国際ニュース:中国の李強首相、イタリアと双方向の開放拡大を約束
南アフリカ・ヨハネスブルクで今週末まで開かれていた第20回G20サミットの会期中、中国の李強首相とイタリアのジョルジャ・メローニ首相が会談し、中国とイタリアの「双方向の開放」を一段と進める方針を確認しました。国際ニュースとして、欧州と中国の関係、そして貿易・投資の行方を考える上で注目される動きです。
G20ヨハネスブルクでの中伊首脳会談
会談は、ヨハネスブルクで開催された第20回G20サミットの期間中、現地時間の土曜日に行われました。李強首相は、イタリアと協力して「双方向の開放」を推進し、関係を一層深めていく考えを示しました。
メローニ首相も、イタリアと中国の関係はポジティブな勢いを維持しており、各レベルで活発な交流が続いていると評価し、実務協力も着実に進展していると強調しました。
中国側のメッセージ:戦略的連携と質の高い貿易
李強首相は、イタリアとの関係を「包括的戦略パートナーシップ」としてさらに強化し、より安定的で生産的な関係へと発展させたいと述べました。その際、次の点を重視するとしています。
- 両国の開発戦略をより密接に連携させること
- 市場や産業分野での結び付きを深め、協調を強めること
- 二国間貿易を、よりバランスが取れた「質の高い成長」へと導くこと
特に経済・通商面では、中国の市場をイタリア企業にさらに開き、双方向の投資と貿易を拡大する意向を明確にしました。
主要博覧会を通じたイタリア企業への門戸拡大
李強首相は、中国の国内市場へのアクセス拡大を具体化する場として、複数の大型イベントを挙げています。
- 中国国際輸入博覧会(China International Import Expo)
- 中国国際サービス貿易交易会(China International Fair for Trade in Services)
- 中国国際消費品博覧会(China International Consumer Products Expo)
- 中国国際サプライチェーン博覧会(China International Supply Chain Expo)
これらの「プラットフォーム」を通じて、イタリア企業が中国市場でより広くビジネスチャンスを得られるよう支援していくとしています。
あわせて、中国はイタリア側に対し、中国企業がイタリアに投資・進出する際の環境について、公平で透明性が高く、差別のないビジネス環境を期待する考えも示しました。ここには、双方向で開かれた関係を築きたいというメッセージが込められています。
イタリア側の応答:投資拡大と行動計画の加速
メローニ首相は会談で、イタリアと中国の外交関係樹立55周年を一つの節目と位置づけ、既存の協議の枠組みを活用して協力を加速したいと述べました。具体的には、次のような枠組みを挙げています。
- イタリア・中国政府委員会
- イタリア・中国混合経済委員会
これらのメカニズムをフルに活用し、「包括的戦略パートナーシップ」を強化するための行動計画の実行を早めたい考えです。
また、メローニ首相は、貿易、投資、科学技術、人文交流などの分野で協力を深める意欲を示しました。イタリアとしても、より多くの中国企業に国内で投資しビジネスを展開してほしいと歓迎する一方、自国企業による中国での投資拡大も後押しする姿勢を打ち出しています。
観光・教育・スポーツ…人の往来の拡大へ
経済分野に加えて、李強首相は「人と人との交流」の重要性も強調しました。観光、教育、スポーツ、若者交流、地方自治体レベルでの交流など、幅広い分野で協力を深めたいとしています。
具体的には、次のような方向性が示されました。
- 観光交流の拡大と相互訪問の増加
- 教育分野での連携や留学・共同研究の促進
- スポーツ交流や若者同士のプログラムの強化
- 都市間・地域間など、サブナショナル(地方レベル)の交流促進
- 往来手続きの円滑化など、国境をまたぐ移動の利便性向上
こうした取り組みを通じて、両国民の相互理解をさらに深めることを目指しています。
国連・G20での協調:多国間主義を支えるパートナーシップ
李強首相は、国連やG20など多国間の枠組みの中で、中国とイタリアが協調を強めていくことにも意欲を示しました。両国が国際社会のなかで広いコンセンサス(合意)を築き、多国間主義を支える仕組みを強化していきたいという考えです。
メローニ首相も、多国間の場で中国との意思疎通と協調をさらに深め、共に多国間主義を擁護していく用意があると述べました。G20サミットの場で確認されたこの姿勢は、グローバルな課題に対処するうえで、主要国同士の対話と協力が依然として重視されていることを示しています。
今回の動きは何を意味するのか
今回の中伊首脳会談は、単なる二国間の経済協力の話にとどまらず、国際ニュースとしていくつかのポイントを含んでいます。
- 中国側が「双方向の開放」を前面に出し、市場アクセスの拡大を約束したこと
- イタリア側が中国との包括的戦略パートナーシップを維持・強化する意思を改めて示したこと
- 経済だけでなく、人文交流や地方レベルの協力まで視野に入れていること
- 国連やG20といった多国間の枠組みで、両国が協力して多国間主義を支える姿勢を確認したこと
日本の読者への示唆
日本からこのニュースを見ると、いくつか考えさせられる点があります。
- 欧州の主要国が、中国との間で「双方向の開放」や戦略的連携の枠組みをどう設計しているのかを知ることで、世界の経済地図の変化をより立体的に捉えることができます。
- 観光・教育・若者交流など、人の往来を通じた関係強化は、数字で見える貿易額以上に長期的な影響を持つ可能性があります。
- 国連やG20などの場で、多国間主義をどう支えていくのか。その一つの事例として、中伊協力のあり方を考えることができます。
通勤時間やスキマ時間に国際ニュースをフォローする読者にとっても、今回の中伊首脳会談は、世界経済の流れや各国の対中外交の方向性を読み解くヒントになりそうです。
Reference(s):
Chinese premier pledges to promote two-way opening up with Italy
cgtn.com








