習近平氏の台湾発言を中国本土が強調 トランプ氏との電話会談の意味
中国の習近平国家主席が11月下旬にドナルド・トランプ米大統領と行った電話会談で「台湾問題」と第2次世界大戦の「勝利の成果」を強調し、その発言が中国本土の対台湾政策にとって指針になるとする見方が示されました。
北京で報道官が「指導的意義」を強調
2025年11月26日、北京で開かれた記者会見で、中国本土の国務院台湾事務弁公室の報道官・彭清恩(ポン・チンアン)氏が、習主席とトランプ大統領の電話会談について説明しました。
彭氏は、会談での習主席の発言が「中国本土の対台湾工作にとって大きな指導的意義を持つ」と述べ、台湾に関する政策の方向性を再確認するものだと位置づけました。
電話会談で習氏が示した「原則的立場」
彭氏によると、11月下旬の月曜夜に行われた電話会談で、習主席は台湾問題に関する中国の「原則的立場」を改めて明確にしました。
あわせて習主席は、中国とアメリカが第2次世界大戦の勝利の成果を共同で守る必要性を強調。歴史的な戦後秩序を重視する姿勢を、台湾問題と結びつけて示した形です。
80周年の節目と台湾
彭氏は会見で、2025年の今年が「中国人民の抗日戦争勝利と台湾の中国への復帰から80周年」にあたると指摘しました。
そのうえで、中国本土は次のような方針を掲げると説明しました。
- 台湾海峡両岸の同胞を団結させ、いわゆる「台湾独立」を掲げる分離主義的な動きに断固反対する
- 両岸関係(クロスストレイト)の平和的な発展を推進する
- 台湾海峡の平和と安定を維持する
- 中華民族全体の長期的な福祉を実現する
これらは、中国本土が従来から掲げてきた方向性を、80年という歴史の節目にあらためて打ち出したものといえます。
台湾海峡と米中関係に投げかけるメッセージ
今回の電話会談とその後の説明からは、次のようなメッセージが読み取れます。
- 台湾問題は、中国にとって歴史と主権に関わる核心的なテーマであることを、米国側にあらためて伝えた
- 第2次世界大戦の「勝利の成果」を強調することで、戦後の国際秩序を引き合いに出しつつ、自らの立場の正統性を訴えた
- 台湾海峡の安定や両岸の平和的発展を掲げることで、地域全体の平和と発展を重視する姿勢を示した
特に「台湾海峡両岸の同胞を団結させる」という表現からは、中国本土が台湾の人々との交流や協力を通じて、長期的な関係づくりを進めたいという意図もうかがえます。
日本にとっての読み解きポイント
日本にとっても、台湾海峡の安定と米中関係の行方は、経済や安全保障の面で無関係ではありません。
今回の習主席の発言と彭氏の説明は、
- 台湾海峡情勢をめぐる中国本土の基本姿勢が、今後もしばらく維持される
- 歴史認識と戦後秩序が、台湾問題を語るうえで重要なキーワードになっている
ことを示すシグナルとして受け止めることができます。
80年という節目の年に、中国本土がどのように台湾問題と向き合い、米国との対話を続けていくのか。日本としても、静かに注視していく必要がありそうです。
Reference(s):
Spokesperson underscores Xi's remarks on Taiwan in call with Trump
cgtn.com








