エコ保護と観光が出会う海南省ダグアンバ貯水池 video poster
中国・海南省東方市の長フア川中流にあるダグアンバ貯水池(Daguangba Reservoir)は、水力発電や灌漑、生活用水の供給を担う一方で、自然景観を楽しめる観光地としても注目されています。インフラと環境保護、さらに観光をどう両立させるのか──その試みは、2025年の今を映すトピックでもあります。
中国・海南省の重要な水資源ダグアンバ貯水池
ダグアンバ貯水池は、海南省で2番目に大きい貯水池であり、同省最大の水利・水力発電プロジェクトと位置づけられています。長フア川の中流域に位置し、地域の水環境と暮らしを支える要となっています。
役割は一つではありません。電力を生み出す水力発電に加えて、周辺の農地への灌漑用水、都市や農村部への生活用水の供給など、複数の機能を兼ね備えた多目的ダムとして活用されています。
アジア最大級の土ダムが支える水力発電
ダグアンバ水力発電所の特徴は、そのスケールです。ダム本体は全長約6キロメートルにおよび、アジア最大の土ダムとされています。広大な堤体が湖面を囲み、その背後に形成された貯水池が、電力と水資源の安定供給を支えています。
こうした大規模な水利・発電プロジェクトは、地域の産業活動や日常生活を下支えするインフラであると同時に、気候変動が問題となる今、再生可能エネルギーの一つとしても存在感を高めています。
東方市の「天然の公園」としての顔
一方で、ダグアンバ貯水池は東方市の「天然の公園」とも呼ばれています。広い湖面と周囲の山々、緑地が一体となった景観は、訪れる人に静かな水辺の雰囲気を提供し、散策や自然観賞を楽しめる場となっています。
この景観の魅力から、世界各地から観光客が訪れるようになり、総合的な観光開発のポテンシャルを持つ場所として評価されています。水力発電や水資源管理の現場と、美しい自然景観が同居している点が、国際ニュースとしても興味深いポイントです。
エコ保護と観光の両立に向けた視点
多くの観光客を引きつける場所になればなるほど、環境への負荷をどう抑えるかが課題になります。ダグアンバ貯水池のように、水資源と発電、観光の役割を同時に担うエリアでは、エコ保護と観光のバランスが重要です。
例えば、次のような観点が鍵になります。
- 貯水池周辺の自然環境や生態系を守るための保全エリアの設定
- 観光客の受け入れ人数やエリアを調整し、過度な利用を避ける取り組み
- 環境に配慮した移動手段や施設運営の導入
- 訪問者に対する環境保護への啓発やマナーの呼びかけ
こうした視点は、ダグアンバ貯水池だけでなく、世界各地のダム湖やリゾート地にも共通するテーマです。自然を楽しみながら、その場の環境を次世代につなぐためのルールづくりと実践が求められています。
地域にもたらす新しいチャンス
ダグアンバ貯水池が「天然の公園」として注目されることは、地元の人々にとっても新しいチャンスになりえます。水力発電や灌漑による直接的な経済効果に加えて、観光が加わることで、サービス産業や関連ビジネスへの波及が期待されます。
一方で、急激な開発は自然環境や地域の生活リズムに影響を与えかねません。だからこそ、環境と経済のバランスを考えながら、一歩ずつ進めていくことが重要だといえます。
訪れる側として意識したいポイント
エコ保護と観光の両立は、施設側や行政だけでなく、訪れる一人ひとりの行動にも関わっています。もしダグアンバ貯水池のような場所を訪れる機会があれば、次のような点を意識したいところです。
- ごみは持ち帰る、または指定の場所に分別して捨てる
- 立ち入り禁止区域や保護エリアのルールを守る
- 水辺や植物、野生生物にむやみに触れない
- 静かな環境を保つため、大きな音や騒音を控える
こうした小さな配慮の積み重ねが、エコ保護と観光の両立を支える力になります。ダグアンバ貯水池が象徴するのは、インフラとしてのダムと、自然を楽しむ公園、そして環境保護という三つの顔をどう調和させていくかという、2020年代を象徴する課題でもあります。
水資源とエネルギー、そして観光。ダグアンバ貯水池の取り組みは、アジアの他の地域や世界の水辺のまちづくりを考える上でも、静かに示唆を与えてくれる存在といえそうです。
Reference(s):
Daguangba Reservoir: Where eco-protection meets scenic tourism
cgtn.com








