新疆ウルムチで中央アジア経済協力フォーラム 貿易と接続強化へ
中国の新疆ウイグル自治区ウルムチで、中央アジアとの経済協力をテーマにした「天山フォーラム(Tianshan Forum for Central Asia Economic Cooperation)」が火曜日に開幕しました。貿易、インフラ、エネルギー、デジタル分野で中国と中央アジアのつながりをどう強めるかが議論されています。
新疆ウルムチで天山フォーラム開幕
今回の国際フォーラムには、中央アジア地域経済協力(CAREC)の参加国から、政府関係者や金融機関、シンクタンク、民間企業など300人超が集まりました。2日間の日程で、中央アジア経済協力をめぐる最新の課題と機会について意見を交わします。
フォーラムのテーマは「中央アジアにおける接続性と投資の解放」。議論の焦点は次の四つの領域です。
- 貿易と投資の促進
- 輸送インフラと物流の改善
- エネルギー協力の拡大
- デジタル接続の強化
CARECが進める「つながる中央アジア」
開幕式であいさつした中国の藍佛安(ラン・フォアン)財政相は、CARECの枠組みの下での協力が大きく進展してきたと評価したうえで、「協力の規模と深さをさらに拡大し、参加国の人々により大きな利益をもたらすべきだ」と呼びかけました。
フォーラムを主催したCAREC研究所のチャリムハメット・シャリイェフ所長は、「天山フォーラムは、政策決定者、民間セクター、開発パートナー、研究者をつなぐ橋として、共通の課題解決に貢献する」と強調しました。
CAREC研究所は2015年にウルムチに物理拠点を設置して以来、180本以上の研究を実施し、150の研修プログラムを通じてCAREC参加国の政府職員2000人超の能力向上を支援してきたといいます。今回のフォーラムは、そうした研究や人材育成の成果を踏まえた政策対話の場とも位置づけられます。
パキスタンが語る新たな成長エンジン
パキスタンのアハサン・イクバル連邦計画・開発・特別イニシアチブ担当相も登壇し、現在の国際環境が大きな転換点を迎える中で、中央アジアと南アジアが世界経済の成長をけん引する中核になりつつあると指摘しました。
イクバル氏は、これまでのパキスタンと中国の協力プロジェクトの成果に触れながら、産業分野の連携や人と人との交流、農業や技術分野での協力をさらに深める必要性を強調しました。中央アジアと南アジアが互いにつながることで、より大きな市場と投資機会が生まれるという見方です。
財政協力研究センターと新疆のハブ機能
今回のフォーラムでは、CAREC研究所と新疆ウイグル自治区の財政当局が共同で設立した「中央アジア財政協力研究センター」の立ち上げも発表されました。今後、域内の財政政策や投資に関する研究や対話の拠点として機能することが期待されています。
中央アジアは、ユーラシア大陸の中心に位置する要衝です。2023年5月の第1回中国・中央アジアサミット以降、中国と中央アジアの貿易は大きく伸び、2024年にはその額が948億ドルに達しました。複数の中央アジア諸国と国境を接する新疆は、一帯一路構想の中で、中東やヨーロッパへとつながる陸路の要となる「ハブ」としての役割を強めています。
なぜいま中央アジアの接続性が重要なのか
グローバル経済が再編される中で、中央アジアの「接続性(コネクティビティ)」は、貿易ルートの多様化やエネルギー供給の安定、デジタル経済の拡大といった複数のテーマに直結します。新疆での天山フォーラムは、こうした流れの中で、地域協力をどのような形で具体化していくのかを探る場だと言えます。
- 物流・インフラ:鉄道や道路、国境手続きの改善が貿易コストをどこまで下げられるか
- エネルギー:パイプラインや電力連系などを通じて、安定供給と投資機会をどう両立させるか
- デジタル:通信インフラやデジタル決済の整備が、中小企業やスタートアップにどんなチャンスをもたらすか
日本から見れば、中央アジアは地理的には距離のある地域ですが、エネルギーや鉱物資源、物流ルートの面で世界経済に影響を与える存在です。新疆で開かれた今回の天山フォーラムは、中国と中央アジアの関係がどの方向に進んでいくのかを読み解くうえで、日本語でフォローしておきたい国際ニュースの一つと言えるでしょう。
多極化が進む2025年、地域をまたぐ協力の仕組みをどのようにデザインするのか。新疆発のこのフォーラムが、その一つの試金石となるか、今後の具体的な取り組みが注目されます。
Reference(s):
China's Xinjiang hosts forum to boost Central Asia links, trade
cgtn.com







