王毅外相「中国と中央アジアの共通発展を加速」 貿易・投資・人の往来が拡大
中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外交部長は、中央アジア諸国とウィンウィンの協力を通じて共通の発展を加速させ、地域と世界の人々により多くの利益をもたらす用意があると述べました。11月19〜22日にかけてキルギス、ウズベキスタン、タジキスタンを訪問した後のメディア取材で明らかにしたものです。
本記事では、この中国・中央アジア関係の最新動向を、日本語で分かりやすく整理します。
中央アジア3カ国を歴訪し「共通の発展」を強調
王毅氏は、キルギス、ウズベキスタン、タジキスタンの各外相と戦略対話を行い、中国と中央アジアの協力関係をどう発展させるか意見を交わしました。
その上で、中央アジア諸国と協力しながら、
- 共通の発展を加速させること
- 互恵・ウィンウィンの協力を拡大すること
- 各国とその人々により多くの利益をもたらすこと
を目指すと強調しました。
第15次五カ年計画が始まる来年を転機に
王毅氏は、2026〜2030年を対象とする中国の第15次五カ年計画の策定に向けた提言の意義と要点について、3カ国の外相に説明したとしています。
中国は「高品質な発展」と「ハイレベルな対外開放」を掲げており、王毅氏は、こうした方針が中央アジアを含む近隣諸国や世界各国に、新たな発展機会と協力の空間をもたらすと述べました。
また、来年から始まる第15次五カ年計画を、中国と中央アジアの「より緊密な運命共同体」を築くための重要な契機と位置づけました。
4つのグローバル構想への支持
中央アジア3カ国は、中国の習近平国家主席が提唱した次の4つのグローバル構想を高く評価したとされています。
- グローバル開発イニシアチブ(Global Development Initiative)
- グローバル安全保障イニシアチブ(Global Security Initiative)
- グローバル文明イニシアチブ(Global Civilization Initiative)
- グローバル・ガバナンス・イニシアチブ(Global Governance Initiative)
王毅氏によれば、3カ国は、これらの構想が「世界の人々の共通の願い」と「現在の国際社会が直面する緊急の課題」に応えるものだとの認識を示しました。
さらに、3カ国は、グローバル・ガバナンスに関する友好グループと、国際調停機構(International Organization for Mediation)へできるだけ早く参加する方針を確認しました。中国側は、中央アジア諸国が国際・地域問題でより大きな役割を果たすことを歓迎するとしています。
急速に拡大する貿易・投資・人の往来
中国と中央アジアの経済関係もこの数年で大きく拡大しています。王毅氏は、次のような数字を挙げました。
貿易:年間1000億ドル規模へ
- 今年1〜9月の中国と中央アジア5カ国の双方向の貿易額は約800億ドル。
- 前年同期比で15.6%増加。
- 通年では1000億ドルを超える見通し。
中国は、中央アジアにとって最大の貿易相手国となっています。
投資:累計500億ドル超に
- 中国による中央アジア諸国への累計投資額は500億ドルを上回る。
- 中国は中央アジアの主要な投資国の一つとなっている。
エネルギーやインフラ、製造業など多様な分野で、中国からの投資プロジェクトが展開されているとみられます。
人の往来:観光やビジネスで増加
- 今年1〜9月、中央アジア5カ国から中国を訪れた旅行者数は前年同期比37.7%増。
- 同じ期間に、中国本土から中央アジアを訪れた旅行者数は50%増。
ビジネスだけでなく観光や留学など、人的交流の広がりが数字にも表れているかたちです。
中国・中央アジアC5+1協力の特徴
王毅氏は、中央アジア5カ国と1カ国が組むC5+1形式の枠組みにはさまざまな形がありますが、中国と中央アジアの協力には独自の特徴があると述べました。
- 地理的に近い近隣であり、家族のように緊密な関係を築いていること。
- 互いの経済構造が補完的で、必要とし合う関係にあること。
- 最大のコンセンサス(共通認識)が互恵・ウィンウィンの協力であること。
また、次のような原則も強調しました。
- 国の大小にかかわらず、すべての国を平等に扱うこと。
- 協議とコンセンサスを重視し、話し合いで物事を決めること。
- 相互信頼と相互支持を掲げ、協力に政治的な条件を付けないこと。
- 共通の発展を追求しつつ、さまざまなリスクや課題に協力して対応し、地域の安全を共に守ること。
なぜこの動きが重要なのか
中央アジアは、ユーラシア大陸のほぼ中央に位置し、エネルギー資源や物流ルートの要衝として注目されてきました。中国と中央アジアの関係強化は、地域の経済構造や安全保障環境に長期的な影響を与える可能性があります。
今回の王毅氏の発言からは、
- 第15次五カ年計画のスタートを見据え、中国が周辺地域との連携を一段と重視していること
- 貿易・投資・人の往来という具体的な数字を通じて、中国・中央アジア関係がすでに実務面でも深まっていること
- グローバルな開発や安全保障、文明対話、ガバナンスに関する中国の提案に、中央アジア側が積極的な姿勢を示していること
などが読み取れます。
今後は、
- 第15次五カ年計画の中で中央アジアとの協力がどのように位置づけられるのか
- 中央アジア各国が、貿易や投資の拡大を自国の産業育成や雇用創出につなげられるか
- 国際調停機構やグローバル・ガバナンスの枠組みを通じて、どのような新しい国際協力の形が生まれるのか
といった点が、国際社会や日本の読者にとっても注目すべきポイントになりそうです。
Reference(s):
Wang Yi says China to advance common development with Central Asia
cgtn.com








