中国、フランスに中国・EU関係の健全な発展への役割期待
中国の王毅外相は、フランス大統領の外交顧問エマニュエル・ボン氏との電話会談で、フランスが中国・米国関係を「正しい軌道」に乗せつつ、中国・EU関係の健全な発展も後押しする役割を果たすことへの期待を示しました。国際秩序や世界経済に大きな影響を持つ三者の関係を、どのように安定させていくのかがあらためて問われています。
王毅外相、フランスに「健全な発展」への役割を期待
電話会談の中で、王毅外相はフランス側に対し、次のようなポイントを強調しました。
- フランスが、中国・米国関係の健全な発展を「正しい軌道」で促してほしいこと
- フランスがEUの中で、中国に対して前向きで理性的な政策を取るよう働きかけてほしいこと
- 中国とEUの関係では、「パートナーシップ」という基本原則を堅持するべきだとしたこと
- 経済・貿易分野での違いや摩擦は、対話と協議を通じて適切に処理すべきだと訴えたこと
王外相は、EUが中国との関係をめぐって慎重な議論を進める中でも、協力の余地と相互利益を重視する姿勢を保つよう呼びかけた形です。経済・貿易の違いを対話で解決すべきだと強調した点からは、対立よりも調整とルールづくりを優先してほしいという中国側のメッセージが読み取れます。
なぜフランスに期待するのか
中国がフランスに特に期待を寄せる背景として、次のような点が挙げられます。
- フランスはEUの中で中心的な加盟国の一つであり、中国・EU関係の方向性に影響力を持つこと
- 国連安全保障理事会の常任理事国として、米国との関係でも一定の発言力があること
- 欧州の中で「戦略的自律性」、つまり自らの判断で外交・安全保障政策を決める考え方を重視してきたこと
王外相が「前向きで理性的な対中政策」を求めたのは、フランスがEU内の議論を方向づける存在だと見ているからだといえます。また、中国・米国関係の安定にもフランスが橋渡し役を果たすことを期待している、と受け止めることができます。
経済・貿易の違いをどう処理するのか
今回の電話会談で王外相が、「経済・貿易の違いを対話と協議で処理すべきだ」と強調したことは、中国とEUの関係の現状を象徴しています。市場アクセスや産業政策、環境やデジタルなど、新しい分野でルールをどう整えるかをめぐって意見の違いが生まれやすい状況にあるためです。
中国側が対話重視の姿勢を前面に出したことは、摩擦の激化を抑え、双方にとって予見可能性の高いビジネス環境を維持したいという意図とも読み取れます。フランスがこのプロセスでどのような調整役を担うのかが、今後の焦点の一つになりそうです。
日本とアジアにとっての意味
中国・EU関係や中国・米国関係の安定は、日本やアジアの経済・安全保障にも直結します。特に次のような点で、三者の関係の行方は無視できません。
- 世界のサプライチェーン(供給網)の安定と再構築
- エネルギー・環境分野でのルールづくりと技術協力
- ハイテクやデジタル分野での国際的な標準づくり
これらの分野で協力が進めば、企業活動の先行きは読みやすくなりますが、対立が強まれば不確実性が増します。フランスがどのような外交スタンスを取り、中国とEUがどの程度「パートナーシップ」の枠組みを維持できるのかは、日本企業や投資家にとっても重要な国際ニュースです。
これから何を注視すべきか
今回の電話会談は、中国とフランスという二国間のやり取りにとどまらず、中国が欧州にどのようなメッセージを送っているのかを読み解く手がかりでもあります。フランスがEUの対中政策をどう方向づけるのか、中国・米国・EUという三つの大きなプレーヤーの関係がどのようなバランスを模索していくのかが、今後の焦点です。
ニュースを追う私たちにとっては、外交の一つ一つのメッセージが、貿易、雇用、物価といった日常のテーマとどこでつながるのかを意識してみることが、国際ニュースを自分ごととして捉える第一歩になりそうです。
Reference(s):
China hopes France promotes healthy development of China-EU relations
cgtn.com







