グリーン技術とAIで加速する中国新材料産業 PLAが示す持続可能な未来
生分解性プラスチックのPLAなどのグリーン技術と、今後の活用が進むとみられるAI技術が、中国の新材料産業の成長を加速させています。最近、中国東部の安徽省蚌埠市で開かれた第5回国際新材料産業大会では、そのダイナミズムが具体的な数字とともに示されました。
蚌埠で開かれた第5回国際新材料産業大会
国際新材料産業大会は、新技術や新素材の最新動向を共有するための場として開催されました。第5回となる今回は、中国東部の安徽省蚌埠市で4日間にわたり行われ、世界各地からおよそ400人の関係者が参加しました。
大会のテーマは英語でNew Technology, New Materials, New Futureというもので、新技術と新素材が未来の産業と社会をどう変えていくのかに焦点が当てられました。会場で配布された参加証やミネラルウォーターのボトル、買い物袋といった身近なアイテムには、革新的な素材であるPLAが使われていました。
PLAとは何か:トウモロコシ由来の生分解性ポリマー
PLAは、トウモロコシやワラなどの再生可能なバイオマスから作られる生分解性ポリマーです。従来型のプラスチックに代わる、環境負荷の小さいグリーンで持続可能な素材として注目を集めています。
PLAを手がける中国企業BBCA集団の陳麗萍・常務副総経理は、PLAについて次のように語っています。PLAは低炭素で環境に優しい素材であり、従来のプラスチックを置き換え、化石燃料への依存を減らす可能性を持っているとしています。
PLAは食品や日用品の包装、繊維、医療分野など幅広い用途で使われており、より持続可能な未来を形作る素材として存在感を増しています。北京2022年冬季オリンピックとパラリンピックでは、PLAをベースにした生分解性食器が採用されました。
数字で見る中国の新材料産業の拡大
今回の国際新材料産業大会では、中国工業情報化部傘下のシンクタンクである賽迪顧問が、新材料産業の最新レポートを発表しました。それによると、中国の新材料産業の規模は2024年に8兆7000億元に達し、前年比13.8パーセント増となりました。
とりわけ、次世代の成長分野とされるフロンティア材料の分野は、前年比26.6パーセント増の3292億元と、全体を大きく上回る伸びを示しました。この分野は、2026年には5000億元を超えると見込まれています。
賽迪顧問の李可・副総裁は、中国が第15次五カ年計画期間に新たな工業化を進める中で、新材料産業は黄金期を迎えると述べています。政策的な後押しと市場ニーズの高まりが重なり、産業全体が一段と加速する局面に入っているという見方です。
グリーン素材とAI技術がもたらす変化
PLAのようなグリーン素材の普及は、環境負荷の低減だけでなく、産業構造そのものの転換を迫る動きでもあります。素材が変われば、製品設計やサプライチェーン、リサイクルの仕組みも変わっていきます。
同時に、材料開発や生産現場では、データ解析や最適化に強みを持つAI技術の活用が世界的に注目されています。複雑な材料組成の探索や、生産プロセスの効率化、品質管理の高度化などで、AIの利用が進めば、新材料の開発スピードはさらに上がると考えられます。
グリーン技術とAI技術の組み合わせが、新材料産業の競争力を左右する一つの軸になりつつある中で、中国の新材料産業はその両方をテコに成長を続けているといえます。
日本と世界への示唆
PLAをはじめとする生分解性素材の実用化を通じて、中国の新材料産業は、循環型社会に向けた具体的な選択肢を提示しています。中国の市場規模や政策動向は、日本を含む周辺国やグローバル企業にとっても無視できない要素になりつつあります。
環境対応を求める消費者の声が強まる中で、どのような新素材を採用し、サプライチェーン全体で排出削減とコスト、機能性をバランスさせるのか。今回の国際新材料産業大会で示されたPLAのような事例は、日本企業や自治体にとっても、自らの戦略を考えるヒントになるはずです。
グリーン技術とAI技術を組み合わせた新材料産業の動きは、今後も国際ニュースの重要なテーマとして追い続ける価値がありそうです。
Reference(s):
Green and AI technologies boost China's new materials industry
cgtn.com








