中国の宇宙船「神舟22号」が天宮に到着 無人補給と帰還船の役割 video poster
中国の宇宙船「神舟22号」、天宮とのドッキングに成功
中国の宇宙船「神舟22号」が火曜日、宇宙ステーション「天宮(Tiangong)」に向けて打ち上げられ、およそ3時間後に無事ドッキングしました。中国有人宇宙局(CMSA)によると、今回のミッションは国際ニュースとしても注目される、中国の宇宙開発の最新動向です。
打ち上げからドッキングまで約3時間
神舟22号は、中国北西部にある酒泉衛星発射センターから、長征2F Y22ロケットによって打ち上げられました。現地時間の12時11分(北京時間)に離昇し、3時間足らずのフライトののち、15時50分には宇宙ステーション中枢となる「天和」コアモジュール前方のドッキングポートに到着しました。
打ち上げからおよそ3時間でのドッキングは、運用手順が高度に確立されていることを示すものでもあります。地上からの精密な管制と、宇宙船側の自動制御システムが組み合わさることで、短時間でのランデブーが可能になっています。
無人で運ぶ「生命線」 医療物資から生鮮食品まで
今回の神舟22号にはクルーは搭乗しておらず、無人宇宙船として運用されています。その代わりに、宇宙ステーションで暮らすクルーにとって欠かせない物資が積み込まれました。
- 医療物資などの必需品
- 新鮮な果物や野菜といった生鮮食品
- 宇宙船の窓を修理するための専用機器
特に、現在ステーションにドッキングしている宇宙船「神舟20号」の窓にひびが入っていることから、その修理に必要な装置が送られた点は重要です。長期滞在するクルーの安全確保のため、こうしたメンテナンス能力を維持することは欠かせません。
神舟21号クルーの「帰りの足」として
神舟22号は物資補給だけでなく、今後、現在軌道上にいる神舟21号の3人の宇宙飛行士の帰還船としても使われる予定です。先に帰還船を送り込んでおくことで、クルーは常に「帰りの足」を確保しながら任務を続けることができます。
これは、長期ミッションにおけるリスク管理の一つの形とも言えます。予期せぬトラブルが発生した場合でも、地上と軌道上の両方で複数の選択肢を持つことで、安全性と柔軟性を高める狙いがあると考えられます。
スペースデブリがもたらした予定変更
今回の打ち上げの背景には、これまでのミッションで起きたトラブルもあります。神舟20号のクルーは、本来であれば11月5日に帰還する予定でしたが、宇宙船がスペースデブリ(宇宙空間を漂う破片)と衝突したことで、帰還が遅れることになりました。
最終的にクルーは、神舟21号宇宙船に乗り換える形で11月14日に帰還しました。その後に行われたのが、今回の神舟22号の打ち上げです。宇宙空間での予測しづらいリスクに対応するため、ミッション計画を柔軟に組み替えていく運用姿勢がうかがえます。
中国の宇宙開発にとって何を意味するのか
神舟22号の打ち上げと天宮とのドッキングは、中国の宇宙開発が「建設」フェーズから「安定運用」フェーズへと移りつつあることを印象づけます。補給、メンテナンス、クルーの交代と帰還を一体で設計し、途切れなく回していくことが、宇宙ステーション計画を支える鍵だからです。
今回のミッションでは、
- 短時間でのドッキングに象徴される運用技術の成熟
- 物資補給と安全確保を両立させるロジスティクス(物流)
- スペースデブリによるトラブルを踏まえたリスク管理
といった要素が同時に浮かび上がりました。国際ニュースとして見ても、地球低軌道での活動が日常化しつつある今、各国・各地域の宇宙計画は、安全と持続性をどう確保するかという共通の課題に向き合っています。
その中で、神舟22号のミッションは、中国が自らの宇宙ステーションを安定して運用し続けるための一歩を示す出来事だと言えるでしょう。
Reference(s):
China launches Shenzhou-22 spaceship to Tiangong space station
cgtn.com








