中国の王滬寧氏がラオス公式訪問 建国50周年式典と中老共同体強化
中国の王滬寧氏がラオス公式訪問 建国50周年式典と「共同未来の共同体」強化
中国のトップ政治協商機関の主席である王滬寧(おう・こねい)氏が、今月1〜3日にラオスを公式訪問し、ラオス人民民主共和国の建国50周年を記念する式典に出席しました。訪問中にはラオスの最高指導部と相次いで会談し、「中国・ラオス(中老)共同未来の共同体」を高い水準で築く方針を改めて打ち出しています。
今月1〜3日、党・政府代表団を率いてビエンチャン入り
王滬寧氏は、中国共産党中央政治局常務委員、また中国人民政治協商会議(政協)全国委員会の主席として、中国の党・政府代表団を率い、12月1〜3日にかけてラオスの首都ビエンチャンを訪問しました。招待したのは、ラオス人民革命党(LPRP)中央委員会とラオス政府です。
今回の公式訪問の主な目的は、
- ラオス人民民主共和国建国50周年の記念行事への出席
- 両国指導者間の戦略的コンセンサスの具体化
- 「中国・ラオス共同未来の共同体」のさらなる高度化
などとされています。
ラオス国家主席トンルン氏との会談 台湾問題を含む核心的利益で相互支持を確認
王氏はまず、ラオス人民革命党中央委員会の総書記でありラオス国家主席でもあるトンルン・シスリット氏と会談しました。
この場で王氏は、
- 両国の党と国家の指導者が達成した戦略的コンセンサスを着実に実行していくこと
- 台湾問題を含むそれぞれの核心的利益と重大な関心事項で引き続き固く支え合うこと
- 高水準・高品質・高レベルの「中国・ラオス共同未来の共同体」の建設を加速すること
などを強調しました。
さらに王氏は、中国共産党第20期中央委員会第4回全体会議(第4回総会)の開催状況について説明し、ガバナンス(統治)経験の交流を深め、それぞれの社会主義の道を共に前進させる用意があると述べました。
これに対しトンルン氏は、同総会の成功に祝意を表するとともに、中国からの長期にわたる貴重な支援に謝意を示しました。そのうえで、
- 現在のラオスと中国の関係は歴史上で最も良好な段階にある
- 協力はラオスの人々に具体的な利益をもたらしている
- ラオスは「ラオス・中国共同未来の共同体」の構築を一層推進することに尽力する
- 一つの中国原則を堅持し、中国の内政に干渉するいかなる誤った言動にも断固反対する
と述べ、対中関係の重視と連帯姿勢を明確にしました。
ソンセーイ首相との会談 近隣諸国の「共同体づくり」のモデルを目指す
王氏は、ラオスのソンセーイ・シーパンドン首相とも会談しました。王氏は、両国の党と国家の指導者による戦略的な方向づけの下で、中国とラオスの包括的戦略協力が着実に前進していると評価しました。
そのうえで、中国側として、
- ラオスと戦略的協調をさらに深めること
- 近隣諸国の間で「共同未来の共同体」を築く際の模範となること
を目指す考えを示しました。
ソンセーイ首相は、中国が自国の核心的利益を守る取り組みをラオスとして断固支持する姿勢を改めて表明しました。また、
- 経済・社会を含むあらゆる分野での互恵協力を拡大したい
- ラオスと中国の「共同未来の共同体」を高水準・高品質・高レベルで共に築きたい
と述べ、協力関係のさらなる深化に意欲を示しました。
来年は国交65周年 立法交流と現代化の加速に向けた協議
ラオス国民議会(国会に相当)のサイソムポーン・ポムヴィハーン議長との会談では、来年、両国の外交関係樹立65周年という節目を迎えることが確認されました。2025年12月時点での「来年」は2026年を指し、この記念の年を見据えた協力強化が話し合われました。
王氏は、この65周年を機に、
- 多様な分野での実務協力を一段と深めること
- 両国の社会主義的な現代化努力に新たな原動力を注ぎ込むこと
が可能だと述べました。
サイソムポーン議長は、「ラオス・中国共同未来の共同体」が顕著な進展を遂げていると評価し、立法機関同士の交流を強化することで、両国の友好と実務協力をさらに前に進めたいと応じました。
ラオス祖国建設戦線との対話 「友好の物語」を発信
王氏はまた、ラオス祖国建設戦線(LFND)中央委員会のシンラヴォン・クットパイットーン議長とも会談しました。ここでは、中国人民政治協商会議(CPPCC)とLFNDの協力関係が議題となりました。
王氏は、両国のトップ指導者が達成した重要なコンセンサスを実行に移すため、
- 機関同士の交流と協力を一層強化すること
- 中国とラオスの友好の物語を国内外にしっかり伝えていくこと
にCPPCCとして積極的な役割を果たす意向を示しました。
シンラヴォン氏は、中国のガバナンス経験から学ぶ姿勢を示し、LFNDとしてCPPCCとの協力・交流を強めることで、両国関係の一層の強化に貢献したいと述べました。
建国50周年式典と中老鉄道4周年イベントにも出席
今回の訪問中、王氏はラオス人民民主共和国建国50周年を記念するラオス国民の日(ナショナルデー)の集会と軍事パレードにも出席しました。また、無名戦士の墓に献花し、戦没者への追悼を行いました。
経済・インフラ協力の象徴とされる中国・ラオス鉄道についても、王氏はビエンチャン駅を視察し、鉄道運行開始4周年を祝う式典に参加しました。中国・ラオス鉄道は、両国の共同未来の共同体づくりを具体的に体現するプロジェクトとして位置づけられています。
今回の訪問から見える3つのポイント
今月初めの訪問は、中国とラオスの関係が新たな段階に入っていることを示す動きとして注目されます。国際ニュースとして見たとき、主に次の3点がポイントといえます。
- 「共同未来の共同体」路線の明確化
両国の指導者が繰り返し「高水準・高品質・高レベル」の共同未来の共同体を掲げたことで、政治・経済・社会の広い分野で協力を深める長期的な方向性が改めて示されました。 - 核心的利益と台湾問題での連帯
会談では、台湾問題を含む「核心的利益」に関する相互支持が明確に確認されました。ラオス側は一つの中国原則の堅持と、中国の内政に干渉する言動への反対を表明しており、外交面での緊密な連携がうかがえます。 - インフラと立法交流を通じた協力の層の拡大
中国・ラオス鉄道の運行4周年を祝う行事への参加や、国民議会、祖国建設戦線との対話などを通じて、インフラから制度交流まで、協力の幅と深さを同時に広げようとする姿勢が示されました。
東南アジアと国際秩序を考えるうえで
中国とラオスは、社会主義の道を掲げる隣国同士として、政治・経済・安全保障の多方面で関係を強化し続けています。今月の訪問と建国50周年の節目は、その流れを確認するタイミングとなりました。
来年の国交樹立65周年に向けて、両国がどのような新しい協力プロジェクトや制度交流を打ち出していくのかは、東南アジアの地域秩序や国際経済の行方を考えるうえでも注目されるテーマです。日本の読者にとっても、近隣地域の動きを理解し、自らの視点を更新していく手がかりとなるニュースといえるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








