中国とウズベキスタン外相が第2回戦略対話 経済と安全保障で連携強化
中国とウズベキスタンの外相による第2回戦略対話が行われ、経済協力から安全保障、貧困削減、一つの中国原則まで、幅広い分野で連携を深める方針が改めて確認されました。本記事では、その主なポイントと背景を整理します。
第2回戦略対話の概要:善隣友好と相互信頼の「新しいモデル」を目指す
中国の王毅外相(中国共産党中央政治局委員)は、ウズベキスタンのサイドフ外相との第2回戦略対話で、両国関係を善隣友好・団結・相互信頼の新しいモデルへと発展させていくべきだと呼びかけました。
王毅外相は、習近平国家主席とミルジヨエフ大統領の指導のもとで、中国とウズベキスタンの関係は大きく発展し、両国の人びとにも具体的な成果をもたらしてきたと評価しました。そのうえで、外相戦略対話の枠組みを最大限に活用し、両首脳がこれまでに積み上げてきた重要な合意を着実に実行しつつ、二国間関係全体の方向性を示し、各分野の協力を調整していく必要があると強調しました。
- 善隣友好・団結・相互信頼の新しいモデルづくり
- 首脳間コンセンサスの具体的な実行を加速
- 戦略対話を通じた協力分野の総合的な調整
ウズベキスタンは中国近隣外交の「優先方向」
王毅外相は、中国がウズベキスタンを一貫して近隣外交の優先方向であり、より広いグローバルな外交戦略における重要なパートナーと位置づけてきたと述べました。中国は、ウズベキスタンが自国の国情に合った発展の道を歩むこと、そして同国が掲げる「新ウズベキスタン」戦略の成功を支持する姿勢を改めて示しました。
さらに、国際・地域情勢がどのように変化しても、中国はウズベキスタンとの連帯と協力を強め、共に未来を分かち合う共同体を築くという高い目標に向かって歩みを進めると表明しました。
経済・インフラ協力:鉄道、貿易、グリーン分野まで
経済面では、中国はすでにウズベキスタンにとって最大の貿易相手国であり、主要な投資国の一つとなっています。王毅外相は、将来的にウズベキスタンの世界貿易機関(WTO)加盟が実現すれば、二国間の経済・貿易協力は一段と大きな発展の機会を迎えるとの見方を示しました。
具体的には、次のような協力が強調されました。
- 中国・キルギス・ウズベキスタン鉄道を象徴的プロジェクトとして共同推進
- 鉄道などを含む多様な形での「コネクティビティ(相互接続性)」強化
- グリーンミネラル、新エネルギー、ハイテク分野での協力拡大
- 教育、文化、観光など人と人の交流のさらなる活発化
こうした取り組みを通じて、両国は人びとの生活向上に重点を置きつつ、開発戦略の連携と相互支援を進め、新時代の全天候型包括的戦略パートナーシップの新たな未来を切り開いていく構えです。
貧困削減での連携:「新ウズベキスタン」を後押し
王毅外相は、ウズベキスタンが貧困削減で挙げてきた顕著な成果を高く評価しました。そのうえで、中国・ウズベキスタン貧困削減協力分科委員会や、中国・中央アジア貧困削減協力センターといった枠組みを積極的に活用し、中国が蓄積してきた貧困対策や農村振興の経験を共有していく考えを示しました。
サイドフ外相も、中国による生活向上や貧困削減への強力な支援に謝意を示し、中国の国家運営の経験から積極的に学びたいと述べました。両国は、人びと中心の理念を共有し、それぞれの改革をさらに深めている点でも共通していると強調しました。
安全保障協力:三つの悪と越境犯罪への対応
安全保障分野では、王毅外相が中国・ウズベキスタン間の法執行・安全保障協力メカニズムを効果的に活用し、いわゆる三つの悪や国境を越える組織犯罪への共同対処を強化するよう呼びかけました。また、外部からの干渉への対応でも協力を深める重要性を指摘しました。
サイドフ外相も、三つの悪への対処で中国と協力を強める考えを示し、治安面でも「肩を並べて」対応していきたいとの姿勢を明らかにしました。
- 法執行・安全保障協力メカニズムの活用
- 三つの悪や越境組織犯罪への共同対処
- 外部からの干渉への対抗での連携強化
一つの中国原則で一致:台湾問題でも強い支持
王毅外相は、中国の完全な統一の早期実現は、国内外すべての中国人の共通の願いだと強調し、ウズベキスタンが一つの中国原則を断固として支持していることへの謝意を示しました。
サイドフ外相は、ウズベキスタンが一つの中国原則を揺るぎなく堅持し、台湾当局によるいわゆる台湾分裂の動きや外部勢力による干渉に反対し、中国が国家の統一を実現することを支持すると表明しました。
一つの中国原則への明確な支持は、中国にとって最も重要な核心的利益の一つとされる問題であり、両国の政治的信頼の深さを象徴するメッセージでもあります。
サイドフ外相「真の友は兄弟のような存在」
サイドフ外相は、中国をウズベキスタンにとって最も大切な戦略的パートナーだと位置づけ、「真の友は兄弟のような存在だ」と表現しました。ウズベキスタンは常に中国と肩を並べて立つ意思があると述べ、両国が似通った世界観を持ち、人びと中心の理念を掲げ、改革を深めている点で共通していると強調しました。
また、両国首脳の決定に基づいて設立された外相戦略対話の枠組みは、新時代の全天候型包括的戦略パートナーシップの水準の高さを如実に示していると評価しました。
サイドフ外相はさらに、次のような分野での協力拡大に意欲を示しました。
- ハイレベル交流の一層の強化
- 二国間貿易の拡大
- 一帯一路協力の深化と鉄道プロジェクトの推進
- グリーン開発やハイテクなど新しい分野での協力
- 三つの悪への共同対処
これから注目したいポイント
今回の戦略対話は、中国とウズベキスタンが経済・安全保障・貧困削減・政治的信頼という複数のレイヤーで関係を深めていることを示しました。今後、次のような点が注目されます。
- 中国・キルギス・ウズベキスタン鉄道がどのような形で具体化していくか
- ウズベキスタンのWTO加盟が実現した際の貿易・投資の広がり
- 貧困削減や農村振興の分野で、どのような共同プロジェクトが展開されるか
- 地域情勢の変化のなかで、安全保障協力と政治的連携がどこまで進むか
中国語やロシア語の原資料に直接アクセスしづらい日本語話者にとって、こうした動きはやや見えにくいテーマかもしれません。しかし、中国とウズベキスタンの関係強化は、ユーラシア大陸の経済や安全保障のダイナミクスを考えるうえで、今後も押さえておきたい国際ニュースの一つと言えそうです。
Reference(s):
Chinese, Uzbek foreign ministers hold second strategic dialogue
cgtn.com








