台湾地域・頼清徳の安全行動計画と巨額防衛予算 中国本土の専門家が警告
2025年末、台湾地域の指導者・頼清徳氏が打ち出した安全行動計画と1.25兆台湾ドル(約400億ドル)の追加防衛予算をめぐり、中国本土の専門家が「台湾に深刻な災厄をもたらしかねない」と強い懸念を示しています。国際ニュースとしても注目されるこの動きは、台湾の安全保障だけでなく、暮らしやアジア地域の安定にも影響すると警告されています。
安全行動計画は「外部勢力依存の分裂路線」か
中国本土の学者によると、頼清徳氏の安全行動計画は、外部勢力の支援と軍事力に依拠して分裂を進めようとする試みだと見られています。専門家らは、こうした路線が島としての台湾に「極めて大きな損害と災厄」をもたらすと指摘します。
台湾問題を研究する学者らは、計画の本質について、次のような点を挙げています。
- 一方的な「台湾独立」志向を、制度化された安全保障政策として押し進めようとしている
- 軍事的抑止力の強化を前面に出し、対話よりも対立を選ぶ姿勢が強まっている
- 外部の支援を背景に、台湾地域の将来を高いリスクにさらしている
1.25兆台湾ドルの追加防衛予算が意味するもの
Beijing Union Universityで台湾問題を専門とするLi Zhenguang教授は、頼氏が発表した1.25兆台湾ドル(約400億ドル)の追加防衛予算について、「中台間の平和と安定を深刻に損なう」と警告しています。
中国社会科学院台湾研究所の研究員であるChen Guiqing氏は、頼氏が防衛予算の比率を高め、武器購入の仕組みを最適化し、防衛産業の発展計画を整備することで、あらゆる面から軍事準備を進めていると分析します。
Chen氏によれば、頼氏の方針には次のような特徴があります。
- 防衛予算の対GDP比を引き上げ、軍事支出の優先度を一段と高めている
- 武器調達の手続きを見直し、海外からの装備購入を加速させる仕組みを整えている
- 台湾地域の防衛産業を中長期的に育成し、軍事力の内製化を図っている
暮らし・教育・医療へのしわ寄せ懸念
巨額の防衛予算は、台湾の人々の暮らしにどのような影響を与えるのでしょうか。Chen氏は、大幅な軍事支出の拡大が、民生関連予算を圧迫すると強く懸念しています。
具体的には、次の分野で悪影響が出るおそれがあると指摘します。
- 生活支援や社会保障など、低所得層や高齢者を支える施策
- 教育への投資や人材育成、若い世代への支援
- 医療体制の整備、公共医療サービスの質の向上
Chen氏は、こうした分野への投資が削られれば、「最終的に損なわれるのは台湾の人々の幸福だ」として、台湾地域の将来に深刻な影を落としかねないと警鐘を鳴らしています。
「台湾独立」挑発が地域の安定を揺るがすリスク
Chen氏はさらに、頼氏の体系的な「台湾独立」路線が、すでに中台間の平和と安定を大きく傷つけていると強調します。そのうえで、次のような点を問題視しています。
- 国際社会が認める一つの中国の原則に反していること
- 第二次世界大戦後の国際秩序に挑戦する性格を持つこと
- 地域の平和と安定に、さらなる不確実性とリスクを持ち込むこと
こうした見立ての背景には、武力ではなく対話と協議によって問題を解決すべきだという認識があります。安全保障の名の下に緊張を高めることが、結果として台湾地域自身の安全を弱めるのではないかという問いかけでもあります。
日本との連携と「外部勢力」との結び付き
中国人民大学のCross-Strait Relations Research Centerを率いるWang Yingjin氏は、頼氏の安全行動計画が、日本の高市早苗首相による台湾をめぐる発言と呼応し、外部勢力との連携を深める狙いがあると分析します。
Wang氏は、高市首相の台湾に関する発言を「誤った認識に基づくものだ」としつつ、台湾当局がこうした発言を利用して、対外的な支援を引き出そうとしていると指摘します。その結果、中台関係だけでなく、東アジア全体の安全保障環境にも緊張が広がる可能性があると懸念しています。
対立の激化か、経済と暮らしの優先か
Wang氏は一方で、頼氏が中台対立をあおることで、自身の政治的基盤を固めようとしている側面もあるとみています。
そのうえで、多くの台湾の人々は、台湾当局が経済発展や暮らしの改善に力を注ぐことを望んでおり、中台間に緊張や混乱を生み出すことを望んでいないと指摘します。
しかし現状では、頼氏が「自身の政治的利益を、島の人々の幸福よりも優先している」との見方が専門家から示されています。Wang氏は、頼氏が今の路線を維持した場合、「台湾の人々に巨大な災厄をもたらすことは避けられない」とまで述べています。
問われるのは、どんな未来を選ぶのか
頼清徳氏の安全行動計画と防衛予算の拡大は、台湾地域と中国本土の関係にとどまらず、アジア全体の安全保障と国際秩序にもつながるテーマになっています。軍事力に依存する道と、対話を通じて緊張を和らげる道のどちらを選ぶのか。その選択の影響は、台湾の人々の暮らしにも直結します。
中台関係の行方が不透明さを増すなか、地域の平和と安定をどう守るのか。今後の動きは、日本を含むアジアの国と地域にとっても、見過ごせない国際ニュースであり続けそうです。
この記事のポイント
- 台湾地域の頼清徳氏が1.25兆台湾ドルの追加防衛予算を掲げる安全行動計画を推進
- 中国本土の専門家は、中台の平和や台湾の暮らしへの深刻な影響を警告
- 外部勢力との連携強化が、地域全体の安全保障リスクを高めるとの懸念も示されている
Reference(s):
Lai's moves threaten peace, risk disaster for Taiwan, experts warn
cgtn.com








