中国の国家公務員試験、年齢上限引き上げ後初の実施 約370万人が受験
中国で、受験年齢の「35歳の壁」を超えて上限を引き上げてから初めてとなる国家公務員試験が実施されました。約370万人が受験し、平均倍率はおよそ98倍とされています。2025年12月8日現在、この動きは就職市場の年齢制限を見直す動きとして注目されています。
約370万人が受験、平均98倍の狭き門
中国の中央当局とその直属機関で働く公務員を採用するこの国家公務員試験には、今年、約370万人が出願しました。用意された採用枠に対し、1つのポストを平均して約98人が争う計算になります。
募集ポストの約7割は、新卒の大学卒業者向けに確保されていると当局は説明しています。大学卒業後すぐに安定した職を得たいと考える若者にとって、公務員は依然として魅力の高い進路であることがうかがえます。
- 受験者数:約370万人
- 平均倍率:約98倍(1ポストあたり)
- 募集枠の約7割が新卒大学卒業者向け
年齢上限を38歳・43歳に引き上げ、「35歳の壁」に変化
当局によると、中国は今回、国家公務員試験の受験年齢上限を原則35歳から38歳へと引き上げました。多くの業界で見られるとされる「35歳の壁」を超える取り組みとして、歓迎する声が上がっています。
さらに、修士号や博士号を持つ新卒者については、受験年齢の上限が43歳まで緩和されました。高学歴人材が研究や進学などで社会に出るタイミングが遅くなりがちな点を踏まえ、経験や専門性を公務部門でも生かしやすくする狙いがあるとみられます。
- 一般の受験者:上限38歳
- 修士・博士課程を出た新卒者:上限43歳
- 年齢制限の緩和が「35歳の壁」を見直す動きとして注目
新卒重視と多様なキャリア、どう両立させるか
今回の国家公務員試験では、年齢上限の緩和と同時に、募集枠の約7割を新卒者向けに設定している点も特徴です。
一方で、年齢上限が38歳(大学院修了の新卒者は43歳)まで広がったことで、民間企業や別の公的機関で経験を積んだ人材にも、公務員として再チャレンジする道が開かれました。
こうした動きは、キャリアの「やり直し」や転職をしやすくし、人材を一つの年齢レンジに固定しない働き方につながる可能性があります。中国の公務員試験制度の変化は、年齢と雇用の関係をどう捉えるかという点で、他国にとっても参考になる部分がありそうです。
日本への示唆:年齢にとらわれない採用は広がるか
日本でも、転職市場の拡大やジョブ型雇用(職務を軸とした採用)の広がりとともに、年齢よりもスキルや経験を重視する採用への関心が高まっています。一方で、実際の求人票や採用慣行では、依然として年齢の目安が事実上存在していると指摘されることもあります。
中国の国家公務員試験で見られたような、明確な年齢上限の引き上げや、学歴・キャリアに応じた柔軟な基準づくりは、今後、日本の公務員採用や民間企業の採用を考えるうえでも、一つの比較軸になるかもしれません。
年齢ではなく「何ができるか」「社会にどう貢献できるか」を軸とした採用へと、実際にどこまでシフトできるのか。今回の中国の動きは、アジアの雇用のあり方を考えるうえで、静かに問いを投げかけています。
Reference(s):
China holds first national civil service exam since raising age cap
cgtn.com








