IUCNがシカの国際名に「Milu」採用 中国原産種の名が正式に
国際自然保護連合(IUCN)が、中国原産のシカとして知られる動物の国際的な呼び名を見直し、これまでの Pere David's Deer から中国語音訳の Milu へと変更しました。中国での再導入から40周年という節目に合わせた動きで、生物多様性と文化的な背景の両方に光を当てるニュースです。
Miluの「帰還」40年と国際名の変更
中央中国・湖北省の石首市にある長江・天鵝洲湿地の石首麋鹿国家級自然保護区では、最近、ミルー(Milu)の中国への「帰還」40周年を記念する行事が開かれました。この場で専門家から、国際自然保護連合(IUCN)が種の国際名として中国語音訳の Milu を正式に採用し、従来使われてきた Pere David's Deer という名称に代わることが明らかにされたといいます。
2025年現在、この変更により、国際的な場面でも中国発の名称である Milu が使われることになり、中国原産種としてのルーツがよりはっきりと示される形になりました。
中国古典にも登場するシカ、Miluとは
Milu は、中国語で「sibuxiang」とも呼ばれています。これは、見た目の特徴から「四つのどれにも似ていない」という意味合いを持つ言葉で、他の動物と一線を画す独特の姿を表現しています。
研究者によれば、Milu は中国原産の種であり、『孟子』『礼記』『本草綱目』といった古典にもその名が見られるとされています。北京麋鹿生態研究センターの孟慶慧氏は、「麋」を表す文字がすでに甲骨文の時代から登場していると指摘しており、中国の歴史や文化の中で長く存在感を持ってきた動物であることがうかがえます。
名前が変わることの意味
これまで国際的には、Milu は主に Pere David's Deer という英語名で呼ばれてきました。今回、IUCN が正式名称として Milu を採用したことには、単に呼び名を変える以上の意味があると考えられます。
- 原産地である中国との結びつきを、名前そのものが示すようになった
- 古くから伝わる呼称や文化的背景が、国際的にも尊重される形になった
- 野生動物の保全をめぐる議論で、地域の歴史や物語にも関心が向きやすくなる
誰が見つけたか、どこで研究されたかといった視点だけでなく、その生き物がどこで生まれ、どの社会で語り継がれてきたのかという視点も、名称の選び方からにじみ出るようになります。
私たちはこのニュースから何を考えるか
今回の IUCN による Milu の採用は、一見すると小さな「名前のニュース」に見えるかもしれません。しかし、その背景には、絶滅の危機に瀕した種を守り、再び自然の中で暮らせるようにしてきた取り組みと、その動物を見守ってきた人々の記憶があります。
身近なニュースや会話の中でも、「なぜその名前なのか」「その呼び名の裏側にどんな歴史や価値観があるのか」を少し立ち止まって考えてみることで、国際ニュースや生物多様性の話題がぐっと自分ごととして感じられるようになるはずです。
Reference(s):
IUCN adopts name 'Milu' for the animal known as 'Pere David's Deer'
cgtn.com








