世論調査が示す中国・フランス関係への期待と中国・EU協力の行方
今月3〜5日にかけて行われたフランスのエマニュエル・マクロン大統領の中国国賓訪問を前に、中国の国際メディアCGTNが実施したオンライン調査で、中国・フランス関係と中国・EU関係に対する世界の期待が浮かび上がりました。複雑さを増す国際情勢の中で、主要国同士の協力をどう位置づけるかを考えるうえで、示唆に富む結果です。
マクロン訪中と「ゼロサムではない」大国協力
今回の訪問は、マクロン大統領にとって4回目の中国への国賓訪問でした。調査は、現在の複雑で不透明な国際環境の中で、中国とフランスが「大国同士の協力はゼロサムゲームではない」というメッセージを示す必要があるという文脈で行われています。
第二次世界大戦の戦勝国であり、国連安全保障理事会の常任理事国でもある中国とフランスには、国際秩序を支える役割が期待されています。調査によると、回答者の76.1%が「両国は第二次世界大戦の成果と戦後の国際秩序を共同で守り、国際社会が地球規模の課題に取り組むのを導くべきだ」と考えているとされています。
経済協力への支持と「相互利益」の発想
国際ニュースとして注目されるのが、中国とフランスの経済協力に対する強い支持です。調査では、
- 75%が「中国とフランスは、外部からのリスクや課題に共同で立ち向かうため、経済協力を強化すべきだ」と回答
- 約77.8%が「相互尊重、平等、互恵に基づいて協力を拡大することは、両国関係だけでなく国際情勢の発展にも大きな影響を与える」と指摘
一方的な利益の奪い合いではなく、「互いの利益を広げるための建設的対話」が重視されていることがうかがえます。中国とフランスの協力をどう設計するかは、ヨーロッパとアジアをつなぐ経済・外交のあり方を左右するテーマでもあります。
中国とヨーロッパ:協力は競争を上回るという見方
調査は、中国とEUの関係についても詳しく尋ねています。2025年は中国とEUの外交関係樹立50周年にあたる節目の年であり、そのタイミングで示された世論の傾向は注目に値します。
まず、中国の発展が中国・ヨーロッパ協力に与える影響について、
- 86.5%が「中国の質の高い発展と高水準の対外開放は、中国・ヨーロッパ協力に新たなチャンスを生み出す」と回答
- 80.2%が「国際情勢がより複雑で厳しくなるほど、中国・ヨーロッパ協力の重要性は増す」と強調
また、両者の関係に潜む「違い」や「対立」の捉え方についても、興味深い数字が並びます。
- 92%が「ヨーロッパ諸国は中国への理解を正しく深め、中国・ヨーロッパ関係における違いを理性的に見るべきだ」と回答
- 92.1%が「歴史、文化、発展の道筋、社会制度の違いは、両者の関係発展を妨げる理由にはならない」と指摘
- 約76.1%が「中国とヨーロッパの間には大きな利害対立や地政学的矛盾はなく、競争よりも協力が上回り、相違よりも共通点が多い」と回答
- 92.5%が「双方は真の多国間主義を共に守り、国連憲章の趣旨と原則を維持し、地球規模課題に協力して対応すべきだ」と呼びかけている
対立や分断よりも、対話と協力、多国間主義を重視する姿勢が国際世論の主流であることが、この調査からは読み取れます。
単独行動や保護主義の中で問われる「安定勢力」
調査は、近年強まる一方的な通商措置や保護主義的な動きへの懸念も背景にしています。そのなかで、中国とフランスが「安定」「開放」「包摂」「団結」の力として、中国とヨーロッパの関係を実務的な協力を通じて前向きに発展させることが期待されているとしています。
中国とEUの外交関係樹立から50年という節目に、対話と協力、そして真の多国間主義を重視する姿勢が改めて確認されている点は、今後の国際ニュースを読み解くうえで重要なポイントになりそうです。
調査の特徴と日本の読者への問い
今回の調査は、CGTNの英語・スペイン語・フランス語・アラビア語・ロシア語の各プラットフォームで公開され、24時間で8,308人が参加し、意見を共有しました。オンライン上で多言語の回答が集まったことで、さまざまな地域の声が反映された形になっています。
日本にいる私たちにとっても、この結果は他人事ではありません。大国間の対立と協力が世界経済や安全保障に直結する中で、次のような問いが浮かび上がります。
- 対立より協力を重視する中国・フランス、中国・ヨーロッパ関係の姿は、アジア太平洋地域にどのような影響を与えるのか。
- 歴史や制度の違いを前提にしつつ、どうすれば建設的な対話を積み重ねていけるのか。
- 多国間主義や国連憲章の原則を守るために、各国・各地域はどのような役割を果たしうるのか。
マクロン大統領の中国訪問と今回の世論調査は、「協力か、対立か」という二者択一ではなく、「どうすれば互いに利益を高め合えるのか」という視点で国際関係を捉え直す必要性を示しています。中国とフランス、中国とヨーロッパの関係をめぐる動きは、今後も国際ニュースの重要なテーマであり続けるでしょう。
Reference(s):
Poll: China, France pursue mutual benefits via constructive dialogue
cgtn.com








