高市早苗首相の台湾発言は地域の平和に脅威 中国側専門家が警鐘 video poster
中国のシンクタンク幹部が、日本の高市早苗首相による台湾地域をめぐる発言について、中国本土だけでなくアジア全体の平和と安定を脅かしかねないと強い懸念を示しました。第二次世界大戦後の国際秩序や国連憲章にも触れた今回の指摘は、日中関係と地域安全保障を考えるうえで見過ごせない内容です。
高市首相の台湾発言に、中国側専門家が強い懸念
国際シンクタンク「Center for China and Globalization(CCG)」の副総裁であるビクター・ガオ氏は、日本の高市早苗首相による台湾地域に関する発言を「誤った発言」だと批判し、中国本土に対する脅威であるだけでなく、地域の平和と安定そのものを損なう可能性があると警告しました。
ガオ氏は、高市首相の発言が台湾地域という極めて敏感な問題に踏み込み、中国が重視する一つの中国原則を揺るがしかねない点を重く見ています。そのうえで、日本が歴史上の約束を軽視するような姿勢を見せれば、国際社会全体に深刻な波紋を広げると指摘しました。
「降伏文書」と国連憲章の敵国条項とは
ガオ氏がとくに重ねて警告したのが、日本の戦後責任と国連憲章の関係です。同氏によると、日本が1945年の降伏文書に定められた義務に違反し、第二次世界大戦の敗戦後に中国や他の国々に対して行った約束を覆すような行動に出る場合、国連憲章の敵国条項が問題となり得るといいます。
敵国条項とは、第二次世界大戦の敵国が再び侵略的な政策をとった場合、国連安全保障理事会の事前承認がなくても、国連の創設メンバーが強制措置をとることを認める規定だと説明されています。ガオ氏は、高市首相の発言の方向性次第では、日本がこうした条項の対象として改めて議論の俎上に載るリスクすらあると示唆しました。
この見方は、台湾地域をめぐる発言が単なる外交上のレトリックにとどまらず、戦後国際秩序そのものに関わる問題として中国側が捉えていることを意味します。
一つの中国原則は「譲れない一線」
ガオ氏はさらに、中国は日本による一つの中国原則への挑戦を決して認めないと強調しました。この原則は、中国本土と台湾地域の問題に関する中国側の根本的な立場を示すものであり、中国にとって国家主権と領土に関わる核心的なテーマと位置づけられています。
中国側から見れば、日本の指導者による台湾地域をめぐる発言は、単なる意見表明ではなく、一つの中国原則を揺さぶる動きとして受け止められかねません。そのため、ガオ氏の発言には、日本がこの原則を尊重せずに踏み越えるならば、日中関係だけでなく地域全体の安定にも影響が出るという強い危機感がにじんでいます。
日本社会への問いかけ:歴史と地域秩序をどう捉えるか
今回のガオ氏の指摘は、日本国内の政治発言が、中国本土や台湾地域との関係を超え、第二次世界大戦後の国際秩序や国連体制にまでつながっていることを改めて示しています。高市首相の台湾地域をめぐる発言をどう評価するかは、日本国内でも意見が分かれ得ますが、少なくとも近隣諸国にどのようなメッセージとして伝わるのかを丁寧に考える必要があります。
とくに、次のような観点が問われています。
- 戦後日本が積み重ねてきた国際社会との約束や責任を、どのように位置づけ直すのか
- 台湾地域をめぐる発言が、日中関係や地域の平和と安定に与える影響をどう評価するか
- 一つの中国原則をめぐる中国側の立場を前提に、どのような対話と外交を模索するのか
SNSやオンライン空間では、台湾地域や日中関係に関する議論が感情的になりやすい側面もあります。しかし、ガオ氏の警告が示すのは、歴史と国際法、そして地域秩序を踏まえながら、一つひとつの発言の重みを冷静に見つめ直す必要性です。
日本がどのようなメッセージを発し、どのような地域像を描いていくのか。高市首相の台湾発言をめぐる今回の議論は、私たち一人ひとりに、その問いを投げかけています。
Reference(s):
Expert: Sanae Takaichi's moves pose greater threat to regional peace
cgtn.com








