中国AI企業DeepSeek、新AIモデルでGPT-5級性能 国際ニュース解説
中国のAIテック企業DeepSeekが、新しい大規模言語モデルDeepSeek-V3.2と、その高性能版DeepSeek-V3.2-Specialeを月曜の夜に正式発表しました。GPT-5やGemini-3.0-Proと肩を並べる、あるいは上回るとされる性能で、2025年の生成AI競争に新たな強力プレーヤーが現れたかたちです。
DeepSeek-V3.2とはどんなモデルか
同社によると、DeepSeek-V3.2は強力な強化学習プロトコルと、学習後に追加で計算資源を投入するスケーリング手法を組み合わせることで、GPT-5と同等の性能を実現したとされています。計算効率を高めつつ、推論能力やエージェント(自律的にタスクをこなすAI)としての性能のバランスを取ったのが特徴です。
V3.2-SpecialeはGPT-5超えとされる高性能版
高計算リソース版となるDeepSeek-V3.2-Specialeは、同社が公開したレポートによればGPT-5を上回るスコアを示し、推論能力はGemini-3.0-Proに近い水準に達したとされています。このSpecialeモデルは、より大きな計算資源を前提に設計されており、複雑な推論や長いコンテキストを扱うタスクで力を発揮する位置付けです。
生成AIをめぐっては、2025年8月にOpenAIがGPT-5を、11月にGoogleがGemini-3.0-Proをそれぞれ発表しており、世界の大手テック企業によるモデル競争が一段と激しくなっています。そこにDeepSeekが新モデルを投入したことで、国際的なAI勢力図にさらなる変化が生まれつつあります。
国際数学オリンピックと情報オリンピックでの成果
DeepSeek-V3.2-Specialeは、2025年のInternational Mathematical Olympiad(国際数学オリンピック)とInternational Olympiad in Informatics(国際情報オリンピック)の両方でトップクラスの成績を収めたと報告されています。近年、多くのAIモデルがこれらの国際大会の問題をベンチマークとして用いており、高得点は数学的な推論力やアルゴリズム設計能力の高さを示す指標の一つとされています。
もちろん、こうした競技問題での成績だけでAIの能力のすべてが測れるわけではありませんが、論理的な思考やステップごとの推論が求められるタスクにおいて、DeepSeekの新モデルが世界最先端レベルにあるという同社の主張を裏付ける材料になっています。
鍵となる技術 DeepSeek Sparse Attention
今回の性能向上を支える技術として、DeepSeekは独自のDeepSeek Sparse Attentionメカニズムを挙げています。これは、長い文章や大量のコンテキストを扱う際に、重要な情報に計算資源を集中させることで、計算量を大きく削減しながらモデル性能を保つことを狙った仕組みです。
- 長いコンテキストでも計算量の増加を抑える
- 重要な単語や文節に優先的に注意を向ける
- 低コストでの推論を可能にしつつ、精度を維持する
従来の大規模モデルは、コンテキストが長くなるほど計算量が急増し、実運用でのコストが課題となってきました。Sparse Attentionのような工夫は、長文の要約や大規模なコードベースの解析など、ビジネス現場の実務に直結する用途で重要性が増しています。
急成長するDeepSeekというプレーヤー
DeepSeekは2023年7月に設立された比較的新しい企業ですが、大規模言語モデルやマルチモーダルAI(文章・画像・音声などを横断して扱う技術)の研究開発に特化してきました。設立から比較的短期間で、GPT-5やGemini-3.0-Proと並び立つとされるモデルを打ち出したことになり、AIスタートアップとしての存在感を急速に高めています。
私たちの仕事や社会に何をもたらすか
DeepSeek-V3.2シリーズのように、推論力と計算効率を両立したモデルが増えると、企業や開発者が選べるAIの選択肢は一気に広がります。高価な計算資源を持たない組織でも、高度なエージェントや自動化ツールを利用しやすくなる可能性があります。
一方で、人間の専門家の判断や創造性とAIの役割分担をどのように設計するのかという問いは、ますます重要になります。国際ニュースとしてのAI競争の行方を追いながら、私たち一人ひとりも、どのタスクをAIに任せ、どこから先を自分で考えるのかをアップデートしていく必要がありそうです。
Reference(s):
DeepSeek launches new AI models with top efficiency and performance
cgtn.com








