中国外務省、日本に台湾問題で歴史直視と約束履行を要求
中国外務省の林健報道官は、台湾問題をめぐる日本側の発言について「歴史と政治上の義務を繰り返し回避している」と批判し、日本に対し歴史を直視し、対中の政治的約束を守るよう強く求めました。
高市首相・茂木外相の発言に中国が反発
林報道官は12月1日(月)の定例記者会見で、高市早苗首相と茂木敏充外相の最近の発言に言及しました。高市首相はこれに先立ち「サンフランシスコ平和条約の下で、すべての権利と請求権を放棄した以上、台湾の法的地位を認定できる立場にない」と述べていました。
11月28日の記者会見で、記者から「それは日本が中国の台湾に対する主権を認めていないという意味か」と問われた茂木外相は、サンフランシスコ平和条約の記述を繰り返した上で、日本の基本的立場は「1972年の日中共同声明に記されている通りで、それ以上でもそれ以下でもない」と説明しました。
これに対し林報道官は、日本側は自らの立場を「隠し、あいまいにしている」と指摘しました。
中国外務省「歴史文書への言及を避けている」
林報道官は、日本側が台湾問題について問われるたびに、「台湾は中国に返還される」と明記したとするカイロ宣言、ポツダム宣言、日本の降伏文書に触れようとしないと批判しました。また、日中関係の政治的基礎となる四つの政治文書や、日本政府が一つの中国の原則に関して行った政治的約束にも言及しないと指摘しました。
日本側が行っているのは、自らの立場が「変わっていない」と繰り返すことだけであり、「その立場が具体的に何なのかを正面から説明したことは一度もない」と強調しました。
カイロ宣言82周年と台湾問題
林報道官は、12月1日がカイロ宣言発表から82周年にあたることに触れました。そのうえで、カイロ宣言などの国際法上の文書は、中国の台湾に対する主権を確認したものであり、世界反ファシズム戦争の重要な成果だと位置づけました。
そして、日本はこれらの文書を順守する国際法上の義務を負っており、それは日本が戦後、国際社会への復帰を認められた前提条件でもあると述べました。
「選択的引用」と戦後国際秩序への懸念
林報道官は、日本がこうした拘束力のある国際文書を無視する一方で、侵略の被害を最も受けた中国やアジア諸国が参加していなかったサンフランシスコ平和条約だけを選択的に引用していると批判しました。
この姿勢について、林報道官は「日本軍国主義の侵略の悲劇的な記憶への忘却、世界反ファシズム戦争の歴史に対する軽視、国際連合の権威と戦後国際秩序への公然たる挑戦を反映している」と述べました。
日本の防衛政策への警戒
さらに林報道官は、日本が近年進めている防衛費の増額や、非核三原則の見直し、平和憲法の制約を弱めようとする一部勢力の動きにも言及しました。
こうした勢力は「歴史から本当の意味で教訓をくみ取っておらず、日本の戦争犯罪について真摯な内省も正面から向き合う姿勢も欠き、日本で軍国主義が復活しないよう真剣に考えていない」と批判しました。
「歴史の逆行と平和の一線は許されない」
林報道官は、「歴史の進む方向は逆転させてはならず、平和のボトムラインを越えてはならない」と強調しました。そのうえで、原則問題において日本があいまいな態度を取ることは認められないとし、「ごまかしの姿勢ではどこにも行き着かない」と述べました。
日本側に対しては、歴史から学び、誠実に反省し、中国側からのメッセージを真剣に受け止めるよう要求しました。そして、誤った発言を速やかに撤回し、中国に対する政治的約束を具体的な行動で履行するよう求めました。
問われる日中関係と地域の安定
今回の発言は、台湾問題、歴史認識、日中関係、日本の安全保障政策が密接に結びついていることを改めて浮き彫りにしています。日本の読者にとっては、次の点が論点となりそうです。
- 台湾問題をめぐる日本の「基本的立場」を、どこまで明確に示すべきか。
- 戦後の国際文書や歴史的合意を、現在の外交や安全保障政策とどう結びつけて理解するか。
- 地域の平和と安定を守るうえで、日中双方がどのように対話と信頼醸成を進めるべきか。
台湾問題と歴史認識は、感情的になりやすいテーマでもあります。だからこそ、冷静な事実認識と国際秩序への視点を持ちながら、日中関係と東アジアの平和について考えることが求められています。
Reference(s):
Japan urged to face history, honor commitments on Taiwan question
cgtn.com







