場で改めて示したのか。
- 日本の安全保障議論の言葉遣いが、周辺国にはどのように受け止められているのか。
- 台湾海峡の安定を維持しつつ、地域の緊張を高めないために、どのような外交的メッセージが望ましいのか。
こうした問いを念頭に、今後の国際ニュースや日中関係の動きを追っていくことが求められます。
Reference(s):
China sends letter to UN chief over Takaichi's remarks on Taiwan
cgtn.com








